大きくてBEVでもやっぱりポルシェ
乗り始めてみると「大きくてBEVでもやっぱりポルシェ」と思わせてくれました。ステアリング、アクセル、ブレーキと、すべての操作系から伝わる情報量が多くて密なことに、乗り味としてのポルシェブランドを改めて感じました。特に驚いたのがブレーキ。情報量やコントロール性でいえば、ポルシェの象徴である911などにはかないませんが、日常走行のブレーキ操作の約97%を回生ブレーキのみで行なっていることを考えると、ブレーキフィーリングの“ポルシェらしさ”には驚くばかりです。
また、乗り味の新体験として驚かされたのが、加減速時や旋回時の車両姿勢をフラットに保つ「ポルシェ アクティブライド」です。これはSとターボにオプション設定されているのですが、あらゆるシチュエーションでうれしい驚きを与えてくれるものでした。
スポーツモードを選んでワインディングを走ると、フラットな姿勢で安心感を持ってコーナーを駆け抜けることができます。一方、コンフォートモードを選ぶと首回りで感じる揺れが少なく、乗員の疲れを大きく軽減してくれるコンフォート性能を備えていました。
「フラットな乗り味」はクルマの評価でよく使われる表現ですが、スポーティーなフィーリングに必要なフラットさと、コンフォートなフィーリングに必要なフラットさ。その2つをシレっと両立していたのが印象的でした。ただ、ここまでコンフォートモードの乗り味が優れていると、ノーマルモードをどんなときに使うべきか悩んでしまう……というか、ノーマルモードは必要なのだろうか? という新たな問いが生まれたのも事実です。
今回のカイエン エレクトリックには最新のメカニズムがテンコ盛りですが、実際に運転してみると伝統のポルシェらしい乗り味で、良い意味で最新を感じさせないフィーリングとなっていました。
SUVのBEVという、今どきの乗り味が最も表れていそうなパッケージでありながら、見た目も乗り味もブランドの芯がブレない。そんなブランドエゴを感じられる1台となっていました。
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