BYD Auto Japanは、ミドルサイズSUV「BYD ATTO 3」を大幅刷新した新型車「BYD ATTO 3 EX」を9月29日から発売した。価格は後輪駆動モデルが437万円、四輪駆動モデルが487万3000円。CEV(Clean Energy Vehicle)補助金は両モデルとも15万円。
新プラットフォームで待望の後輪駆動化!
航続距離620kmを実現した「ATTO 3 EX」
BYD ATTO 3は、2023年1月にBYD日本導入の第一弾として登場。3年半で累計2684台の販売実績を積んできたという。新型車「BYD ATTO 3 EX」は、最新のeプラットフォームとCTB(Cell to Body)技術に基づき、車体骨格やパワートレイン、デジタル関連装備を大幅に刷新。従来は前輪駆動だったが、後輪駆動に変更したほか、2モーターの四輪駆動モデルも用意する。
搭載するバッテリー容量も、従来の58.56kWhから74.88kWhへと拡大。一充電距離も470kmから、後輪駆動モデルでは620km、四輪駆動モデルでも550km(いずれもWLTCモード)へと大幅に伸長した。また急速充電の受電能力も85kWから110kWへと向上し、さらに事前にバッテリーを暖めてくれるプリヒート機能も備えられた。
走行性能も進化。モーターの最高出力を150kWから230kWと大幅に向上。四輪駆動モデルは、100kWのモーターをフロントに加えシステム全体で330kWを達成した。
車体構造も見直され、従来はバッテリーパックと車体がそれぞれ独立した構造のCTP(Cell to Pack)から、バッテリーを車体構造の一部とするCTBへと変更。室内空間が広くなったほか、車体剛性も高められた。
快適装備面では、四輪駆動モデルには前席センターコンソールに車載温冷庫を設置。またフロントには容量95リットルのフランク(フロントトランク)を用意している。
軽EVやPHEVが屋台骨に
補助金減額の逆風を打ち破るBYDの販売戦略と次なる一手
発表会では、東福寺厚樹 BYD Auto Japan代表取締役社長によるBYDの近況報告が行なわれた。
BYDは中国国内で年初に大幅に減速したものの回復傾向で、1~8月期の販売は151万台と前年から約半分。一方、海外は116万台と前年比86%と大幅に伸ばしているという。これは原油価格の高騰のほか、海外でスタートした1.5MWのスーパーチャージャー(超急速充電)も後押ししているという。
日本国内に目を向けると、国産の乗用BEVが昨年比8.5倍の約4万台と大幅に増加。BYDはというと、32%減の1427台に留まった。その理由はCEV補助金の減額による影響と語る。ただ、CEV補助金は申請の殺到により、早ければ12月上旬にも受付が終了する見込みと経済産業省は発表しており、来年1月から3月の金額が変わる(減額)予定であること、来年4月以降の補助金額によっては、国産車との価格差は少なくなり、BYDの強みが出てくると考えているようだ。
では、販売台数が減り売り上げ減かというと、そうではないようだ。というのも、PHEVのBYD SEALION 6が好調で、輸入PHEV車の販売実績ナンバーワンを記録したから。BYD Auto Japanの屋台骨を支え、今年は4000台の販売を計画しているという。
話題を集める軽EV「RACCO(ラッコ)」は、9月27日時点で1832台の受注を迎えているとのこと。9月中旬から納車を始めているほか、1300台近くのバックオーダーを抱えているが、生産を高めていく予定だという。また3グレードのうち、もっとも低価格のグレードは即納も可能だそうだ。
そして、11月末にプラグインハイブリッドのBYD ATTO 2を発表する予定であることを公表。今後も何かしらの新製品を出し続けていきたいと語った。
CEV補助金減額の向かい風による影響はあるものの、ディーラー数も増えておりBYDは着実に日本の地に根付きつつある。数年後、我が国の自動車業界を振り返った時、BYDの日本上陸が大きな転機だったという時代は確実にくるだろう。
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