●使用中の動作やノイズをチェック
EBLは届いた直後、充電しなくてもスグに使えた記憶がありますが、ENEGONは電圧を測ってみるとほぼ0V。もしや不良品が届いたのではないか、と思い、数分間充電して電圧を再度測ってみたところ、しっかり9V以上が出力されていました。商品の説明に「安全な配送のため、電池は約20%の充電状態でお届けします」とあるので、保管中の放電で電力量が下がり、出力が止まっていたのでしょう。
どうやらENEGONは容量がなくなる直前まで9Vを維持し、その後は過放電対策で出力がカットされる仕様のようです。最初から最後まで一定の電圧を維持してくれるというのは、安定動作を重視する用途ではかなり魅力に感じます。
これに対しEBLは、満充電時こそ無負荷で8.4V、使用開始直後で8.2Vくらいの電圧が出ていますが、使うと少しずつ電圧が落ちていきます。赤外線温度計が動かなくなるまで使用してみたところ、出力はほぼ0Vとなり停止されていました。こちらも過放電保護があるようです。
なお、1分ほど充電してみたところ出力が戻り、この時の電圧は約6.1V。リチウムイオン電池の一般的な過放電保護電圧は2.8~3Vあたりとのことなので、直列だと5.6~6V。6V切りで停止されているようなので、結構ちゃんとした作りでした。
使用していると電圧が少しずつ落ちていくという挙動は乾電池に近いものの、元から最大8.4V~最小6Vとだいぶ低めなだけに、動作電圧の閾値が高い機器だと動かなくなるまでの時間も短そう。また、電圧で性能が変化する機器にも向いていないでしょう。
もうひとつ気になっているのが、昇圧回路によるノイズ。商品ページのカスタマーレビューを見ると、とくにギターアンプでノイズがのることがあるようです。
ということでオシロスコープを使い、機器使用中にノイズがあるのかを簡単に確認してみました。使用したのは先ほどから登場している赤外線温度計。これを使い、温度計測中の電源ラインをチェックしてみました。
EBLは電源ノイズらしいものはなく、フラット。たまに揺れ動くノイズが見えましたが、これは乾電池を使った場にも出ていたので、機器側で発生したノイズが電源に影響してきたものだと考えられます。
これに対してENEGONですが、振幅こそ8mVと小さいですが、1.2MHzくらいの周期的なリップルノイズが見えました。
ただ、これがそこまで大きな影響を与えるものかと言われれば、そこは微妙。ACアダプターと同程度のノイズ対策が施されていれば、回避できそうだからです。
影響があるとすれば、電池利用が前提なのでノイズ対策がまったくされていないうえ、消費電力が大きめなアナログ回路でしょうか。そういう意味では、ギターアンプにノイズがのるというのはあり得る話です。
なお、手元にある赤外線温度計、照度計、ESRメーターは、これといった問題もなく動きました。結局のところ、影響あるかは「機器による」ということですね。
●9V固定か8.4Vか、用途に合わせて選びたい
乾電池と遜色なく使え、それでいて繰り返し充電利用が可能。さらにType-C端子からも充電できるため、専用の充電器が必要ないという使い勝手の良さが魅力です。
9V固定出力と、最大8.4Vのどちらを選ぶかで悩みますが、ノイズに弱い機器で使うのでなければ、9V固定モデルを選んでいいのではないでしょうか。電圧が下がった場合の不安定な動作を防げるという安心感は、やはり大きいです。
ちなみに、ENEGONの充電電力は約2W。満充電にかかる時間は3時間40分ほどでした。結構時間がかかりますが、3時間くらいで9割くらい充電されるので、最後まで待たずに使ってもそこまで変わりません。
今回は9V固定出力の「フラッグシップモデル」を選びましたが、EBLと同じ最大8.4Vタイプとなる「ベーシック」(基本セット)、9V固定出力でも容量が1350mAhと多い「上級モデル」などもあるので、用途に合わせて選びたいですね。
●お気に入りポイント●
・お手軽なType-C充電
・9Vの固定出力が可能
・繰り返し使えるのでゴミが減る
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります






