第267回
前衛漫画の旗手・古屋兎丸が大衆迎合のために考えた答えは究極の『π(パイ)』探し!【Amazonマンガ週末祭】
2026年09月12日 16時00分更新
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9月第2週(9月11~13日)の「Amazonマンガ週末祭」は、「懐かしの2000年代作品」特集。対象作品が全巻50%ポイント還元セールです。その中から、今回は古屋兎丸センセイの『π(パイ)』をご紹介。
思春期の狂気や耽美な世界観、独特のユーモアと残酷さを描いてきた漫画家が起こした「自分内革命」
『π』は、究極のおっぱいを追い求める高校生・夢人を主人公にした漫画。
頭の悪そうなこの漫画の著者、古屋兎丸センセイは、『ガロ』出身で、現代美術寄りの実験的な漫画を描き、若い頃にはキャラクター中心の漫画を「こっぱずかしい」とさえ感じていた漫画家です。人物を前面に出さず、背景や構図そのものを作品にするようなことまで考えていた漫画家さんですが、一方で、「漫画家になったからには週刊連載を一度やってみたい」という思いも持っていました。
そして『スピリッツ』から連載の話が来ると、それまで続けていた高校の美術教師を辞め、週刊連載の世界へ飛び込みます。そこで考えたのが、自分の“作家性”をむしろ消すこと。ちょっと前衛的でアーティスティックな「古屋兎丸の漫画」として読まれるのではなく、主人公の夢人を覚えてもらえるようなエンターテインメントに挑戦した作品なのです。
さらに題材を考えるときには、「中学生の頃、自分が一番好きだったもの」をテーマにしました。それがおっぱいです。
ただし『π』は、単なるおっぱい漫画というだけでもありません。作中では、テニスを描き、バイクを描き、首都高バトルまで描きました。「描けないジャンルをなくすための練習」だったそうで、首都高編では自分で首都高を何十周も走ってロケハンしたそうです。究極のおっぱいを探す漫画のために、おっぱい以外を猛烈に練習して描いた作品が『π』なのです。
頭悪そうな漫画の裏にも、めちゃくちゃ超真面目な努力があったんだと思って読むと、おっぱいの絵以外にも目が行くようになって、また味わいが違って読めますよ。
この作品だけ読んで「古屋兎丸センセイってこんな漫画描く人なんだー」なんて思ってはいけない
π(パイ)
古屋兎丸 (著)
全9巻(完結)
6,831円 +ポイント還元 3,420 pt (50%)
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