「Core Ultra X7 358H」とほぼ同じ速度が出てしまいました!!!!
最新CPUインテル「Arc G3 Extreme」が爆速でビックリのポータブルPC「OneXPlayer 3」実機レビュー
2026年08月24日 06時00分更新
ポータブルゲーミングPCに搭載されるプロセッサーは、一般的なモバイルノートPC以上に内蔵GPU性能が重視される。
サイズが限られるポータブルゲーミングPCに、ディスクリートGPUを搭載することは非常に難しい。またdGPUがフル稼働すれば、搭載されているバッテリーなんて、あっという間にカラとなってしまう。もちろん放熱という点でも課題が多い。
というわけで注目なのが、新プロセッサー「Intel Arc G3 Extreme」を採用した「OneXPlayer 3」だ。
Intel Arc Gシリーズは、Core Ultraシリーズ3と同じPanther Lake世代のアーキテクチャーをベースに、コア構成、電源管理、ソフトウェアなどをポータブルゲーミングPC向けに最適化したプロセッサーだ。
つまり、ノートPC向けプロセッサーをそのまま流用したのではなく、最初からポータブルゲーミングPCでの利用を想定して開発されているのである。
テックワンから試用機を借りたので、コントローラー着脱式の3 in 1 PC「OneXPlayer 3」のスペックをチェックし、使い勝手をレビューしたうえで、同じPanther Lake世代の「Core Ultra X7 358H」搭載ノートPCと比較し、「Intel Arc G3 Extreme」のCPU性能、GPU性能、そして実ゲームでのパフォーマンスを検証していこう。
Arc G3 Extremeと
8.8型有機ELを搭載した
3in1ポータブルPCだ
「OneXPlayer 3」はプロセッサーに「Intel Arc G3 Extreme」を採用する。Pコア×2、Eコア×8、LPEコア×4の合計14コアで14スレッド、最大4.7GHz、TDP 35Wだ。内蔵GPUは「Intel Arc B390 Graphics」で、Xe3コア×12、最大2.3GHz、XMX AIユニット×96、最大113TOPSというスペックだ。
メモリーは24GB/32GB(LPDDR5X-7500)、ストレージは512GB/1TB(PCIe Gen4 x4接続 M.2 2280 SSD)を搭載。なお、国内向けには、24GB/512GBと32GB/1TBの2モデルがラインナップされている。
ディスプレーは8.8型有機ELで1920×1200ドット、16:10、最大144Hz、30~144Hz VRR、応答速度0.1ms、HDR対応、ピーク輝度1100ニト、DCI-P3カバー率100%、コントラスト比100万対1、10点マルチタッチ対応を採用。サウンド機能としては本体下部にステレオスピーカーを搭載している。
インターフェースは、USB4×2(充電、データ転送、映像出力、外部GPU接続対応)、USB 3.2 Type-A、microSDメモリーカードスロット、3.5mmオーディオジャックを装備。
加えて、最大2TBのストレージを増設できる「Mini SSD」スロット×1も備えている。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.2をサポートしている。
本体サイズは313×138×22mm、重量は本体のみで約779g、コントローラー装着時で約939g。85Whのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は約25時間以上と謳われている(メーカーがPCMark 10 Modern Office Battery Testで計測)。
なお、純正周辺機器として「カバーキーボード」(7800円)と「ワイヤレスコントローラーコネクター」(8800円)が用意されている。ノートPC的に利用したいのであればカバーキーボードを購入することを強くオススメする。
上面にUSB4×2、USB 3.2 Type-A、3.5mmオーディオジャック、下面に「Mini SSD」スロット、microSDメモリーカードスロットを装備。下面の金属接点はキーボード用、左右の金属接点はコントローラー用
ポータブルゲーミングPCとして最高峰のディスプレーを搭載
モバイルノートとしても活用したい
「OneXPlayer 3」は3in1ながら、やはり主体はポータブルゲーミングPCだ。
本製品には8.8型という大型の有機ELディスプレーが搭載されている。このディスプレーはリフレッシュレートが最大144Hzと高く、また有機ELならではの鮮やかな映像でゲームをプレイできる。
携帯できるゲーミングPCとして、非常に品質の高いディスプレーを備えていることは間違いない。
ただ、個人的には8.8型というサイズゆえに、身長185cmと大柄な筆者でさえ、両手で持ったままプレイしていると重く大きく感じる。本製品でゲームをプレイするのであれば、太ももの上に乗せるなり、背面のスタンドを活用してテーブルの上に置くなりしてプレイすることをオススメする。
個人的に本シリーズで気に入っているのが、コントローラーを取りはずせること。ポータブルゲーミングPCはせっかくコンパクトで、プロセッサーの性能も高い。このようなマシンをゲームだけに使うのはもったいないと思う。
もちろん、コントローラー一体型のポータブルゲーミングPCであっても、キーボードやマウスは接続できる。しかし、コントローラーがあると、それだけ携帯性は大きくスポイルされる。
これは本当に個人的な意見だが、筆者は本製品に対して、ゲーミングPCというよりも、8.8型のモバイルPCとして強く魅力を感じている。
キーボードカバーのキーピッチは実測15mm、キーストロークは実測1.3mm。キーボードサイズがやや小さいのは確かだが、クリック感はしっかりと備わっており、慣れれば快適にタッチタイピング可能だ。
英語配列なので、その点は練習が必要だが、個人的には「@」と「\」の位置さえ覚えれば、英語配列キーボードはマスターしたも同然だと思っている。
このキーボードカバーで個人的に感じている不満点はたったひとつ。タッチパッドのクリック感が結構硬いことだ。もちろん押せなくはないが、体感的には一般的なタッチパッドの1.5倍か、それ以上ぐらいの硬さを感じる。
というわけで、基本的にはこのタッチパッドは、押し込んでクリックする操作ではなく、指で軽くタップして決定操作を行なうことをオススメする。その操作であれば、快適に利用できるはずだ。
ゲーム性能とNPUのAI性能では
Core Ultra X7に肉薄する爆速ぶり
それでは、「OneXPlayer 3」のパフォーマンスをチェックしていこう。今回は比較対象として、「Core Ultra X7 358H」を搭載するASUS「ExpertBook Ultra」を用意した。
前述のとおり、Arc G3 ExtremeとCore Ultra X7 358Hは、どちらもPanther Lake世代のプロセッサーで、内蔵GPUには「Intel Arc B390 Graphics」を採用している。ハンドヘルドゲーミングPC向けに最適化されたArc G3 Extremeが、通常のノートPC向けのCore Ultra X7 358Hに対してどの程度の性能を発揮するのか注目してほしい。
まずCPU性能については、「CINEBENCH 2024」で比較すると、「OneXPlayer 3」はCPU(Multi Core)が926、CPU(Single Core)が118、ExpertBook Ultraはそれぞれ1121、123となった。「OneXPlayer 3」はマルチコアで約17%低いスコアにとどまるものの、シングルコアの差は約4%に収まっている。
続いて「CINEBENCH 2026」を実施したところ、「OneXPlayer 3」がCPU(Multiple Threads)で3708、CPU(Single Threads)で487、ExpertBook Ultraでは4517、497だったので、こちらもマルチスレッド性能では約18%の差があり、シングルスレッド性能の差は約2%にすぎない。
Arc G3 Extremeはマルチスレッド性能こそCore Ultra X7 358Hに及ばないものの、シングルスレッド性能については極めて近い水準が確保されている。
CINEBENCH 2024のCPU(Multi Core)は926、CPU(Single Core)は118。CINEBENCH 2026のCPU(Multiple Threads)は3708、CPU(Single Threads)は487
次に3Dグラフィックス性能を「3DMark」で比較すると、「OneXPlayer 3」はPort Royalで3868、Time Spyで7001、Fire Strikeで13158、Wild Lifeで41877を記録。
一方のExpertBook Ultraは、それぞれ4108、7596、14864、44073だった。
「OneXPlayer 3」との差はおおむね5~11%にとどまり、CINEBENCHのマルチスレッドテストより明らかに差は小さい。特にPort Royalでは約6%差、Wild Lifeでは約5%差まで迫っている。
同じIntel Arc B390 Graphicsを搭載しているだけに、GPU性能についてはCore Ultra X7 358H搭載機にかなり近いパフォーマンスを発揮している。
興味深いのは、実際のゲームに近い処理を実行するFFベンチマークだ。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)では、「OneXPlayer 3」が18172、ExpertBook Ultraが18652だったので、その差はわずか約3%だ。
続いて「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)でも、「OneXPlayer 3」が7336、ExpertBook Ultraが7870と、その差は約7%にとどまる。実ゲーム検証でも「OneXPlayer 3」は十分に善戦している。
CINEBENCHではマルチスレッド性能に約18%の差がついたが、3DMarkや実ゲーム系ベンチマークではその差が大きく縮まっている。
Arc G3 Extremeが、ゲーミングモバイルPC向けプロセッサーとして、CPUの絶対性能よりもゲームプレイにおける実効性能を重視した設計であることを示す結果だ。
「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」(1920×1080ドット、標準品質、ノートPC)のスコアは18172(非常に快適)。「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは7336
ストレージ性能については、「CrystalDiskMark 9」でシーケンシャルリード7080MB/s、シーケンシャルライト6686MB/sを記録した。ExpertBook Ultraはそれぞれ11274MB/s、10157MB/sと大きく上回っているが、これは搭載SSDの接続世代(Gen4とGen5)による違いだ。
「OneXPlayer 3」もシーケンシャルリードで7GB/sを超えており、ゲーミングモバイルPC用のストレージとして十分高速であることは間違いない。
ストレージはPCIe Gen4 x4接続SSD「Predator SSD GM7 1TB」を搭載。CrystalDiskMark 9のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は7080MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は6686MB/s
下剋上を果たしたのがNPU性能だ。「UL Procyon AI Computer Vision Benchmark」で計測したところ、「OneXPlayer 3」はfloat16で1226、Integerで2284が出た。
ExpertBook Ultraはそれぞれ1135、2042だったので、「OneXPlayer 3」がfloat16で約8%、Integerで約12%上回った形だ。CPU性能ではCore Ultra X7 358Hが勝っていたものの、NPU性能についてはArc G3 Extremeが逆転している点は興味深い。
最後にバッテリー駆動時間を「PCMark 10 Gaming Battery Life」(ディスプレー・サウンド各40%)で計測したところ、バッテリー残量100%から5%になるまで2時間4分動作した。
「OneXPlayer 3」は85Whの大容量バッテリーを搭載しているものの、高性能なArc G3 Extremeと8.8型AMOLEDディスプレーを備えるため、ゲームを連続稼働させれば消費電力は当然大きい。それでも、外出先で約2時間ゲームをプレイできるだけのスタミナを確保している。
8.8型ディスプレー+爆速で
ゲームにも仕事にも使えるポータブルPCだ
「Intel Arc G3 Extreme」を搭載する「OneXPlayer 3」の処理性能は、「Core Ultra X7 358H」搭載ノートPCに肉薄していることを確認できた。
バッテリー駆動時間は2時間4分に留まっているが、これはゲームプレイを想定したベンチマークを実施したためだ。ウェブブラウジングやオフィスアプリの利用など、負荷の軽い用途であれば、より長時間の利用が可能なはずだ。
筆者自身はゲーミングモバイルPCに対して、正直画面サイズは求めていない。どのみちXREALなどのARグラス(ディスプレーグラス)を使用してプレイするからだ。
しかし、コントローラーを取り外せるモバイルPCとしては、8.8型という画面サイズは非常に魅力的だ。また画面サイズに応じてキーボードも大きくなるので、入力環境としても申しぶんない。
Surfaceシリーズに存在しない8.8型ディスプレーを搭載し、さらにゲームコントローラーも直結可能な「OneXPlayer 3」は、モバイルマシンとしても、ゲームマシンとしても、独自のポジションを確立した魅力的なマシンである。
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