週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

チビパソとモバイルの真ん中を狙ってます

「OneMix4」実機レビュー = Tiger Lakeを積んだ激小10型モバイルノート欲しいです!!

2021年03月18日 13時00分更新

 One-Notebook Technology社が開発した「OneMix4」が、日本でもテックワンから発売になった。画面が10型のチビパソなのに、Tiger Lake搭載なのが最大の特徴だ。

手のひらに乗る10型のOneMix4は約14万円から

まさにモバイルノートの縮小版
ほぼA5判サイズは文庫本2冊ぶん

 本体サイズは227×157.3×11~17ミリで重量は769グラム。A4用紙を半分に折ったA5判は210×148ミリなので、ほぼ同寸である。小さい側からいうと、文庫本がA6判なので、2冊並べた大きさである。

13.3型の富士通UH(右)と並べると、ふた回り小さいですね

 搭載しているCPUはCore i5-1130G7(最大4.0GHz)とCore i7-1160G7(最大4.4GHz)で、これは通常のモバイルノートで使われているTiger LakeのUP3(12~28W)より省エネのUP4(7~15W)シリーズである。既存モデルではレノボの2つ折り画面ノートのThinkPad X1 Nanoや、OneNotebookのOneGX1 Proが搭載している。内蔵のGPUはUP3と同様のIris Xe グラフィックスだ。

 ボディーカラーはCore i5搭載のスタンダードが「ダークネイビー」で、COre i7搭載のプラチナエディションは「スペースグレー」で固定されている。スペックとは別に色を選びたいところだが、モデルによって色が異なるのは同社の特徴でもあるのだ。

こちらはスペースグレーの天板で、真ん中の「1」はミラー仕上げです

底面はゴム足4本で、後部にのみエアインテークの穴がメッシュ状に空いています

 メインメモリはオンボードで、8または16GB(LPDDR4x3200MHz)を内蔵し、ストレージは512GBまたは1TB。SSDはM.2で搭載している。CPUとの組み合わせで5モデルあり、お値段は税込で約14万円からである。

本体内のM.2スロットにはフルサイズのSSDがセットされていました

 ディスプレイは10.1インチの16対10比率で2560×1600ドット、10点マルチタッチで色域はsRGB100%カバーで、画面がグルリンと360度回転する。実測で216×135ミリで、密度は300dpiである。ディスプレイ設定で100%にすると文字が激小になるので、250%が推奨となっているが、150~200%で普通に利用できた。明るさや彩度も十分で不満はない。

左が富士通の13型ノートUHで、右がOneMix4です

 基本的には別売(発売当初はサービスで付属)の2048段階筆圧検知タッチペンも利用可能で、液晶をグルリンしてタブレット状態で使うのも、このサイズだとやりたくなる。

メインキーを大きくするために工夫されたキー配列
USBはType-Cが3つも!!

 キーボードは基本は日本語配列だが、予約限定でUS配列もオーダー可能である。今回はUS配列を試用したが、キートップがスッキリでおススメである。キーはヨコが約18ミリで、タテは17ミリというサイズで、ファンクションキーと数字キーは小型だが押しにくくはない。

US配列のキーボードですが、アルファベットが刻印されたメインキーはとても広々としています

 Lの右側の「;」と「‘」はスペースバー右に移転しているのと右シフトキーあたりが圧縮されているが、おかげでメインキーは非常に打ちやすくなっている。 おじさんとしては、カーソルキーは独立して凸型配置にしてほしかった。

 バックライトを内蔵し、Fn+SPACEでON/OFFが可能なほか、Fn+TABでターボモード、Fn+BSで静穏モードに一発切り替えが可能なのは面白い。

キーボードのバックライトは明度調節はなしで、ON/OFFのみ可能です

 ポインティングデバイスは、従来の小型モデルの、ちと使いにくい「光学パッド」ではなく、おなじみのタッチパッドになってる。90×45ミリで奥行きがちょっと足りないのはガマンである。おじさんはトラックポイント希望なんですけどね。このタッチパッドはFn+F6でON/OFFできるので、マウスや画面タッチ時には切っておこう。

タッチパッドは奥行きがもう少しあるといいです

 インターフェイスはUSB 3.0のType-C×1に、4.0のType-C×2、マイクロSDカードスロット、イヤホンジャックを搭載。Type-Aが1つでもあると便利なのだが、このサイズで3つあることを評価したい。

このサイズでType-Cを3つも内蔵しているのは偉いです

背面のスリットは、右が排気で左は吸気です

 電源ボタンにはHello対応の指紋認証を内蔵。Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0も搭載していて、バッテリーは10Ahの3.85Vなので、38.5Whの容量になる。条件は不明だが、カタログ上は「動画の連続視聴で約8時間駆動」するそうだ。充電はUSB PDの最大45W入力に対応している。

Tiger Lakeの回り具合は?
ゲーミングの血を引く3D速度だ!

冷却ファンは1台のみ。写真左下のSSDが大きく感じますね

 試用機のCore i7-1160G7はどれくらい「回している」のか速度を計測してみた。

 CPU速度のCinebenchはR15、20、23がそれぞれ、679、1545、3973だった。同じCPUを積むThinkPad X1 Nanoは、かなりぶん回ししていたので、853、2149、5521という、上位のUP3(12~28W)レベルの速度だったが、OneMix4はそこまでは回さない設計のようではある。とはいえ72~80%は出ているので、使っていて不足は感じない。

 3DMarkでは、FireStrikeが3975、TimeSpyが1401、WildLifeが9808と、OneMix4はThinkPad X1 Nanoと同等か上回る速度となった。さすがはミニゲーミングPCメーカーの威力なのである。

 SSDはPCIe 3.0x4で、マルチシーケンシャルリードは1829、ライトは1708と安心の速度であった。

 バッテリーは38Wh内蔵で、液晶輝度「最大」、電源モードは「最も高いパフォーマンス」で2時間46分動作した。この条件で2時間半以上動けば、モバイルノートとして合格である。

 充電は付属の45W出力のACアダプターで、放電と同じ条件で動作させながらで、50%まで57分、70%まで84分、90%まで114分とかなりのんびり型であった。

CinebenchはR15、20、23が679、1545、3973

3D Markでは、FireStrikeが3975、TimeSpyが1401、WildLifeが9808でThinkPadを抜きました

読み込みは標準的速度ですが、書き込みはなかなか速いです

10型は絶妙のサイズ
これはカバンに常備したいモバイルノートなのである

右は8.4インチのOneMix3

 チビパソが好きな皆さんは、「OneMix」や「OneGx」シリーズを1台は持っているはずで、おじさんも8.4インチの「OneMix3Pro」を持っています。出かけるときにモバイルノートを持っていくかどうしようか迷ったときに、スッとカバンに入れておけるのが最大の魅力だ。OneMix3は204×129×15ミリの659グラムなので、OneMix4は幅が23ミリ、奥行きが28ミリ大きく、110グラム重いことになるが、それを上回る画面の大きさ、それも16対10の縦長が重宝するし、なによりキーボードの打ちやすさは13型レベルである。

 そしてなにより、8.4インチモデルとの最大の違いは、キーボード手前にタッチパッドが付いたことで、使い勝手が100倍気持ちよくなっている。

 日本のモバイラーとしては、重さが一番気になるところ。富士通のUHは13型で600グラム台ですからねえ。すでに画面ウェイトレシオ的には負けているのだが、どこでも気軽にカバンから出して気軽に使うためには、重さより「目立たないサイズ」が重要なのである。ぜひ10型モバイルノートをみなさんも体験してほしいのである。

OneMix4(写真左)のほうがふた回り大きく見えますね

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります