One-Notebook Technology社が開発した「OneMix4」が、日本でもテックワンから発売になった。画面が10型のチビパソなのに、Tiger Lake搭載なのが最大の特徴だ。
まさにモバイルノートの縮小版
ほぼA5判サイズは文庫本2冊ぶん
本体サイズは227×157.3×11~17ミリで重量は769グラム。A4用紙を半分に折ったA5判は210×148ミリなので、ほぼ同寸である。小さい側からいうと、文庫本がA6判なので、2冊並べた大きさである。
搭載しているCPUはCore i5-1130G7(最大4.0GHz)とCore i7-1160G7(最大4.4GHz)で、これは通常のモバイルノートで使われているTiger LakeのUP3(12~28W)より省エネのUP4(7~15W)シリーズである。既存モデルではレノボの2つ折り画面ノートのThinkPad X1 Nanoや、OneNotebookのOneGX1 Proが搭載している。内蔵のGPUはUP3と同様のIris Xe グラフィックスだ。
ボディーカラーはCore i5搭載のスタンダードが「ダークネイビー」で、COre i7搭載のプラチナエディションは「スペースグレー」で固定されている。スペックとは別に色を選びたいところだが、モデルによって色が異なるのは同社の特徴でもあるのだ。
メインメモリはオンボードで、8または16GB(LPDDR4x3200MHz)を内蔵し、ストレージは512GBまたは1TB。SSDはM.2で搭載している。CPUとの組み合わせで5モデルあり、お値段は税込で約14万円からである。
ディスプレイは10.1インチの16対10比率で2560×1600ドット、10点マルチタッチで色域はsRGB100%カバーで、画面がグルリンと360度回転する。実測で216×135ミリで、密度は300dpiである。ディスプレイ設定で100%にすると文字が激小になるので、250%が推奨となっているが、150~200%で普通に利用できた。明るさや彩度も十分で不満はない。
基本的には別売(発売当初はサービスで付属)の2048段階筆圧検知タッチペンも利用可能で、液晶をグルリンしてタブレット状態で使うのも、このサイズだとやりたくなる。
メインキーを大きくするために工夫されたキー配列
USBはType-Cが3つも!!
キーボードは基本は日本語配列だが、予約限定でUS配列もオーダー可能である。今回はUS配列を試用したが、キートップがスッキリでおススメである。キーはヨコが約18ミリで、タテは17ミリというサイズで、ファンクションキーと数字キーは小型だが押しにくくはない。
Lの右側の「;」と「‘」はスペースバー右に移転しているのと右シフトキーあたりが圧縮されているが、おかげでメインキーは非常に打ちやすくなっている。 おじさんとしては、カーソルキーは独立して凸型配置にしてほしかった。
バックライトを内蔵し、Fn+SPACEでON/OFFが可能なほか、Fn+TABでターボモード、Fn+BSで静穏モードに一発切り替えが可能なのは面白い。
ポインティングデバイスは、従来の小型モデルの、ちと使いにくい「光学パッド」ではなく、おなじみのタッチパッドになってる。90×45ミリで奥行きがちょっと足りないのはガマンである。おじさんはトラックポイント希望なんですけどね。このタッチパッドはFn+F6でON/OFFできるので、マウスや画面タッチ時には切っておこう。
インターフェイスはUSB 3.0のType-C×1に、4.0のType-C×2、マイクロSDカードスロット、イヤホンジャックを搭載。Type-Aが1つでもあると便利なのだが、このサイズで3つあることを評価したい。
電源ボタンにはHello対応の指紋認証を内蔵。Wi-Fi 6、Bluetooth 5.0も搭載していて、バッテリーは10Ahの3.85Vなので、38.5Whの容量になる。条件は不明だが、カタログ上は「動画の連続視聴で約8時間駆動」するそうだ。充電はUSB PDの最大45W入力に対応している。
Tiger Lakeの回り具合は?
ゲーミングの血を引く3D速度だ!
試用機のCore i7-1160G7はどれくらい「回している」のか速度を計測してみた。
CPU速度のCinebenchはR15、20、23がそれぞれ、679、1545、3973だった。同じCPUを積むThinkPad X1 Nanoは、かなりぶん回ししていたので、853、2149、5521という、上位のUP3(12~28W)レベルの速度だったが、OneMix4はそこまでは回さない設計のようではある。とはいえ72~80%は出ているので、使っていて不足は感じない。
3DMarkでは、FireStrikeが3975、TimeSpyが1401、WildLifeが9808と、OneMix4はThinkPad X1 Nanoと同等か上回る速度となった。さすがはミニゲーミングPCメーカーの威力なのである。
SSDはPCIe 3.0x4で、マルチシーケンシャルリードは1829、ライトは1708と安心の速度であった。
バッテリーは38Wh内蔵で、液晶輝度「最大」、電源モードは「最も高いパフォーマンス」で2時間46分動作した。この条件で2時間半以上動けば、モバイルノートとして合格である。
充電は付属の45W出力のACアダプターで、放電と同じ条件で動作させながらで、50%まで57分、70%まで84分、90%まで114分とかなりのんびり型であった。
10型は絶妙のサイズ
これはカバンに常備したいモバイルノートなのである
チビパソが好きな皆さんは、「OneMix」や「OneGx」シリーズを1台は持っているはずで、おじさんも8.4インチの「OneMix3Pro」を持っています。出かけるときにモバイルノートを持っていくかどうしようか迷ったときに、スッとカバンに入れておけるのが最大の魅力だ。OneMix3は204×129×15ミリの659グラムなので、OneMix4は幅が23ミリ、奥行きが28ミリ大きく、110グラム重いことになるが、それを上回る画面の大きさ、それも16対10の縦長が重宝するし、なによりキーボードの打ちやすさは13型レベルである。
そしてなにより、8.4インチモデルとの最大の違いは、キーボード手前にタッチパッドが付いたことで、使い勝手が100倍気持ちよくなっている。
日本のモバイラーとしては、重さが一番気になるところ。富士通のUHは13型で600グラム台ですからねえ。すでに画面ウェイトレシオ的には負けているのだが、どこでも気軽にカバンから出して気軽に使うためには、重さより「目立たないサイズ」が重要なのである。ぜひ10型モバイルノートをみなさんも体験してほしいのである。
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