2017年に登場したフランスのミッドシップスポーツカー「アルピーヌA110」。日本でファンが多い1台ですが、残念ながら2026年6月をもって世界生産が終了しました。日本向けの受注は3月で終了しています。
今回は最後のスパルタンな限定車、とも言える「A110 R 70」を試乗し、このクルマのポジションと存在を再確認することにしました。
自動車業界内でも愛好家が多い軽量ミッドシップスポーツ
今さらながら……ではありますが、A110についてあらためて紹介します。1970年代のラリーシーンを中心に活躍したA110を、現代によみがえらせたモデルとして2017年のジュネーブ国際モーターショーで2代目とも言える「アルピーヌA110」は登場しました。
ボディーやシャシーにアルミを多用し、徹底的な軽量化にこだわったモデルとなっていて、重量は1110kg(グレードや年式によって多少異なる)。この軽量な車体に最高出力252PSを発生する1.8Lターボエンジンを、ミッドシップ(後輪の前あたり)に搭載するライトウェイトスポーツです。
その軽快なドライブフィールは自動車メディア業界内でも評判が高く、実際にマイカーとして購入している自動車ジャーナリストや関係者も複数いるモデルです。
そんなA110は、販売時期によって多少異なりますが、日本市場における販売末期には3つのグレードで構成されていました。ベースグレードとも言える「アニバーサリー」、豪華仕様の「GTS」、そしてスパルタンな「R」といったすみ分けです。
アニバーサリーに代表されるような「素のグレード」とも言える存在は252PSのエンジンを搭載しますが、GTSやRといった上級グレードは300PSのエンジンを搭載しております。
各種専用装備からもスパルタンさが伝わる
限定車A110 R 70
今回の試乗車はスパルタンなRをベースとして、アルピーヌ創設70周年を記念した限定車であるA110 R 70になります。ちなみに、RはレーシングのRではなく「過激な」という意味を持つラディカルのRが意味として込められています。
まず目を引くのが、カーボンでできたエアロパーツです。フロントフードやウイング、フロントリップにルーフ、リアウィンドウ部などがカーボンで作られています。なお、開発当初の目標の中に「上面の空力添加物なしでダウンフォース発生させる」というものがあったので、このようなエアロパーツは“A110原理主義者”なファンにとってはタブーなもの、なのかもしれません。
エクステリアで目を引くのがカーボン製のホイールです。「デュケーヌ」というフランスの航空宇宙産業がメインの会社が作るものです。なお、この会社はロードレース用ホイールやモータースポーツの世界でドライバーの首を守る「HANSシステム」を作る会社であり、カーボンに関する技術力は高く、LMP3(耐久レースの入門カテゴリー)マシンを作るレーシングカーコンストラクターとしての側面を持っています。
インテリアもラディカルの名に恥じず過激そのもの。カーボンでできたフルバケットシートに、純正で6点シートベルト(一般的な3点はナシ)、そしてストラップタイプのドアハンドルなどが採用されています。なお、エアコンやオーディオといった快適装備はあります。
このような軽量化への努力もあって、重量はベーシックなA110 アニバーサリーと比べると30kg軽い1090kg、0-100km/h加速は3.9秒という俊足を誇っています。
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