「SORACOM Discovery 2026」展示ブースレポート第1弾
異常検知からロボット走行、車両制御まで —— 現場を遠隔化・自動化するSORACOM活用のIoTソリューション
2026年08月03日 09時00分更新
広範な要素技術が求められるIoTプロジェクトは、決して1社だけでは完結できず、パートナー企業の存在が欠かせない。ソラコムが2026年7月に開催した「SORACOM Discovery 2026」の展示ブースでは、パートナー企業による多様なIoTソリューションが一堂に会した。
本記事ではその中から、エッジAI搭載の振動センサーから多目的電動台車、車両向けGPSトラッカー、PLC向けゲートウェイまで、ソラコムの通信基盤を組み込んだ4つのIoTソリューションを紹介する。
TDK:振動センサーによる異常検知をエッジAIで 予知保全のトータルソリューション「edgeRX」
TDKのブースでは、産業機器の予知保全ソリューション「edgeRX」が展示されていた。振動センサーに搭載されたエッジAIにより、リアルタイムで異常を検知できる点が特徴だ。
クラウド上で作成した学習モデルをエッジに展開し、微細な振動データからローカル環境で故障を予知。リアルタイムな意思決定を支援すると共に、RAWデータを転送する必要がないため、セキュリティの確保と通信コストの削減を両立できる。
さらに、センサーデバイスから通信ネットワーク、分析ダッシュボードまでをセットで提供するため、短期間での立ち上げが可能だ。なお、ゲートウェイからクラウドへのセキュアな通信をSORACOMで実現している。
edgeRXは、モーターをはじめとする工場やプラントの機器を中心に導入が進んでいるという。手軽に導入・検証したい企業向けに、センサー10台、ゲートウェイ1台、AI・ダッシュボードの6か月分ライセンスをパッケージ化した「スターターキット」も提供中だ。
スズキ:悪路も走行できる汎用的な“ロボットの足” 多目的電動台車「MITRA」
スズキのブースで紹介されていたのが、多目的電動台車「MITRA」だ。同社が約50年にわたり培ってきたセニアカー(電動車いす)の技術を応用した製品で、多様な業界の企業へ“ロボットの足”として展開している。
開発の背景には、屋外や悪路でも安定走行できる無人搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)を求める声があったという。「従来製品では、ちょっとした段差につまずいたり、グレーチング(格子状の蓋)やシャッターの溝を乗り越えられなかったりする課題がありました。ただ、いきなりスズキがAGVやAMRを世に出すのはハードルが高いため、まずは“足回り”だけを切り出すことから始めています」(スズキブース・担当者)
特徴は、防錆・防水・防塵を備えた堅牢性と悪路での走破性だ。現在は、試作機を約70社に展開しており、多彩なユースケースでの実証実験が進んでいる。例えば、ピムトは「移動型の無人販売ロボット」、HBAは「屋外巡視点検ロボット」、LOMBYは「自動配送ロボット」の足回りとしてMITRAを活用中だ。
また、MITRAにはソラコムのIoT SIMが搭載され、走行データや内部データをスズキのクラウドに転送。保守・運用や次世代機種の開発に役立てている。今後は、遠隔での予兆保全の実装も検討中だ。MITRAの量産は、2027年初頭に開始される予定だ。
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