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もはやSFの世界。ミラノで見た「人格を持つAI同居人」と変幻自在な折りたたみスマホの進化論

2026年05月18日 12時00分更新

サムスンがミラノでインスタレーションを展示

 4月22~26日まで、イタリア・ミラノで開催されたミラノデザインウィークで、サムスンは「Design is an Act of Love(デザインは愛の表現)」をテーマに、AI時代の人間中心デザインを前面に出した大規模インスタレーションを展示しました。

「The Welcome Show」

 会場はミラノ市内のイベントスペース「Superstudio Piu」。大型展示エリア内に12のブース、100を超える製品展示がありましたが、そのすべてを紹介するのは大変なので印象に残ったものに厳選した紹介します。

 入り口を入ってすぐのエリアは「The Welcome Show」で、複数デバイスを連携したサムスンのAIビジョンを見せてくれました。

AIが単一デバイスではなく環境全体に広がるイメージを表現

変幻自在の折りたたみ端末と
噂の「ARグラス」コンセプト

 壁面いっぱいに広がるカラフルなオブジェは、サムスンの折りたたみモデルをイメージしたアートウォールの「Unfold Your Story」ゾーン。フリップ、フォールド、トライフォールドと複数の折りたたみモデルを展開しているサムスンが、未来のスマートフォン像の可変性を表現しています。

「Unfold Your Story」

 折りたたみスマートフォンは単なるハードウェアではなく、変形する形状そのものが個人のストーリーを広げる「メタファー」として位置づけられています。その延長線上で、ライフスタイルごとの物語が壁面に展開される構成です。

折りたたみスマホのオブジェクトを配置

 サムスンのAIホームデバイス「Ballie」の展示では、Ballie本体とゴーグルやバンドなどのアクセサリーを並べ、AIコンパニオンがユーザーごとのキャラクターや趣味に合わせて着替えるという発想を視覚化しています。

AIコンパニオンをユーザーごとに着替えさせる

 ウェアラブルデバイスの展示での注目は、今年発売が噂されているGalaxyシリーズのAI/ARグラスのデザインコンセプト。日常使いできるサングラス寄りのデザインで、近未来のモバイル体験をイメージさせてくれます。

グラスのデザインコンセプト

 スマートリング「Galaxy Ring」も、初代モデルが登場してまもなく2年。さまざまな素材やテクスチャをあしらったコンセプトモデルが展示されていました。スマートリングは24時間装着しやすいことと、ジュエリー的な装飾性を両立できるデバイスであり、個性を表現できるアクセサリーとしてのデザイン性をアピールしています。

スマートリングもデザインバリエーションが増える

 サムスンと言えばスマートデバイスだけではなく、TVやモニターなども海外展開していますが、「Transparent Symphony」ゾーンには同社の透明ディスプレイや透明スピーカーを使ったオーディオビジュアルインスタレーションを展示。音楽が空間に溶け込む様子を視覚的に見せてくれました。

透明ディスプレイを中心とした「Transparent Symphony」

「見て飾る」音楽プレーヤーと
人格を持つAIパートナー

 オーディオ製品で来場者の多くが「発売しないのか?」とスタッフに尋ねるほど人気だった展示がこちら。「Visual Audio」として見せた音楽プレーヤーのコンセプトモデルです。正方形の本体の上がディスプレイ、下がスピーカーという単純な構成ながら、レコードやカセットプレイヤー風のアニメーションを表示。音楽プレイヤーを「音楽を見る・飾るもの」と再解釈した製品です。

音楽を「見て飾る」という新しいコンセプト

 ミラノデザインウィークで発表されたAIコンパニオン「Project Luna」は、コンパニオン本体に顔となる円形ディスプレイを取り付け、それが向きを変え人に視線を合わせるような動きを行ないます。表情と光・サウンドでコミュニケーションする卓上AIパートナーというわけです。会場では丸いディスプレイに人々のポートレートを写し、AIが「人とつながる存在」「人格を持った同居人」であることをビジュアルに表わしました。

AIコンパニオン「Project Luna」

 ミラノデザインウィークは新製品を発表するという場ではなく、人とデザインを結び付けたこれからのプロダクトの方向性を色々な企業が見せてくれるイベントです。サムスンが来年はどんな「次の暮らし方」を見せてくれるのか、楽しみにしましょう。

サムスンの考える「未来の生活空間」、来年の展示が楽しみだ

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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