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韓国で開催されたプレスイベント「Kitchen Diablo」でアソシエイト・ゲームディレクターにインタビュー

『ディアブロ IV』開発陣「Blizzardの名に恥じない品質にしたかった」新拡張への覚悟を語る

2026年04月29日 16時00分更新

韓国で開催された『ディアブロ IV』の新たな拡張パック「憎悪の帝王」のローンチイベント「「Kitchen Diablo」に招待いただきました

 4月28日に『ディアブロ IV』の新たな拡張パック「憎悪の帝王」がローンチされました。続編となる重厚な物語をはじめ、2つの新たなクラス「パラディン」「ウォーロック」の追加、全クラスのスキルツリーの一新、レベル上限の引き上げ、タリスマンの実装、エンドゲームへの「作戦計画」の追加など、新たな要素がてんこ盛りな拡張パックとなっています。

「憎悪の帝王」

 この「憎悪の帝王」のローンチに先駆け4月27日に開催された、韓国でローンチプレスイベント「Kitchen Diablo(キッチン ディアブロ)」が実施。今回、Activision Blizzardに招待いただき、このプレスイベントに行ってきました。

 Kitchen Diabloでは、憎悪の帝王のイメージに合った料理が振舞われたほか、開発者プレゼンも実施。そして、開発者プレゼンで登壇した『ディアブロ IV』のアソシエイト・ゲームディレクターのZaven Haroutunian氏に日本メディア合同でインタビューを実施しました。なお、Kitchen Diabloの料理の様子は別記事で紹介します。

『ディアブロ IV』アソシエイト・ゲームディレクターのZaven Haroutunian氏

新クラス「ウォーロック」は“救われない英雄”

新クラス「ウォーロック」

──『ディアブロ IV』では悪魔側にも感情移入できる描写が増えました。一方で、悪魔の力に近づいた者は破滅していく世界でもあります。新クラス「ウォーロック」は、その危険な力を扱う存在ですが、プレイヤーにはどのような“代償”や“リスク”が表現されるのでしょうか?

Zaven Haroutunian氏:システム的な意味で大きなコストが発生するわけではありません。しかし物語面では、ウォーロックたちは自分たちの運命を理解しています。彼らは悪魔の力を使えば、いずれ魂が侵食され、最終的には破滅へ向かうことを知っています。

 それでも、サンクチュアリを守るため、自らを犠牲にする覚悟を決めているのです。できるだけ長く侵食に抗おうとはしますが、自分が“ハッピーエンドを迎えられない存在”であることを受け入れている。だからこそ、「自分が犠牲になってでも、他の人々を守る」という思想がウォーロックのテーマになっています。

──ウォーロックに対するメディアやコミュニティの反応について、印象的だったことはありますか?

Zaven Haroutunian氏:まだ発売前なので、実際のプレイヤーの声はそこまで多くありません。ただ、メディアレビューやインフルエンサーからの反応は非常に良好でした。私たちは今回のストーリーにも強い自信を持っていますし、プレイヤーの皆さんが実際に遊べる日をとても楽しみにしています。

 また、パラディン発表時には、長らく「Diablo IVには来ないのでは」と思われていたこともあり、コミュニティ全体が非常に盛り上がりました。さらにウォーロック発表時には、今度は別のファン層が大喜びしていて、それをパラディンファンたちも温かく祝福してくれました。クラス追加をコミュニティ全体で喜んでくれたことが、とても印象的でした。

──ウォーロックはネクロマンサーやソーサラーにも似ていますが、どのように差別化したのでしょうか?

Zaven Haroutunian氏:まず、魔法表現そのものが異なります。たとえば同じ“炎”でも、ウォーロックが扱うのは地獄の炎です。敵を拘束したり、能力を封じたり、単純なファイアボールとは違う性質を持っています。

 また、ネクロマンサーとの最大の違いは「召喚物との関係性」です。ネクロマンサーはスケルトンたちを維持しながら共闘しますが、ウォーロックは悪魔を“使い捨て”にします。「悪魔が死んだ時に発動する能力」なども多く、悪魔を犠牲にして自分を強化する戦い方が特徴です。つまり、ネクロマンサーが“共存”なら、ウォーロックは“搾取”なのです。

──開発中に没になったウォーロックの悪魔のアイデアはありますか?

Zaven Haroutunian氏:実は没になった悪魔はそこまで多くありません。むしろ開発途中でどんどん追加されていきました。ただ1つ印象的だったのは、初期段階で「肩の上に小さな悪魔が乗っていて、一緒に行動する」というアイデアです。しかし、あまりにも“友達っぽすぎる”ということで、「ウォーロックらしくない」「もっと邪悪であるべきだ」という判断になりました。最終的には、そのアイデアは別の悪魔デザインへ発展していきました。

パラディン実装は“最大の挑戦”だった

新クラス「パラディン」

──『ディアブロ IV』にパラディンを追加するにあたり、どのような再構築を行ったのでしょうか?

Zaven Haroutunian氏:パラディンは開発チームにとって非常に難しいクラスでした。長年愛されてきた存在であり、「これがなければパラディンではない」というファンの期待が強かったからです。とくに重要だったのが“オーラ”です。「オーラがなければパラディンではない」と言われるほど象徴的な要素でした。

パラディンを実装するのは非常に難しかったと話すZaven Haroutunian氏

 一方で、『ディアブロ IV』にはこれまでオーラ系システムが存在していませんでした。そのため、マルチプレイやパーティプレイの中で、パラディンがどうほかのクラスと相乗効果を生み出すかを深く考える必要がありました。

 また、単に昔のパラディンを復活させるだけでは意味がありません。『ディアブロ IV』版として、新しい要素も加える必要がありました。その中で、ハンマー系スキルやZealのような象徴的スキルは絶対に必要だと判断しました。

 さらに、『ディアブロ III』のクルセイダーから着想を得た要素もあります。たとえば「盾を投げる」能力は、パラディンにも自然に合うと感じたため取り入れました。加えて、『ディアブロ IV』版パラディン独自の特徴として、“槍”を扱う要素も導入しています。

新拡張で“チャーム”復活? タリスマンシステム誕生の裏側

タリスマン

──タリスマンシステムを導入した理由を教えてください。

Zaven Haroutunian氏:もともとは『ディアブロ II』のチャームのようなシステムを現代的に復活させたいという考えがありました。ただ、昔のチャームには「インベントリを圧迫する」という問題があり、プレイヤー側も開発側も、それを改善したいと考えていました。その結果、専用UIを持つ“タリスマン”という形に進化しました。

 また、物語面でも自然に組み込める要素だったため、システムと世界観の両方にうまく噛み合いました。さらに、タリスマンには「キャラクター成長の新しい軸」という意味もあります。武器を追求するだけではなく、タリスマンによる強化やカスタマイズなど、成長の選択肢を広げたかったのです。

 加えて、従来のセット装備システムでは、セットボーナスが装備自由度を狭める問題がありました。今回はセット効果を装備から切り離すことで、より自由なビルド構築が可能になっています。

緊張感の高い『ディアブロ』に癒し要素を

──今回追加される“釣り”について教えてください。

Zaven Haroutunian氏:『ディアブロ』は基本的にストレスや緊張感の強いゲームです。その中で、プレイヤーがリラックスできるカジュアルな遊びとして、初めて釣りを導入しました。釣りスポットはマップに表示されません。「ここで釣れるのでは?」とプレイヤー自身が探索し、コミュニティで情報共有してほしいと考えています。

 サンクチュアリや新エリアは非常に美しく作られているので、世界を歩き回りながら発見を楽しんでもらえればうれしいです。まずはプレイヤーの反応を見たいですね。もし好評なら、今後さらに別のミニゲームや遊びも追加できるかもしれません。

──最後に、日本のコミュニティへのメッセージをお願いします。

Zaven Haroutunian氏:今回の拡張開発では、最初の大規模ミーティングがとても印象に残っています。各チームリーダーがアイデアを持ち寄ったあと、全員が「これはBlizzardの名に恥じないクオリティにしなければならない」と口を揃えて言いました。

 その瞬間、「チームが1つになった」と感じました。

 また、日本のコミュニティについては、Diablo III時代から非常に熱量が高く、活気があると感じています。それがローカライズを重視してきた理由の1つでもあります。今回の新拡張を、日本のプレイヤーの皆さんに届けられることを本当にうれしく思っていますし、新たなサンクチュアリをどう冒険してくれるのか、とても楽しみにしています。

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