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プロの知見でユーザー企業もレベルアップできる

kintoneパートナーが語る「日本のエンタープライズあるある」が本音過ぎた

情報システムに伴走し、kintoneユーザーを拡大する

 では、具体的なエンタープライズでの事例を紹介してもらおう。

 ジョイゾーは、オフィスの近所にあるというオルガノという水処理会社の事例をひもとく。同社も基幹システムでカバーできない業務にkintoneを利用しているが、やはり基幹システムとの連携に課題を感じていたという。「最初は情シスの方ががんばっていたのですが、一人だと進めるのに限界を感じ、弊社と定期的にご相談してもらうようにしました」(笹川氏)。外部メンバーという位置づけで、情報システム部をサポートしているわけだ。

 オルガノの事例で面白いのは、対面開発の手法を社内にも導入している点だ。「システム39の手法を取り込み、『オルガノ39』という社内サービスを展開しています。社内で相談を受け付けて、情シスの担当者がジョイゾーと同じように対面開発してくれています。開発したシステムではなく、開発手法をインストールできた点がとても面白いなと思っています」と笹川氏は語る。

 オルガノはすでに3年に渡って、情報システム部の別組織としてジョイゾーを利用しており、2000人の社員のうち、すでに300人くらいがkintoneアプリを作れるという。内製化の成功事例と言えるだろう。「ガバナンスに関しても、ガチガチにしすぎると、現場のやる気を削ぐので、制限は最低限にとどめ、使ってよいプラグインやアクセス権をきちんと整備するようにしたのが、成功の秘訣だと思います」(笹川氏)。

 製造業が強いクオリカだが、今回は人材サービス会社のUTグループの事例を挙げる。kintoneを利用しているUTグループは、標準のkintoneで補えない開発をアールスリーインスティテュートの「gusuku Customine」でカバーし、社員を教育しながらユーザーを2000名規模に増やしてきたという。「簡単なカスタマイズはお客さまといっしょに作っていますので、標準機能だけじゃないアプリも作れるようになっています」と村越氏は語る。

 UTグループの場合も、クオリカが相談役として情報システム部をサポートする立場になっている。「ワークフローに関してもけっこう作り込んでいるので、kintoneのワークフローを情シスにナレッジを共有して、現場で使いやすくしてもらっています」(村越氏)。また、kintoneのバージョンアップ情報をいち早く共有したり、情報システム部の担当者と同席して現場のニーズをヒアリングしたりすることもあるという。

内製化目的ではないkintone、事業部ごとにサブドメイン運用

 コムチュアが披露してくれたのは、ソニーネットワークコミュニケーションズの事例だ。同社は全社のワークフローでkintoneを採用しており、生産管理システムや勘定システムと連携しているという。「本お客様は、システムはあくまで業務を支える道具と捉えており、内製化は志向していません。そのため、構築に時間をかけずスピーディに立ち上げることを重視されており、弊社が中心となって構築を支援させていただいています。」と木原氏は語る。

 「kintone=内製化」というイメージもあるが、ソニーネットワークコミュニケーションズのように、企業によっては開発や運用はアウトソーシングするという会社もあるわけだ。木原氏は、「一番多いのは、内製化には成功したが、人材の異動があり、ノウハウが溜まらず、運用が難しいというパターン。画面設計は内製でユーザー企業が担当し、それ以外の開発や運用は弊社が担当するという事例もあります」と語る。

 「システムに業務を合わせるか、業務に合わせてシステムを構築するか」の文化は企業によって異なる。トレンドは時代によって変化するが、企業の文化はなかなか変わらず、特に過去のやり方を踏襲するというパターンが多いという。「大企業では業務プロセス変えること自体が大きな負担になるので、システム側で柔軟に対応して欲しいというリクエストが多い。こういうニーズにkintoneがはまる例はけっこうあります」と木原氏は語る。

 コムチュアのもう1つのkintone事例はエンターテインメント企業のバンダイ。各事業部へ段階的に導入を進めており、現在は事業部ごとに異なるドメインで利用しているのが特徴的だ。「もともと1つの事業部で導入したのですが、担当者が異動した結果として、いろいろな事業部で利用されるようになりました。とはいえ、事業部ごとにやっている業務や組織形態が全然違うので、ドメイン毎で異なる権限で運用しています」と木原氏は語る。事業部同士で連携する場合は、ゲストスペースを構築して運用している。

 組織の大きなエンタープライズの場合、事業部が1つの会社のような規模になるため、情報管理やガバナンスルールもそれぞれ異なる。ジョイゾーの笹川氏は「事業部ごとでも見せたい情報、見せたくない情報が出てきます。そうなると、アクセス権限が細かくなりがちです」とコメント。木原氏も「全社プラットフォームとして一括導入するのではなく、事業部単位でスモールスタートしていく場合は、部門ごとに顧客マスターができたりします」と語る。事業部ごとの組織形態やルールに合わせてkintoneを展開できるのも、エンタープライズパートナーの腕の見せ所と言える。

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