LCCより安いけど代償がデカすぎた…
座席争奪戦&iPhone充電残り10%の極限サバイバル! FlixBusで味わった地獄の13時間
2025年03月12日 07時30分更新
座席ミス! 気づかぬまま違う席へ
バスは予定よりも15分ほど遅れてミラノを出発。ここでふたつ目のミスを犯しました。自分の座席番号を勘違いし、「23D」ではなく「26D」に座ってしまったのです。
このバスは途中でトリノ → グルノーブル → モンペリエ → ペルピニャンの4ヵ所に停留し、その都度、乗客を乗せ替えて移動します。最初のトリノまではそれでも問題がなかったものの、2ヵ所目のグルノーブルで、「26D」を予約したお客さんが乗車してきてしまいました。
パスポートが消えた!? バス車内で大捜索
そこで初めて自分が座席番号を間違えていたことに気がついたのです。恥ずかしさもあって慌てて荷物をまとめて、急いで本来の「23D」の席へと移動します。
ところが、「23C/D」には、女性2人組が並んで座っていました。ひとまず事情を説明すると、彼女達はひとつ後ろの「24C/D」に移動してくれたのですが、どうやら本来の席である「23D」にも壁側にUSB端子がなく、充電ができないようです。
そうこうしているうちに、バスはグルノーブルを出発。ここで3つ目のトラブル発生。あらためて荷物を整理してみると、パスポートと予備のスマートフォンを入れたポシェットが見当たらないことに気づきました。席を移動するときには確かに持っていたのに! パスポートがなくなるのは、かなりヤバイ状況です。ひとまず、最初に座っていた座席周辺をはじめ、移動する真っ暗なバスの中で、床に這いつくばって探してみますが見当たりません。
すると、さきほど「24C/D」に移動した2人組が「やっぱり座席を替わってくれ」と言い始めました。
いやいや、こっちは席どころではありませんよ! パスポートがないんですから! 「替わってもいいけど、大事なポシェットがなくてそれどころではないんだよ」とGoogle翻訳で伝えつつ、車内を捜索をします。絶対にこのバスの中にはあるはず……!
顔面蒼白でバスの中を大騒ぎしながら探していると、その2人組が「ここにあるわよ」と、探していたポシェットを「24C」の座席テーブルに挟まっていたと言って渡してきました。1度も座っていない席に、ポシェットが自然に挟まるわけなくない!? ……と、ちょっと腑に落ちない点も多々ありますが、なにはともあれパスポートが見つかったのでひと安心……。見つけてくれた2人組と座席を交換して、自分はひとつ後ろの「24D」へと移動したのでした。
前席が倒れてくると、前席の人のジャケットが顔にかかる地獄
2人組と席を交換したわけですから、しばらく隣に人は座らないはず。これはバルセロナまでラクチンかな……と思いきや、まだまだトラブルは続きます。そもそもFlixBusは格安バスなので、シートピッチが狭いんです。それに加えて、前席は少し高い位置に席があり、リクライニングされると鼻先までシートが倒れてきます。しかも上着を椅子にかけたまま遠慮なくフルで倒してくるもので、顔に思いっきり上着がかかってくる始末。無言で払いのけましたけど……。
それでも「24D」の席は壁側にUSB端子があるからいいか……と思って、ガジェットの充電を始めたものの、やはり通電してくれせん! その上、次の停留所のモンペリエから乗車してきた人に「そこは私たちの席だ!」と怒られてしまいました。
「えーどういうこと? さっき席を交換した2人組の本来の席は、24C/Dじゃないの!?」と、この時点でかなりイライラ。「23D」に座っている人に、「そこは私の席だから座れないと困る」と伝えることにしました。
ところがこの人、かたくなに席を移動しません。チケットを見せてもらうと、「23C」に座っている人は正しい席のチケットを持っていますが、私の席である「23D」に座っている人は「22C」のチケットを持っています。
なんべん自分の席はここだからと主張しても、テコでも動こうとしません。しまいには「あなたが空いてる席に座ればいいじゃない」という雰囲気を醸し出してきました。
確かに、空き席に移動するのはやぶさかではないんだけれども、本来の席がどこかわからないと、また次の停留所で移動するはめになるかもしれないし、落ち着かないから嫌だなぁと思いつつ、仕方無しに彼女の持っている「22C」の席を探してみたところ、このバスには「22C」という座席がそもそもありません。
座席番号が存在しないだとッ!?
バスは、真ん中に通路がある2席+2席のシート配列で、左側が「1A/B」なら、反対側は「1C/D」となっており、番号順に1、2、3、4と席が続いているはずが、なぜか「21C/D」の次が「23C/D」となっていて、「22A/B/C/D」が席ごと存在しないんです!
とりあえず空いていた「21C」に座り、隣の人に「22Cがないんだよ〜」と話しかけると、「オレもチケットは22Dなんだよね〜」と言っていました。ここでなんとなく状況が掴めました。システムのエラーか、もしくは座席番号を貼る際に間違えたのかわかりませんが、チケットは「22C/D」なのに実際に取れているバスの座席は「21C/D」なのではないか……と。
そうこうしている間にバスは最終中継地のペルピニャンを出発。バルセロナまであと少しです。この時点で窓の外は少しずつ明るくなり、真っ暗だった車内もよく見渡せるようになってきました。
疲労困憊でふと前席の足下に目をやると、向かいの席の人が電源コンセントを使って充電しているじゃありませんか! え!? ドウイウコト……!?
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