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ここまで変わる!? 実機で体験した音質進化の最前線

7つの注目製品で知る「冬のヘッドフォン祭 mini 2025」

2025年02月09日 11時00分更新

「NiPO A100」がコバンザメ方式でiPhoneを高音質化

 iPhoneのMagSafe機能を使ってDACを貼り付けるのが、NiPOの「A100」である。NiPOは中国深圳に本社のあるLipo Technologyのオーディオブランドあり、その1号機はハイエンドDAP「N2」。前回のヘッドフォン祭でその繊細で高解像の音に衝撃を受けた。

 「A100」は独立した電源として3900mAh高密度リチウムイオンバッテリーを搭載、最大10時間連続駆動で、充電時間は2~3時間、重量131g、MAGSAFE対応マグネット設計になっている。本体は重量感があり、操作ボタンも金属製で高級感がある。USB-C接続で再生すると、女性ボーカルは滑らかで、中低域に厚みがあるピラミッドバランスの音が流れた。

 発売時期は未定で価格は6~7万円ぐらい。これでiPhoneが高音質DAPに変身するなら痛くない出費なのかもしれない。

「NiPO A100」はMagSafe対応。

4.4mm端子を使ったバランス駆動と3.5mm端子の利用に対応。

操作ボタンはアルミ合金製に見える。

正常進化した「FitEar ROOM2」

 カスタムイヤモニの入門機として製品化されたFitEarの「ROOM」が「ROOM2」となって再び登場した。2018年に発売された「ROOM」は須山社長が音を決めており、「ROOM2」は現在の音質担当の堀田息吹さんによるものだ。今聞いても「ROOM」の音は魅力的、ウォームでなめらかな女性ボーカルに、たっぷりとした低音に包みこまれる。

 「ROOM2」は音色の傾向はそのままに、よりフォーカスの合った音になる。輪郭はカッチリするが、なめらかさは失われない。かえって「ROOM」よりも音の凹凸が少なくスムーズな印象を受けた。価格はオープンで実勢価格約8万円。

「FitEar ROOM2」はミドルレッグシェルデザインで着脱しやすく快適な装着感を実現

ブースでは比較試聴も可能で「ROOM」は価格が見直され実勢価格約6万3000円になった。

水月夜からフェスプレートに隕石を使った「METEOR 流星」登場

 水月雨(MOONDROP)はZ世代に人気のブランドで、ブースには長蛇の列ができてしまう。水月雨の設立は2015年で中国のオーディオメーカー。そのコンセプトは女性ボーカルをキレイに再生することで、音は繊細で解像度が高い。

 「METEOR 流星」の特徴はフェイスプレートに本物の隕石をスライスして使っていることで同じ模様はない。隕石は音には無関係と思うが、これがデザインだけでなく音もピカイチなのだ。ハイブリッドの7ドライバー構成で、低域がφ13mmのダイナミック型、中域は2基のBA型、高域は4基の平面磁気ドライバーを採用。その結果、従来までの弱点とされてきた低域が充実、高域は高解像度で女性ボーカルのニュアンスをしっかり再現。音場は広く立体的な空間が感じられた。

 なかなか素晴らしい音なので、発売時期と価格が気になるが、どちらも未定。噂によれば隕石不足と加工が困難で在庫が確保できないらしい。隕石じゃなくてもいいので早く出して欲しいと思っているのは私だけではないはずだ。

ウィドマンシュテッテン構造と呼ばれる模様が見られる隕石のフェイスプレート。

水月雨「METEOR 流星」のハウジングは大きく重量は7.7g

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