昨年10月、Sonosがグローバル向けに発表した最新のサウンドバーが「Sonos Arc Ultra」だ。その国内販売が、新型サブウーファー「Sonos Sub 4」とともに1月24日に始まる。予約はすでに1月10日から受け付けている状態で反応も上々だという。
また、1月15日には、国内のプレス関係者向けに技術解説と体験会も開催されている。その内容からSonos Arc Ultraの魅力を探っていこう。
Sonos Arc Ultraは重低音(50Hz)の再現力が2倍に
Sonos Arc Ultraは、Dolby Atmosに対応したSonos最上位のサウンドバーだ。2020年に国内発売した「Sonos Arc」をうわ回るパフォーマンスを持ち、内蔵するドライバー数も11基から14基に増えた。それぞれのドライバーは独立したアンプで駆動され、単体で9.1.4chの空間オーディオ再生が可能となっている。
その最大の特徴が「Sound Motion」という独自開発のドライバーだ。
高さが低いサウンドバーの筐体に収まる、薄型のボックス形状でありながら、大口径ユニットに匹敵する高い低域再現力を持つという触れ込みだ。メーカーの発表では、50Hzの重低音で比較した場合、Sonos Arcの倍の音圧が出せるという。
構造も面白い。ユニットは平たい形状で、上下に対向配置した四角い振動板が配置されている。その四隅にはモーター(アクチュエーター)があり、対角線上に並んだ2つがステイで繋がっていて同時に動作する。一般的なドライバーユニットは振動板の背面にボイスコイルなどの駆動部分があるが、高さを抑えるため駆動部分を側面に置いているわけだ。2つの振動板を向かい合わせに配置しているのは、空気を動かす面積を増やし、薄型でも効率よく低域を出せるようにすることに加えて、お互いが逆に動くことで大きく振幅してもその力がキャンセルされ、無駄な振動が出ないようにするためだ。よく考えられたユニットなのだ。
Sonos Arc Ultraでは、このSound Motionによる充実した低音ユニットを追加したことで、高域・中域・低域(Sound Motion)再生用に個別のユニットを使用する3Wayスピーカーシステムになった。Sonos Arcは2Wayシステムだったため、低域と中域を1つのユニットでカバーしていたが、よりワイドレンジで分離感のいいサウンドが得られるようになっている。
サラウンド再生では、音場の広さを確保しながら、音の方向感を的確に再現することが求められる。そのためにSonos Arc Ultraが用いているのがビームフォーミング技術だ。正面にある3ch(L+R+C)に加えて、壁の方向に音を放射するために側面、天井方向を狙って音を出すために上方に向けたスピーカーも用意いている。
加えて、各ユニットの前にはディフューザーやウェーブガイドを配置し、音の指向性や放射方向を制御(拡散や指向性をコントロール)している。複雑な形状は厳密なシミュレーションを通じて決めたものだ。スペース効率を高めつつ、音のつながりを良くするため、高域と中域のユニットを一体化した部品になっている。また、ユニットをサウンドバーの前面だけでなく、側面や上面にも配置し、これらを連動して制御することで、水平方向の9ch、天井方向の4chを1台で再現できるのもポイントだ。
センタースピーカーはセリフやボーカルといった人の声を担うことが多く、重要な役割を持つ。その聞こえを良くするため、センタースピーカーの性能にもこだわっている。これは映画においても音楽の再生においても重要。ウェーブガイドの形状ももちろんだが、3段階のダイアログエンハンスメントなどの設定機能も備えている。
Sonos Arc Ultraは、Sonosのスピーカーの特徴である「Trueplay」のルームイコライゼーション機能も装備している。部屋の壁や材質などの反射を考慮し、設置状況に合った最適な音質で再生できる自動調節機能だ。さらに、Sonos Arc Ultraは、このTrueplayの進化形である「QuickTune」を初搭載した。従来のTrueplayは設定時にスマホのマイクを使った計測が必要だった。利用にはiOS版アプリが必須だったが、サウンドバー内蔵のマイクで計測ができる仕組みとなり、Android版のアプリからも音質の自動調整が可能になる。
Sonos Arc Ultraのサイズは幅1178×奥行き110.6×高さ75mmで、重量は5.9kg。ブラックとソフトホワイトの2色が選べる。テレビとはHDMI ARC/HDMI eARCで接続。本体にはWi-Fi、Bluetooth機能を備える。AirPlay 2のほか、音声コントロール機能のSonos Voice Control(英語)、Amazon Alexaも利用可能だ。価格は14万9800円。
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