週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ライバルのGeForceとRadeonの良さを取り入れた2世代目

インテル“Battlemage”世代の新GPU「Arc B580」はRTX 4060/RX 7600以上の性能になる?

2024年12月03日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

初代Arc Aシリーズはエントリー寄りのA380からスタートしたが、Bシリーズはメインストリームから攻める。まずは年末にB580が、年明けにB570が投入される

 2024年12月3日、インテルはかねてより「Battlemage」というコードネームで開発を続けてきた新ディスクリートGPU「Arc Bシリーズ」を正式発表した。まずは12月13日に先鋒として「Arc B580」が発売され、来年1月16日に「Arc B570」が投入される。

 北米予想価格はArc B580が249ドル、Arc B570が219ドルだ。これは現在ビデオカード業界のメインストリーム帯を支えるNVIDIAのGeForce RTX 4060(初出299ドル)やAMDのRadeon RX 7600(初出269ドル)を意識したものであり、インテルは“Best-in-Class Performance per Dollar”、すなわち300ドル以下の価格帯における1440p(WQHD)ゲーミング環境において“コスパ最強”を標榜している。

Arc B580に参入するメーカーはASRockを筆頭にAcerやSparkle等のメーカーが名前を連ねる。NVIDIAやAMD系のカードでお馴染みのメーカーではないところが面白い

B580の仮想敵であるRTX 4060やRX 7600のパフォーマンスをWQHDゲーミングで比較。ラスターベースのゲーム(左)でもレイトレーシングベースのゲームでも、RTX 4060 RX 7600に比べ2ケタパーセント性能が上だと主張する。ここで解像度がWQHDという解像度を選んでいるところにポイントがある

GTX 1060や1660 SUPERといったGPUの場合、“今時の描画処理”を行うゲームではかなり分が悪い。B580ならレイトレーシングも対応しているし、ラスターベースのゲームでも倍以上のフレームレートを発揮できるという

 RTX 4060やRX 7600に対する強みとしてはVRAM搭載量が挙げられる。Arc B580では“標準で”12GB、B570は10GBのVRAMが搭載される。ライバルにもエントリー向けVRAMの多いGPUはあるが、GeForceの場合RTX 4060では8GB版より割高、Radeonの場合格上のRX 7600 XTでないと16GB版がない。Arc B580とB570のVRAM構成はフルHDゲーミングから少し上を目指したいが、予算はそれほど多くないというゲーマーに響くものをもっている。

Arc B580とB570のスペック。Arc B580のTotal Board Powerは190Wなので、RTX 4060やRX 7600と比べるとワットパフォーマンスはやや犠牲にしつつも、絶対的パフォーマンスでは上回る、といったところを狙っていると思われる

ちなみにこのカードはインテル純正の「Arc B580 Limited Edition」。補助電源は8ピン×1、PCI Express Gen4 x16接続というかなりオーソドックスな仕様。国内で流通があるかについてはまったく情報がないが、ぜひ流通させて欲しいものだ

Arc B580 Limited Editionの裏面。ショート基板でカード後半分はエアフローのために巨大な開口部がある

 本稿はインテルが開催したプレス向けブリーフィングの内容から、興味深いと感じた部分をまとめたものとなる。パフォーマンスレビュー解禁はまだ先の話になるが、インテルがArc Bシリーズにどんな思いを込めたのか、突如CEOを退いたパット・ゲルシンガー氏の置き土産はどんなGPUなのか知りたい方は読み進めるとよいだろう。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります