山も川も余裕で走破！究極のEVオフローダー・メルセデス・ベンツ「G580」が日本登場

2024年10月23日 20時30分更新

みんな大好きGクラスがEVに！
これならどんな道でもこわくない！

　昨年の自動車イベント「ジャパンモビリティショー」のメルセデス・ベンツブースにて展示されていた「Concept EQG」。高級車なのに売れに売れまくっているクロスカントリーモデル「Gクラス」のEV版という位置付けだったが、「G580 with EQ Technology」（以下、G580）として、日本に登場。まずはG580 with EQ Technology Edition 1という特別仕様車のみが販売される。

G580 with EQ Technology Edition 1。足下のブラックマークはG-Turnで回転したときにできたもの。とんでもないパワーだとわかる

　価格は2625万円、納車は11月以降を予定している。

　モデル名がコンセプトのEQGではなく、G580になったのが特徴で、メルセデスの電気自動車ブランド「EQ」を冠さない同社初のBEV（バッテリーEV）となる。

　Gクラスはクロスカントリー（クロカン）というジャンルのモデルで、その悪路走破性からオフローダーとも呼ばれる。似たジャンルでSUV（Sport Utility Vehicle）や、CUV（Crossover Utility Vehicle）、RV（Recreational Vehicle）があるが、ラダーフレーム（頑丈なはしご型フレーム）を採用し、川を渡ったり、岩山を登ったりという過酷な環境においてはクロカンがずば抜けている。たとえばトヨタ・ランクルやジープ・ラングラーもクロカンにあたる。

　そんなヘビーデューティー車だが、「ゲレンデヴァーゲン」と呼ばれた時代から高い人気を誇っており、今では乗っている芸能人も多いし、また乗りたいと憧れる人も数多くいる。非常に高価にもかかわらず、街中でよく見かけるクルマの代表格だ。

3トンを超える車重だが
快適に走れる装備が多く用意されている

　さて、今回日本導入が発表されたG580だが、Gクラスのオフロード性能はそのままに、シリーズ初のBEVとなった。重さが800kg近いバッテリーをアンダー部分に搭載し、オフロードを走ってもバッテリーが傷つかないような構造になっているのが特徴。バッテリーの容量は116kWhで、一充電の走行距離は530km。

G580の特徴を解説するメルセデス・ベンツ日本合同会社社長兼CEOのゲルティンガー剛氏。なんと9月に新社長に就任したばかり

G580の機能についてプレゼンした、メルセデス・ベンツグループ社 Gクラスプロダクトマネージャートニ・メンテル氏

　EVといえば気になるのが充電速度だが、6kWの普通充電と、150kWの急速充電に対応し、10～80％までを41分で完了するとのこと。ただ現在は150kWの急速充電器が少ないので、バッテリー事業を展開する企業の「Power X」と提携して新会社を設立。今後2年の間に25拠点と100口の超急速充電器を設置すると発表した。

充電ネットワーク事業を説明した、メルセデス・ベンツ・ファイナンシャル代表取締役社長アンドレアス・レーア氏

メルセデス・ベンツと提携した、パワーエックス取締役代表執行役社長CEO 伊藤正裕氏

　G580のスペックは4輪独立式モーターがそれぞれ最高出力147PS（108kW）、最大トルク最大トルク291N・mで、システムトータルでは最高出力587PS、最大トルク1164N・mを発生する。

　4輪それぞれを個別にコントロールして、その場で最大720度のターンができる「G-Turn」、オフロードのヘアピンなどで内側の後輪をロックして急旋回できる「G-STEERING」（いずれも公道で使用不可）、不整地でも安定して走りステアリング操作に集中できる「OFFROAD CRAWL」、最大45度の登坂性能、そしてエンジンやマフラーなどがないEVだからこそできる、最大渡河水深850mmなどなど、まさに究極のオフローダーと言えるだろう（従来モデルより100mm深くなった）。

　質実剛健なGクラスなので、あえて快適じゃないことを楽しむ、という文化があったかもしれないが、G580ではキーを持っていればドアノブに触るだけで解錠/施錠ができるほか、カップホルダーには保温機能（温・冷で切り替え可能）がつくなど、コンフォート機能も充実した。そのほか、エンジン音を擬似的に出せるサウンドシステム「G-ROAR」など、クルマ好きにはたまらない機能もある。