週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

FIATのキュートでカワイイ新型EV「600e(セイチェント イー)」は実用性も高く、イタリアンデザインが魅力!

2024年10月20日 19時00分更新

 フィアットから新しい電気自動車(BEV)が登場しました。それが「600e(セイチェント イー)」です。さっそく試乗したので、その走りなどをレポートします。

Bセグメントのクロスオーバーで
493㎞の航続距離を実現

 フィアットからBEV(バッテリーで動くEV)の「600e(セイチェント イー)」が9月に日本発売となりました。価格は585万円です。現在のフィアットのラインナップの中では、「500e(チンクエチェント イー)」に次ぐ、2番目のBEVとなります。

 500eと同様に、600eも過去のフィアットの名車を復活させたモデルとなります。それが1950~60年代に発売されていた小型車「600(セイチェント)」です。丸いキュートなフォルムは、かつての600がルーツなのです。

 新しい600eは、フィアットが属する多国籍自動車製造メーカーのステランティスが電気自動車用に開発した、BEV専用プラットフォームから誕生しました。寸法は全長4200×全幅1780×全高1595mm。日本車でいえばトヨタ「ヤリスクロス」と同じクラス、いわゆるBセグメント相当の小さなクロスオーバーです。車両重量は1580kg。Bセグメントのエンジン車として重めですが、BEVとしては軽量と言えます。

 搭載するモーターは前輪用のみで、最高出力が115kW(156PS)。FF駆動だけが販売されています。バッテリーは54.06kWh。満充電での航続距離は493km(WLTCモード)。電費は126Wh/km(WLTCモード)です。

 ボディーカラーは、試乗車のサンセットオレンジ、それ以外にスカイブルー、ホワイトという3色が用意されています。

ンセットオレンジ

スカイブルー

ホワイト

最大の魅力はキュート&洗練のイタリアン・デザイン

 600eの大きな魅力は、そのサイズ感でしょう。日本の狭い道や駐車場でも困ることはありません。室内の広さも十分にあり、後席も大人がゆったりと座ることができます。

 そして最大のポイントがデザインです。クロスオーバーとしての全体のスタイルは端正そのもの。それでいてフロント周りのデザインは、キュートさ、親しみやすさ、シャープさ、洗練さがミックスして、とても魅力的なものとなっています。

 インテリアのデザインも秀逸です。シンプルでありながらも実用的。レザーシートにフィアット(FIAT)のロゴを使っていたり、小物入れの中に、街並みがデザインされるなど、細かいディティールのこだわりが楽しさを演出します。イタリアのデザイン力の底力を感じることができるでしょう。

 また、装備類も充実しています。シートは電動で、ヒーターに加えてマッサージ機能も備わっています。ナビゲーション付きのディスプレイも標準装備で、スマートフォンのワイヤレス充電機能も標準、キーレスエントリーも標準です。リフトゲートは電動で、リヤバンパー下に足を入れると、自動で開く機能も備わっています。

スムーズで力強いパワートレインと
素直なハンドリング

 600eのドライブは、とてもリラックスしたものでした。モーター駆動ですから、発進はとてもスムーズで、そして静か。視界も良好で、ステアリングは軽く、サイズ感も手ごろ。最小回転半径は日本のコンパクトカーと遜色ない5.3m。日本車から乗り換えても、それほど違和感なく扱えるはずです。

 ただし、違うのはギヤ操作がシフトではなく、ダッシュパネル下にあるスイッチになっているところ。それと、ACC(アダプティブクルーズコントロール:全車速追従機能)の操作スイッチがステアリングの左側にあること、そして最後にウインカーレバーが左にあるくらい。これらの特徴も、オーナーとなって乗っていれば、すぐに慣れることでしょう。

 最高出力115kW(156PS)は2Lクラスのエンジン車並みですし、最大トルクは270Nmで2.5~3Lクラス。これはサイズ感で比較すると1クラス上に相当するもの。しかも、最大トルクはわずか500回転で発生しますから、その気になれば相応にキビキビと走らせることができます。

 また、ACCは渋滞中に停止までカバーする「ストップ&ゴー機能付き」ですし、走行車線をキープするレーンキーピングアシストも備わっています。さらに、高速道路を走ってみると直進性も悪くないことが確認できました。街中だけでなく、遠方へのドライブにも応えるくれるクルマと言えるでしょう。

 街中から高速道路まで走ってみましたが、どこもリラックスして走ることができました。魅力的なデザインと、使いやすいサイズ感、充実の装備類。フィアットの電気自動車(BEV)の主力となることでしょう。キュートで使いやすい高い電気自動車(BEV)を求める人は、要チェックです。

FIAT「600e La Prima」の主なスペック
サイズ 全長4200×全幅1780×全高1595mm
ホイールベース 2560mm
車重 1580kg
乗車定員 5名
フロントモーター ZK02(交流同期発電機)
最大出力 115kW(156PS)/4070~7500rpm
最大トルク 270Nm/500~4060rpm
一充電走行距離 439km(WLTCモード)
交流電力消費率 126Wh/km(WLTCモード)
駆動方式 FF
タイヤサイズ 215/55R18(前後)
車両価格 585万円

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事