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10周年を迎え、益々士気上がる「第10回 東日本連携・創生フォーラム」レポート

2024年11月06日 12時00分更新

 10月26日、さいたま市と連携自治体は、清水園(さいたま市大宮区)にて、東日本の各都市の連携による地方創生及び地域の活性化に向けた成果報告と今後の取組について協議する「第10回 東日本連携・創生フォーラム」を開催した。

今年も東日本の連携都市がさいたま市に集結

 「東日本連携・創生フォーラム」は、平成27年から東日本の北陸新幹線及び北海道新幹線沿線自治体の首長が参加し、経済・観光事業等における連携を促進するための取組を協議する場として開催され、今年で10回目。

 本フォーラムを構成するのは、札幌市、函館市、小樽市、青森市、八戸市、盛岡市、岩手町、仙台市、秋田市、山形市、福島市、会津若松市、郡山市、宇都宮市、小山市、那須塩原市、みなかみ町、新潟市、三条市、魚沼市、南魚沼市、高岡市、氷見市、南砺市、金沢市、小松市、長野市、上田市、福井市、さいたま市の30都市。このうち、22都市が本会議に出席した。

各都市の首長が対面とオンラインのハイブリッドで参加

 対面とオンラインのハイブリッド形式で行われ、函館市、岩手町、会津若松市、郡山市、那須塩原市、新潟市、さいたま市の7都市の代表は対面にて会場参加した。

函館市・氣田聖大 経済部長

岩手町・佐々木光司 町長

会津若松市・白岩志夫 観光商工部長

郡山市・吉成和弘 総合交通政策課課長補佐兼企画係長

那須塩原市・渡辺美知太郎 市長

新潟市・関川丈彦 観光・国際交流部長

さいたま市・清水勇人 市長

オンライン参加の地域代表

 会場となる清水園には、さいたま市の関係者と、一部マスコミ取材陣のみが入場できる形式で行われたが、同時にYouTube通じて生配信され、そのアーカイブは誰でも自由に視聴が可能になっている。

 本フォーラムで新たな取り組みとして議題に挙がったのは以下の3項目。

(1) 「つなぐ旅~東日本~」Instagramについて(さいたま市)
(2) 新幹線荷物輸送サービスを活用したシティプロモーションについて(さいたま市)
(3) 東日本連携・創生フォーラム10周年記念事業について(会津若松市・さいたま市)

 また、これまでに行われている連携事業の進捗・成果として、以下の7項目についての報告がなされた。

(1) 東日本連携推進協議会について(東日本連携推進協議会)
(2) 広報紙連携について(福井市)
(3) ロゲットカード連携について(福井市)
(4) イベントを通じた連携について(さいたま市)
(5) さいたま市と連携した伝統工芸品等のPRについて(会津若松市)
(6) まるまるひがしにほんの活用実績について(さいたま市)
(7) 「つなぐ旅~東日本~ひがしにほんトラベルガイド」について(さいたま市)

 さらに、情報共有事項として、以下の内容についても報告が行われた。

(1) 「佐渡島の金山」世界文化遺産登録及びラーメンプロモーションについて
(2) 「氷見応援割キャンペーン」について

SNSのさらなる活用、迅速な貨物輸送によるプロモーション、
10周年記念の取り組みなどを新たに採択

■「つなぐ旅~東日本~」Instagramについて

 最初の議題はさいたま市の清水勇人市長より提示された「”つなぐ旅~東日本~”Instagramについて」。これまで情報発信サイト、X(旧ツイッター)、YouTube生放送など「つなぐ旅~東日本~」として行ってきた東日本連携の取り組みに、新たにInstagramによる情報発信を加えるというもの。令和6年7月よりすでに運用が開始されており、連携自治体各都市担当者からの情報をさいたま市の運営する事務局で集約し、投稿する形で運用される。

 また、令和7年3月から、桜スポットの周遊誘致策として、桜をテーマとしたフォトコンテストを開催予定。アカウントをフォローしてタグ付けして投稿された桜の写真を一般から募集。入賞者に商品を提供するといったプロモーションの展開を実施予定。

■新幹線荷物輸送サービスを活用したシティプロモーションについて

 さいたま市・清水勇人市長より挙げられた議題の2件目は「新幹線荷物輸送サービスを活用したシティプロモーションについて」。JR東日本の協力により、新幹線による即日お届け列車便「はこビュン」を活用し、朝穫れカツオや朝打ちそばなど、これまで地産地消のみでしか展開できなかった地域物産を即日輸送し、他の連携自治体にて販売、シティプロモーションにつなげようという試み。令和7年秋に大宮駅構内のイベントスペースにて、東日本連携都市PRエリアを設け、参加都市の物産販売を行う際の目玉企画として活用する提案がなされた。

 また、本議題では令和6年5月に、実際にこの取り組みを利用して大宮市に新幹線輸送して、10分で完売したという新潟市内の老舗和菓子店「さわ山」で当日朝に製造した「薄皮大福」が来場者に振る舞われ、新鮮で柔らかな食感を保ったまま提供できるという効果が実感できた。

■東日本連携・創生フォーラム10周年記念事業について 

 3つ目の議題は今年で10周年を迎える「東日本連携・創生フォーラム10周年記念事業について」。連携各都市にアイデア募集し、日本一フェア、連携都市ナイトバルなどの意見が集まったが、中でも多く寄せられ、多くの都市が参加できるということで物産展の開催に決定。令和7年4月から7月にかけ、毎月1回1週間程度・計4回に渡り、「(仮称)東日本マルシェ」を開催するとした。

 いずれの提案も、賛成多数を持って実施が採択された。

これまでの取組についての成果報告が続々

 続いて、各自治体から、これまで実施されてきた取組についての成果や事例が報告された。

■東日本連携推進協議会について

 東日本連携推進協議会では、大宮駅周辺への回遊促進を目的とした謎解きイベントの実施概要が報告された。令和5年11月に行われた第6弾イベントでは、福井市と協力し、恐竜をテーマにした謎解きイベントを展開し、好評を博したことが報告され、令和6年11月にも第7弾として同様の恐竜をテーマに謎解きイベントの実施が予定されているとした。

■広報紙連携について

 福井市から報告された「広報誌連携について」では、令和6年度から8年度にかけ、本事業の参加自治体情報を掲載したデジタル冊子を制作し、そのQRコードを各自治体の広報紙面に掲載するといった取り組みについて発表。デジタル冊子は、今年度中に発刊する予定であることが報告された。

■ロゲットカード連携について

 さらに、福井市からの「『戦国の城』『安らぎの景色』をテーマにした連携について」の報告があった。参加4都市(みなかみ町・さいたま市・金沢市・福井市)がそれぞれに、「戦国の城」「安らぎの景色」をテーマとしたコレクションカード・ロゲットカードを配布し、収集を目的とした周遊を促す。参加自治体のロゲットカードは、令和6年9月末時点で4市町8種類で計1万6千枚を配布と報告された。

■イベントを通じた連携について

 続いてさいたま市から「イベントを通じた連携について」について報告がなされた。これはeスポーツやマラソンといったイベントの開催に際し、それに付随して連携自治体のPRを行う取り組み。ここでは、令和5年にさいたま市で行われたeスポーツ大会、同じく令和5年のみなかみ町で行われたサロモン藤原湖マラソン、令和6年のさいたまマラソン、福井市のふくい桜マラソンEXPOでの事例が報告された。

■さいたま市と連携した伝統工芸品等のPRについて

 会津若松市から「さいたま市と連携した伝統工芸品等のPRについて」の報告がなされた。これは会津若松市がさいたま市の協力の元に行われた地域PR施策で、さいたま市のイオン浦和美園店にて行われた会津フェアやさいたま市で行われた会津工芸品の販売やワークショップなどの事例が紹介された。

■まるまるひがしにほんの活用実績について

 さいたま市大宮区にある東日本のシティプロモーションやビジネス交流などを目的とした東日本の魅力を発信する施設「まるまるひがしにほん」の利用状況についての報告では、令和5年度はの年間来場者数が100万人を突破し、。過去最高を記録し風評被害対策企画や復興支援企画などの事例が紹介された。

■「つなぐ旅~東日本~ひがしにほんトラベルガイド」について

 「つなぐ旅~東日本~ひがしにほんトラベルガイドについて」では、情報発信サイト「つなぐ旅~東日本~ひがしにほんトラベルガイド」とそれに付随する、X(旧ツイッター)による情報発信、YouTube生放送などの取り組み成果を報告。年間アクセス数や動画の再生回数などの数値が共有された。

「佐渡の金山」「氷見応援割」についての情報共有も

 最後に情報共有として、新潟市から、佐渡の金山が世界遺産登録されたことを受け、佐渡・新潟島エリアの周遊促進に向けた取り組みと、ラーメン消費量が日本中でも二番目に多いという新潟市にちなみ、ラーメンをフックとした観光プロモーション施策が紹介された。

 また、令和6年初の能登半島地震の被害地区でもある氷見市では、復興支援として楽天トラベルの宿泊予約サイトにて「氷見応援割キャンペーン」を実施するという情報も共有された。

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