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電車もバスもUberもクセが強かった

灼熱の貨物車両にすし詰め状態! カオスで不思議な国、バングラデシュを旅する【前編】

2024年06月19日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス

車内では飲食以外も売りに来る無法地帯

 無事乗車できたとはいえ、客車での移動もかなりカオスでした。次々と売り子がやってきて、さまざまな商品を販売していきます。飲み物やアイスクリームなどはもちろんのこと、うちわにキッチン用品に絵本や塗り絵。こんなに売り子が来る列車に乗ったのは、筆者としては初めてです。

バングラデシュ

ウォーターサーバーを担いで飲み物を販売してる人

カットされたキュウリを頭に担いで売っている人。瓜売りですね

 ところで、バングラデシュの鉄道というと、無賃乗車のために屋根の上に乗るイメージがあります。実際に屋根の上に乗っていた人もいましたが、駅構内でも禁止の表示や厳しい取り締まりがあり、今はかなり少ないようです。

取り締まりは厳しくなっていますが、撲滅までにはいたっていないようです

バングラデシュ

駅構内の案内を翻訳してみたところ、「屋根に乗るな」という注意でした

 ただ利用客も多く、途中駅からの乗り降りはひと苦労。素早く乗り込むため、ホーム側ではなく線路に降りて反対側から乗り込む人や、乗り込む前に窓から空席に荷物を置く人。さらには窓から乗り降りする人も。見ていてたくましいなぁと感心してしまいます。

途中駅では乗り降りもひと苦労

ホームの反対側から見つからないよう列車に乗り込む人も

なら、高架鉄道はどうか?

 首都のダッカには従来の鉄道のほか、都市交通として「ダッカメトロ6号線」が1年半程前に開通しており、こちらにも乗車してきました。メトロのほうは従来の鉄道と違い、整然としています。現金のみですが自動販売機もあり、タッチパネルで行き先を選んできっぷの購入ができます。

ダッカメトロ6号線の現状終点となっているモティジール駅。さらにここからカラマプール駅へ延伸予定

 きっぷはタッチ式のICカードで、ホームにはホームドアもあり、かなり近代的。もちろん、屋根に乗るような人はいませんでした。メトロの車両に乗り込んでみると、海外の列車ではあるもののどことなく雰囲気は日本な感じもします。車両はなんと、日本の川崎重工製です。なので車内ディスプレーまわりが見慣れた感じなのかも。

きっぷは自動販売機で購入可能。ひと駅は20タカ(約27円)で始発駅から終着駅(全16駅)までで100タカ(約134円)でした

ダッカメトロ6号線の車両

地元の人たちでけっこうな乗車率です

製造は川崎重工と日本製

 後述しますが、ダッカ市内の移動は旅行者にはかなり難しい現状なので、こういった都市交通が発達してくれると便利になるのになと期待します。ただこのメトロもほかの国にはない不思議なポイントがあり、なんと現状は金曜運休です。イスラム教の休日が金曜日なのでそれにあわせているわけですが、こういった公共交通機関も休んでしまうというのはあまり聞いたことがないので、ちょっと驚きました。

 (次ページ:路線バスやUber利用は可能か?)

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