冷却性能と静音性を確認
想定外のこともあったが、そんなところも楽しかった「C6 Handle」を使ったコンパクトゲーミングPC自作。パーツ構成で異なってくるところだが、今回組み込んだRyzen 7 7800X3Dや、GeForce RTX 4070 VENTUS 2X 12G OCの冷え具合と、PCを使う際に気になる動作音を確認してみた。
温度は高めだが動作に不安なし
ストレステストとしてCPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」と、最新APIのDirectX 12 Ultimateを採用する重量級GPUベンチマークの「3DMark Speed Way」を連続実行する「Speed Way Stress Test」を実施した。実行中の動作クロックや、各部の温度は「HWiNFO64 Pro」を使って記録している。
「CINEBENCH R23」を10分間実行した際の結果からみると、実行中の動作クロック(Core 0 Clock (perf #2/3) [MHz])は、最大4825MHzを記録し、平均クロックは4628.90MHzとなった。CPU温度(CPU (Tctl/Tdie) [°C])は、Ryzen 7 7800X3DのLimit温度となる89度台に達しているが、「CINEBENCH R23」のMulti Coreスコアは”17237”、Single Coreスコアは”1762”を記録した。
水冷システムで冷却している「最新パーツ性能チェック 第406回」でのテスト結果は、Multi Coreスコア”が18025”、Single Coreスコアが”1796”なので、若干スコアは下がっているが、空冷としては十分だろう。
次に「Speed Way Stress Test」実行時の動作クロックや各部の温度推移を確認しよう。CPUクロックはおおむね4725MHz、CPU温度は60度台後半で推移している。そして肝心のGPUまわりは、”GPU Hot Spot Temperature [°C]”と、”GPU Memory Junction Temperature [°C]”は、かなり高温になっているが、GPU温度(GPU Temperature [°C])は、平均72.67度と不安のない温度に収まっている。
当初の予定通り、ボトムに吸気ファンを設置できていれば、もう少し温度は下がったと思うが、ベンチマークだけでなく、数時間のゲームプレイともにテクスチャーの化けなどといった不具合はなかったので、大丈夫だろう。
続いてストレステスト中の騒音値を、フロント左角から30cmの位置で計測すると、「CINEBENCH R23」実行時で41.5dBA、CPUクーラーとGPUクーラーのファンが高回転する「Speed Way Stress Test」実行時で43.6dBAとなった。
40dBAを超えているため、風切り音は多少耳につくが、ヘッドセットをしないと集中できないというほどではない。コンパクトな筐体を活かして、液晶ディスプレー横に設置したいところだ。
パーツの配置に悩みつつ組み上げるのが好きな人には
たまらなく楽しいケース
JONSBO「C6 Handle」を使ったコンパクトPC自作は、マザーボード選びや、ストレージの拡張など、注意点はあるものの、コンパクトPCを組みたい人におすすめできるだろう。静音性を維持するにはケースファン選びや、回転数のカスタマイズが必要になるので難易度は高めだが、パーツ選び、パーツ構成に合わせたカスタマイズなど、いろいろと考えながら、組み上げるのは自作の醍醐味だ。
コストを抑えて組めるSocket AM4のRyzen 7 5700Xや、定番人気のCore i5-14500など、ロープロファイル空冷CPUクーラーで冷却できるCPUの選択肢は豊富なので、じっくり考えてコンパクトPC自作に挑戦してみよう。
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