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芝大神宮:最強のお守りをいただくために芝公園エリアを歩いたら、「徳川家」「め組」「力石」「生姜塚」などを見つけた

2024年03月14日 12時00分更新

 御朱印集めが趣味の私。とはいえ、せっかくなら神社仏閣を訪れるだけではもったいない。目的地へ向かっている道中、ほかの寺社や資料館、街の説明を記した看板など、気になるものがたくさん目に留まります。神社仏閣があるということは、そのエリアで暮らしが営まれていたということでもあります。そこで本連載では、健康促進も兼ねて、目的の神社仏閣の最寄り駅のひと駅手前で下車。散策しながら、神社仏閣以外の周辺の街の魅力も織り交ぜながら御朱印旅に励みます。題して「ひと駅手前から歩いて行く神社仏閣1万歩の旅」──第1回は東京・芝にある「芝大神宮」を訪ねます。

芝大神宮で御朱印と最強お守りをいただきたい

 芝大神宮は平安時代の1005年に創建。伊勢神宮のご祭神でもある天照大御神(内宮)、豊受大神(外宮)の二柱を祀っています。伊勢神宮で御朱印をいただいたことがあるので、ぜひ「東京のお伊勢さん」と呼ばれる芝大神宮にも行ってみたいと思っていました。

 さらにこちらには「強運(ごううん)御守」というお守りがあり、「きょううん」より強い「ごううん」を呼び込んでくれるといううわさが。この神社仏閣連載がスタートするにあたり、最強の運をもって挑めば万事うまくいくのでは? 連載の成功を祈って参拝したいと思います。

芝大神宮の最寄り駅「御成門」の一つ手前は「芝公園」

この日は快晴。連載初回として幸先がいい

 会社の最寄り駅はいくつかありますが、今回は都営三田線春日駅を使用して芝公園駅で下車。芝公園といえば増上寺も有名なので、こちらに立ち寄ってから芝大神宮に向かう予定です。初めてこのエリアに来たのですが、公園があるからか、都心部と比べて空が広く見えていいですね。

徳川家の足跡が残る増上寺

 増上寺は徳川家康と関係の深いお寺。1590年に家康が増上寺を徳川家の菩提寺として定めています。増上寺はもともと現在の千代田区平河町から麹町のあたりにあったそうですが、1598年に現在の場所に移っています。

 日比谷通りに面しているこの門は「三解脱門」といい、煩悩から解脱した覚りを開くための三種の修行「空門」「無相門」「無願門」の三門のこと。東京都内有数の古い建造物かつ東日本最大級を誇ります。門の柱と屋根をつなぐ部分の組み方が複雑そうに見えてすごい。

天気が良すぎてどうしても光の輪が入ってしまう

 こちらは水盤舎(手水舎)。この水盤舎は、清揚院殿の御霊屋にあったもので、徳川家霊廟建造物として現存する数少ない遺構のひとつだそう。梁というのか、上部の横向きの柱と屋根の間に葵の紋が見えます。徳川家の人々が使っていたものを今私たちが使っていると思うと感慨深い気持ちになります。

 戦災で焼失した本堂は、1974年に再建されました。石段を登った2階に本堂、3階に道場、1階に檀信徒控室、地下に増上寺宝物展示室があります。本堂の入口にはめ込まれたガラス部分に、唐草のような意匠が規則的に並んでいてかわいい。本堂のご本尊阿弥陀如来は、両脇壇に高祖善導大師と宗祖法然上人の御像が祀られています。

左が増上寺の「黒本尊」の御朱印。ど真ん中に鮮やかな葵の紋が配されていてかっこいい。右は昨年行った大阪・難波八坂神社の御朱印です

 参拝後は隣の安国殿で御朱印をいただきました。もとは戦災で焼失した大殿の代わりに仮本堂としていた建物だったそうで、秘仏の黒本尊(阿弥陀如来像)、家康の肖像画、徳川家の位牌などが祀られています。

 御朱印は「安国院殿」と「黒本尊」の2種類がありました。私がいただいた「黒本尊」の御朱印は葵の紋の判が押されていて、まるで水戸黄門の印籠を彷彿させます。友人の眼前に掲げてひれ伏せさせるのも一興です。

増上寺
住所:東京都港区芝公園4-7-35
公式サイト

角を曲がったら御成門

 安国殿の脇から道に出て、芝公園の外周を回って芝大神宮へ向かうことにしました。道なりに歩いていると右手に御成門が。もとは増上寺の裏門として作られたもので、区画整理の影響で現在の位置に移ったそう。すごく立派なたたずまいの裏門です。

 増上寺の三解脱門を背に浜松町方面へ足を向けると、灯篭のようなものがありました。江戸の町にこんな感じの明かりが設置されていたら、増上寺への道しるべとなって夜も安心して参拝できたのかもしれません。道路の反対側のものには落語「首提灯」のことが書かれていました。

 増上寺の大門。増上寺が芝に移転したときに家康から譲られた、江戸城の大手門だったものです。現在の大門は再建されたものですが、朱色が映えつつも今の街並みとも不思議な調和がとれています。

 歩道の脇に大門の説明が書かれた看板を発見。ほかにも「芝明神」「め組のけんか」などを見つけました。こういうの、つい読んでしまうんですよね。

いよいよ芝大神宮へ。御朱印とお守りと、謎のショウガ飴をいただく

 今回の目的地の芝大神宮は、平安時代の1005年に創建。伊勢神宮の御祭神の、天照大御神(内宮)と豊受大神(外宮)を主祭神として祀っています。鎌倉時代には源頼朝から社地の寄贈を受け、江戸時代になると「関東のお伊勢さま」としてにぎわうようになり、歌川広重の錦絵にも描かれました。

 この日は平日の14時頃で、ちらほらと参拝客の姿が。仕事の成功を祈りにきたのか、スーツ姿の人も何人か訪れていました。

 真っ白な鳥居と大階段は神聖な雰囲気。狛犬はつるっとしていて、一方には角のようなものがあるタイプでした。角がないほうの狛犬の体には唐草模様のようなものがあります。注目は狛犬の乗っている台座。「め組」と書かれてあり、さきほど道中で見た「め組のけんか」の説明とつながりがあるのかもしれません。

石の手前にベンチがあるので全体を写すのは難しい

 参拝して御朱印と強運御守をいただきます。書いていただいている間、境内にあった力石を見ていました。

 力石とは、力比べに使われた重い石のこと。石は神様の依り代として信仰されており、その石を持ち上げることでその年の吉凶や豊凶を占っていました。江戸時代にはそれが娯楽化し、芝大神宮に残っている力石は力自慢の力士が片手で持ち上げたものと言われています。地表に出ていた部分だけで、目測で高さ30センチ以上ある大きさの石だったので相当重いのでは…。力士すごいな…。

 御朱印は、四角い判の上に大きく神社の名前を記したシンプルなもの。判の形と余白の雰囲気がどことなく伊勢神宮の御朱印を思わせます。

 また、御朱印と一緒にショウガの飴としおりのようなものもいただきました。ショウガといえば、鳥居の並びに「生姜塚」がありました。この辺りはショウガ畑だったそうで、塚と飴はその名残のようです。

 強運御守も無事にいただくことができました。「強運」の文字が力強く光り輝いていて、ものすごい運を運んできてくれそう。こちらは女性用ですが、男性用は人気で一時的に頒布を終了しているとのこと。一時終了しても再頒布してくれるので、お守りをいただきたい場合は事前に公式サイトをチェックするのがおすすめです。

芝大神宮
住所:東京都港区芝大門1-12-7
公式サイト

今回の歩数は

 今回の歩数は、すみません、初回ということで念のためスマートフォンのアプリを複数起動しながら歩いていたところ、結構幅のある数字が出てしまいました。今回は各歩数の平均値をとって「13,850歩」としたいと思います。歩数計を購入したので、次回からはそちらを使います。強運御守をいただいたのでうまくいくはずです!


文 / 風都ナツメ(LoveWalker編集部)

東北出身。
ゆるく御朱印集めを趣味にしています。その流れで御城印も少しずつ収集中。

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