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『ゆるく生きれば楽になる: 60歳からのテキトー生活』(和田秀樹 著、河出新書)を読む

歳をとるほど“ゆるく生きる”ことが重要になるワケ

2024年02月22日 07時00分更新

楽な方法は「手を抜く」ことではない

 だから、もっと無理なくできる効果の高い方法を探し、実践すればいいのである。

 楽な方法というと、「手を抜く」「サボる」「ズルをする」というイメージがあるかもしれません。けれども、決してそうではなく、無理することなく、苦しまず、体や心に負担をかけることなく、高い効果を得られる方法は必ずあります。それなのになぜか、苦しいこと、つらいこと、困難なことのほうが正しいに違いないという思い込みがいまだに生きているのです。(68〜69ページより)

 著者が一貫して、「いまよりもっと楽で成果を上げる方法を探そう」「自分が楽をすることを許せる人間になろう」と訴え続けていることの背景には、そんな理由があるのだ。

 どんな道であっても、いい結果を出すためには楽な方法があるはずです。今までの方法を見直して、もっと効率よく結果を出す方法を工夫してみましょう。そうやって自分なりのいい方法を見つける人のほうが、人生うまくいくものです。(70〜71ページより)

 前述のとおり、基本的に本書は60代以降の読者に向けて書かれたものである。たしかに、いろいろな理由で精神的な余裕を失いつつある高齢の方々にとって、大きく役立ってくれそうだ。

 しかし、だからといってこれは、必ずしも「60歳以上限定」ではないようにも思える。なぜなら現代に生きる以上、誰しもがなんらかのストレスを抱え込まなければならないのが現実だから。

 つまり「テキトー生活」を実践することは、どんな年齢層にとっても必要なことかもしれないということである。

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筆者紹介:印南敦史

作家、書評家。株式会社アンビエンス代表取締役。
1962年、東京都生まれ。
「ライフハッカー[日本版]」「ニューズウィーク日本版」「東洋経済オンライン」「サライ.jp」「マイナビニュース」などで書評欄を担当し、年間700冊以上の読書量を誇る。
著書に『遅読家のための読書術』(PHP文庫)、『いま自分に必要なビジネススキルが1テーマ3冊で身につく本』(日本実業出版社)、『書評の仕事』(ワニブックスPLUS新書)、『読書する家族のつくりかた 親子で本好きになる25のゲームメソッド』『読んでも読んでも忘れてしまう人のための読書術』(以上、星海社新書)、『世界一やさしい読書習慣定着メソッド』(大和書房)、『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』(KADOKAWA)、などのほか、音楽関連の書籍やエッセイなども多数。

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