週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Mini-ITXを横に広げたYTXマザーボードは一発屋かそれとも革命児か?

2024年02月07日 08時00分更新

 YTXという聞き慣れない規格のマザーボードが中国で発売され、自作PC業界で話題になっています。YTXというフォームファクターは存在しないので、MaxSunという中国のメーカーが独自に提唱した規格となります。

中国MaxSun製のYTXマザーボード「MS-Terminator H770YTX D5 WiFi」。価格は899元(約1万8815円)

 このYTXは賛否両論。肯定派と否定派で意見が真っ二つに分かれています。YTXの基板サイズは245×175mm。Mini-ITXが170×170mmでmicro ATXが244×244mmなので、YTXマザーはMiniITXの横幅をMicroATXサイズに広げたような大きさになります。ネジ穴の位置はATX互換なのでATX/micro ATXケースに搭載可能です。

 それでは肯定派と否定派、それぞれの意見を見ていきましょう。

【肯定派の意見】

・Mini-ITXマザーにビデオカードを差すと右側にはみ出してデットスペースができるので、そのスペースを有効活用できる

・爆熱のビデオカードからM.2 SSDを遠ざけられる

・メモリースロットの右にM.2スロットがあるからSSDに巨大クーラーを付けられる

・拡張スロットはビデオカード用の1本で十分なので、PCの高さを抑えられる

・メモリースロットを好きなだけ増やせそう

・NASに最適

・新しいカタチのPCが作れそうでワクワクする

【否定派の意見】

・DTXと同じ運命をたどる予感……

・Micro ATXでいいじゃん

・ATXケースに入ったとしても、パーツが干渉しそうで怖い

・YTX専用ケースがない、あるいは高価で、結局高くつく

・知らないメーカーなのでサポート体制が不安

・中国メーカーの独自規格という点で、なにか裏がありそう

・横幅があるのでケーブル配線で苦労しそう

■YTXマザーはあり? なし?

 ビデオカードを搭載してもM.2スロットにアクセスしやすいのは利点ですね。M.2 SSDの冷却も容易なので、個人的にはありだと思います。そうは言っても、Micro ATXより安価でなければ売れないのは確かでしょう。

 なお、「YTXはどうでもよく、背面コネクター仕様なのを評価したい」という意見もありました。各種コネクターが基板背面に配置されているので、ケーブルを隠せるのは良い点です。しかし、現状では背面コネクターに対応したPCケースは非常に少ないので、通常コネクター仕様の製品も出してほしいところです。

基板の裏面にコネクターを配置するという最新トレンドを取り入れています

 人によって評価が分かれるYTXマザー。あなたはどう思いましたか? ところで、YTXの"Y"ってなんの頭文字なのでしょうね。

 ちなみにATXはAdvanced Technology eXtendedの略です。ITXはInformation Technology eXtendedあるいはIntegrated Technology eXtendedの略となります。YTXは、YOKONAGA(横長)のYとでも覚えておけばいいですかね。

 インテルはATXのほかにもBTX(Balanced Technology eXtended)、WTX(Workstation Technology eXtended)、STX(Socket Technology Extended)を提唱しましたが、定着しなかったですね。あとAMDが策定したDTXなんて規格もあります。YTXは果たしてどうなるでしょうか。需要が高ければ生き残れるかもしれません。

筆者紹介───ドリル北村

ドリル北村

 電動ドリルが大好きな自作PC担当兼アキバ担当編集。興味があるモノは分解して中身の構造を確かめないと気が済まないヘンタイ。分解できないならドリルでこじ開けるまで。穴を開けるのが好きだが、逆に穴を見つけたらなにかを詰めたくなるのがたまに傷。エロ北村、モブ北村など、すごくテキトーな名前で呼ばれ、誰もいないトイレで泣くこともある。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事