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美少女イラスト、AI技術で立体化 ポケットサイズの裸眼立体視ディスプレーが人気に

2024年02月05日 07時00分更新

生成AIで3Dブームに追い風、Looking Glass Goにも期待

Lume Pad 2。流石にここまで飛び出ることはないが、きちんと設定をするとかなり立体感は感じられる

 なお、Looking Glassの対抗馬としては立体視を売りにしている3Dタブレットの米Leiaの「Lume Pad 2」があります。昨年末のセールで1099ドルが599ドルになっていたので勢いで買ってしまいました。なお。現在は通常価格が599 ドルに変更されています。

 ただ、Lume Pad 2も侮りがたい性能の高さです。Lume Pad 2は前方カメラでユーザーの顔の位置を検出し、頭の位置に合わせて立体視表示の画像をずらしてくれるんですよね。なのですごく立体感があるんです。独自に画像をDepth立体視に変換してくれる機能など、なかなか気に入っていました。

▲伝わりにくいのだが、Midjouneyで生成した画像をLume Pad 2で表示している様子。頭の位置に合わせて微妙に角度が変わる3D立体視が実現されている

 ところが、今年に入って、突然、前方カメラが認識しなくなってしまいました。それが立ち上がらないと、3D表示ができないようで、今はただの2Dしか見られません。初期化したりといろいろ試してみたのですが、同じような症状の人がフォーラムにも見られるので、どうもハードの故障というよりも、独自のファームウェアとAndroid OSとの接合性が何らかの問題を抱えているように見えました。

 サポートに相談したら、米国以外だから自己負担になるけけど送って欲しいと言われたので航空便で送ろうとしているところです。輸入品なので、しょうがないところですが……。

 一方、産業用の3Dディスプレーとしてはソニーの空間再現ディスプレー「ELF-SR2」があります。価格は実売価格55万円程度。ハイエンドがソニーとすると、Looking Glass Goはローエンド。結局、モニターサイズと価格がほぼイコールなので、大きくなれば普通のモニターよりも何十倍という単位で値段が上がってしまう。Looking Glass Goは小型の3Dディスプレーだけに機能を絞って低価格を実現したということですね。

ソニー ELF-SR2

 気になるのは、Looking Glass Goが発売されてからどれだけコミュニティが育ってくるかです。

 すでに、これまでのLooking Glassのなかでコミュニティができており、様々な資産もあります。それらのものをそのまま引き継げるメリットがあるので、コンテンツ面では強いかなと思います。3Dデータのプラットフォームを抱えているLuma AI側としても使ってほしいところでしょう。Looking Glass Go自体、生成AIの恩恵を非常に受けているし、Depthデータも含めて非常にコンテンツを作りやすくなっています。これがさらに一般にまで受け入れられるかどうかに注目です。

 製品の出荷開始は6月。ハード単体の価格は4万5000円に設定されています。まだまだソフト面の改良も進んでいくでしょう。日本でのクラウドファンディング自体は2月末まで続けられるので、気になった方はぜひ見てみてください。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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