週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

能登半島地震、携帯キャリア“異例”の共同会見 ライバル同士が手を取り合い、復旧活動する時代に?

2024年01月24日 06時30分更新

携帯キャリアの災害対応は“競争”から“協力”へ?

 そもそも、大災害時の通信エリアの復旧作業というのも、本来であれば、キャリア間の「競争領域」と言えなくもない。

 「通信料金は高いかも知れないが、いざと言う時の安心感があるのでNTTドコモを契約する」という考え方で、キャリアを選んでいるという人もいるだろう。

 筆者は2011年、東日本大震災直後に、3キャリアが通信エリアをどのように復旧させているのかという取材を現地でしたが、仙台市内の巨大なビルに対策本部を持つNTTドコモと、通信設備内にこじんまりとした対策本部を設置していたKDDI、対策本部を置く拠点がなく、宿泊施設に仮設で対策本部を置き、取材はホテルのロビーで対応してくれたソフトバンクといったように、体制の違いをハッキリと目にしたのが印象的であった。

 同じiPhoneを取り扱い、スマートフォンでデータ通信ができ、料金プランは多少の違いしかなかったりする4キャリアであるが、通信設備や災害時の復旧体制においてはかなりの差があるのは間違いない。

 ただ、「いざと言うときの体力差も競争領域」というのは、もはや過去の話であり、それよりも「通信で大切な人をつなぎ、一人でも多くの命を救い、一日も早く普段の生活に戻す」という使命のもと、各キャリアが競争ではなく「協調」する時代に変わってきたのかも知れない。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事