週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

FiiOが、カセットプレーヤーを敢えて新開発、CESで登場した「CP13」

2024年01月21日 17時00分更新

 CES 2024ではたくさんのオーディオ機器が発表されたが、その中でも特に筆者の目を引いたのはFiiO Electronicsの「CP13」だ。これは新設計のアナログのカセットプレーヤーで、再生専用のポータブルプレーヤーだ。

 少し前に初代ウォークマンそっくりの外観のOriolus「DPS-L2」が発売され、本連載で紹介したが、その中身はESS Technologyの「ES9038PRO」を搭載した、最新のデジタルオーディオプレーヤーだった。また、ウォークマン・インスパイアものとしてはソニー自身がA100シリーズをベースにした「NW-A100TPS」を販売した。画面は凝っているが、これもやはり普通のDAPである。これらとは異なり、FiiOのCP13は、正真正銘のカセットプレーヤーだ。

実は増えているカセットプレーヤー

 実は現代のカセットテーププレーヤーは、CP13だけではない。

 国内では昨年、東芝ライフスタイルが「AX-W10」というSDメモリーカードやBluetoothに対応したカセットプレーヤーを開発している。また、海外で「WE ARE RIWIND」というカセットプレーヤーも発売された。

■関連サイト

 しかし、CP13は内蔵バッテリーや充電用のUSB端子は付いているものの、SDメモリーカードスロットやBluetooth機能は潔く捨てている。真摯にカセットテープ再生機について考えていることがわかる。

 CP13の側面には停止ボタン、再生ボタン、早送りボタン、巻き戻しボタンがある。CESで試用したユーザーによると、カセット時代を経験したユーザーならば、仮に多少の戸惑いを覚えたとしても、すぐに指が使い方を思い出すだろうということだ。ただし、使用感についてはテープの取り出しやセットが少し厄介なようだ。このあたりは設計やノウハウの蓄積が必要なのだろう。

 さらに中国ではCDプレーヤー開発の動きも出ている。例えば、SHANLING「EC Mini」や水月雨「DISC DREAM」である。担当者に聞いてみると、中国では若者を中心としてCD復権の動きがあるということだ。

 日本でもそうしたブームはある。しかし日本の場合には若者は知らないとはいえ、国としては当時のブームを経験しているので懐古趣味的に感じられる。例えば、先のAX-W10はAurexブランド50周年記念の製品であるし、NW-A100TPSは初代ウォークマン発売から40周年を記念して企画されたものだ。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事