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“世界生成AI”到来か 画像生成AIのゲームエンジン化が進む

2024年01月22日 07時00分更新

2024年は画像生成AIのゲームエンジン化が重要な注目ポイント

 こうして試していくと、画像生成AIによる“動画生成”と“高速化の流れ”は、ポストエフェクト的なアプローチに向かうのではないかと思えました。そして、事前計算することでオープンワールドを実現するという方向に行くのではないだろうかと。

 もちろん、思いついた空間をどんどんAIが生成していくという可能性もあるのですが、その場合は、どうやってビジネスモデルを構築していくのかが問題になります。サーバー上でそれなりに広い空間を作れるようにすると、生成のためのサーバー費用が増加してしまうと考えられますので。そのため、一度生成した3D空間を静的なものとして共有できるような仕組みなどにするのではないかと思います。

 ただ、私の予測がまるで外れた形でサービスを投入してくる可能性も十分にあります。Stable Diffusionを展開するStability AIも当然同じようなことを考えているはず。PikaやRunwayなどの競合も同じようなテクニックを使っているわけですから、こちらに向かっていくのではないでしょうか。もちろん、NeRF技術に強いグーグルのような大手も考えているでしょう。既存のゲームエンジン企業のUnreal Engine、Unityもこの動きを取り込んでいく方向に動くと思います。

 このように、今年、「画像生成AIのゲームエンジン化」はとても重要な注目ポイントと言えるでしょう。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社AI Frog Interactive代表。デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。現在は、新作のインディゲームの開発をしている。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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