グーグルが会話型AI「Bard」活用方法ランキングを発表 日本語では「調べ物」がトップ(12月1日)
GoogleがBardの活用をアピールするのは当然のこと。一方で、結局調べ物が中心であると言うのはなかなかに味わい深い答えとも言える。
生成AIにはハルシネーションがつきものなので、調べ物そのものが「生成AIに向いた用途」かどうかは疑問が残る。しかし多くの人は、「AIは賢い」という思い込みに加え、検索エンジンに近い使い勝手を求めているのだろうと感じられる。すなわち、生成AIの使い方自体がまだ世の中には浸透していないのだ。
なお、12月19日にはBardの機能がさらに強化され、日本語でもGmailなどGoogle WorkspaceやGoogleマップ、YouTubeなどと連携可能になった。以前から英語では可能だったのだが、ようやく日本語でも可能になったので、みなさん試してみていただきたい。
また、日本語と同時に韓国語でも対応がスタートしている。この辺は、Bardの多国語対応の時と同じパターンなので、現在のGoogleにおけるスタンダードな展開なのかもしれない。
IBMとメタがAIアライアンスを発足 AMDやインテル、東京大学など50以上の組織やメンバーが参加(12月6日)
前述のように、大手2社のLLMではなくオープンなLLMを使った開発も加速している。ソフトウエア開発の常識で言えば、オープンな方が開発速度は加速する。生成AIは責任や安全性の問題でクローズドモデルが採用されることも多いわけだが、問題は、その方針が本当に「安全で広く使われるAI」にとってプラスなのか、意見が分かれているところだろう。
このアライアンスの主軸はMetaなのだが、彼らがLlama 2のオープン性で差別化しようしている点には、もう少し注目が集まってもいいように思う。というか、開発や研究の現場に近いところと、ビジネスやコンシューマに近いところでは完全に見える風景が違ってきている……というべきなのだろうが。
グーグルが完全に本気! 究極のマルチモーダルAIモデル「Gemini」登場!(12月7日)
グーグル「Gemini Pro」API公開、料金は安め(12月14日)
年末になっていきなりグーグルが、今後主軸とする基盤モデルを発表。今年5月のGoogle I/Oで存在を明らかにしていたが、ここまで早く公開されるとは思っていなかった。
ただ、同じGeminiでも、本命であり最も規模が大きな「Gemini Ultra」は2024年まで本格的な公開はされないし、公開済みであるGemini Proも、Bard搭載モデルではマルチモーダル機能が有効になっていない。デベロッパーとしてAPIを活用すれば、Geminiのマルチモーダル性の一端が理解できる……という状態であるようだ。
デモビデオが編集されたものである、ということで発表後にちょっとした「炎上」もあったが、それも、Gemini Ultraがまだ公開できる状態にないから……という部分がありそうだ。
グーグルとしては「OpenAIに追いついた」イメージを年内に定着させたくてここで発表したのだろうが、Gemini Ultraが公開可能になるまで公表を待ってもよかったのでは……、という話になってきてしまう。
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