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完成度を高めるための必須作業

不自然さはないか、文字は見やすいか。動画制作は最終チェックが重要だ

2023年12月14日 09時00分更新

動画の中でチェックすべきポイントとは

 動画をチェックするといっても、漠然と見ているだけではチェックとはいえない。どのようなポイントをチェックするか、という具体的な項目や基準を定めておくことが重要だ。また、チェックポイントを用意することで、動画を客観的に見られるようになるメリットもある。

 チェックポイントとしては、以下のような視点を取り入れることで、作業を効率化できると同時に、チェック効果を最大限に高められる。

●不自然なカットやトランジションがないか

 シーンとシーンのつながりがスムーズでないと、視聴者は違和感を覚えて動画に入り込めない。例えば、不自然なジャンプカットや過度なトランジションは視聴体験を損ねるため、注意してチェックする必要がある。

 とはいえ、シーンのつながりは感覚的なものが多分に含まれるため、これが正解というものはない。しかし、トランジションを多用しすぎているとか、シーンの連続性が薄いなどは違和感を生みやすいので意識しておきたい。実際に動画を確認してみて、自分でも違和感があるようなら修正すればいいだろう。

上のタイムライン画像のように、トランジションが頻繁に挿入されていると、非常にテンポが悪くなる。トランジションは多用せず、ここぞという場所で使うようにしたい。

●間延びしているシーンはないか

 無駄な空白や長時間続く動きのないシーンは、視聴者に間延びした感覚を与え、視聴の中断を招く。逆に、変にテンポがよすぎるのも問題だ。例えば、短いカットが延々と続いていくと、視聴者は疲れてしまって見るのをやめてしまうかもしれない。そのため、動画の流れとテンポが心地よいものになっているかをチェックする。

 また、1画面に情報量が多すぎると、見る側は内容についていけなくなる可能性がある。この場合は、それぞれの要素を分解して説明するといい。視聴者に見せたい部分を囲んでみたり、その部分だけをズームしたりといった工夫をすると、内容を伝えやすくなるだろう。

上のタイムライン画像では、真ん中のクリップだけ極端に長い。このクリップに動きがあれば問題ないが、そうでないとかなり間延びした印象を受けるはずだ。こうならないようにカット編集することが重要だ。

●音声のバランスは悪くないか

 音声や音楽、効果音のバランスが適切であるかもチェックしよう。基本的には、どれもきちんと聞こえるかどうかが判断基準となる。よくあるのが、「音が大きすぎる(小さすぎる)」「音のバランスが悪い」「音がズレている」「ノイズが入っている」といった問題だ。このような問題があると、視聴時に大きな違和感となるので注意したい。

 また、スピーカーでチェックすると細かい音を見落としがちなので、この作業ではヘッドフォンやイヤフォンが必須だ。もし、スピーカーでチェックする場合は、なるべく静かな環境で、音量は大きめでチェックするようにしよう。

音のバランスからノイズなどの細かい音までしっかりチェックすることが必要。そのため、ヘッドフォンやイヤフォンが必須だ。

●テロップなどの視認性に問題はないか

 テロップや字幕などを使用している場合、表示時間が適切でないと、視聴者が重要な情報を見逃したり把握できなかったりする。視聴者が読めるのは1秒間に4文字程度と言われている。この時間を目安とし、視聴者が容易に読めるかをチェックしよう。

 併せて、文字の大きさが十分であるかもチェック。あまりに小さい文字だとスマホではほとんど読めない。また、その場面の雰囲気にあったフォントが使われているかも確認したい。

テロップの表示時間が適正か、文字が小さすぎないかなど、視認性を確認する。特に、大きさについては、異なるデバイスでそれぞれ確認しておきたい。

●使用している素材に問題はないか

 編集段階では、仮置きの映像や音などを使うこともある。しかし、これが本番の動画で表示されてしまうのは問題だ。このような仮置きの素材が残っていないか、確認しよう。

 また、ダウンロード素材を使っている場合、その素材のライセンスも必ずチェックが必要だ。素材には細かく条件が定められていることも少なくないので、制作した動画の商用利用を考えている場合は、条件に抵触していないかを改めて確認しておく必要がある。

ダウンロードしたサンプル素材には、たいていウォーターマーク(著作権表示)が入っている。このような仮置き素材が残っていないか、しっかりチェックしよう。

●不適切な表現や言動が含まれていないか

 動画は、いわゆる「炎上」というものが起きやすい。炎上は基本的にリスクしかないので、必ず避けたいところだ。そのためにも、動画内に不適切な言葉遣いや行動が含まれていないかチェックしよう。

 不道徳な内容や差別的な話題はもちろんNGだし、捉え方や感じ方というものは人それぞれで異なるので、細心の注意を払わなければならない。

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