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三菱「デリカミニ」は小動物のように可愛く悪路走行の制御もついたハイトールワゴン

2023年12月10日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

デリカミニ

三菱自動車/デリカミニ(180万4000円~223万8500円)

◆三菱自動車の代表車と言えば?

 軽トールワゴンは自動車市場の激戦区。その中において個性を際立たせているのが、今春発売したデリカミニ。どんなクルマか、タレントの新 唯(あらた・ゆい)さんとチェックしてみましょう。

デリカミニ

エクリプスクロス

 三菱自動車といえば本格クロスカントリーの「パジェロ」、ラリーを席巻した「ランサー・エボリューション」、そしてオールラウンドミニバン「デリカ」が頭に思い浮かぶかもしれません。あとは4WDセダンの「ギャラン」、最強4駆スポーツ「GTO」、国産初の空冷式インタークーラーを採用し、かのジャッキー・チェンも乗っていた「スタリオン」、石原プロの刑事ドラマや映画「ワイルドスピード」で活躍した「エクリプス」といった名も……。

 その中で、現在も販売しているクルマはデリカのみ。強いて言うなら「エクリプスクロス」というクルマもありますが、スポーツカーからSUVへと形を大きく変えています。ともあれ、実に悲しい状況で、三菱には頑張ってほしいと思わずにはいられません。

 そんな三菱の代表作である「デリカ」の名前を冠した軽自動車が「デリカミニ」です。実にわかりやすく、実に三菱らしいではありませんか。記憶をたどればパジェロの軽自動車「パジェロミニ」というクルマもありましたから、そのネーミングの付け方も三菱らしくて、実にイイではありませんか。

 筆者は三菱の関係者に会う度に「ジムニーが売れまくっているから、パジェロミニを出せばいいのに」と、口酸っぱく言っていたのですが、その度に「パジェロまで行くと、ジムニーのようにラダーフレームにしないと……」と考えていらっしゃるご様子。確かにパジェロの名を冠したら、道なき道に挑まれる可能性が出てくるので、「パジェロのクセに悪路を走れないとは何事だ!」と怒られてしまうのでしょう。ですがデリカの名なら、パジェロほどはガンガン攻めないでしょうし、元がワゴンですからミニ化しやすいのかもしれません。

◆現行デリカとは違うデザイン

デリカミニ
デリカミニ
デリカミニ

 というわけで、現行のデリカ D:5とデリカミニを並べてみると、似ている部分はほとんどなく。というのも、デリカミニは2018年まで発売されていたデリカ D:5のフェイスに寄せているから。そのフェイスは、半円のLEDヘッドライトとボディーサイズも相まって、どこか小動物のような可愛さ。

デリカミニ
デリカミニ

 横を見ると、「どこかで見たことあるゾ」というもの。それは2020年に登場した「 eKクロススペース」「eKスペース」、さらに言えば兄弟車である日産「ルークス」そのもの。実はアウトドア志向の強いeKクロススペースを生まれ変わらせたのが、このデリカミニというわけです。ちなみに、eKスペースは継続販売されています。

◆三菱だけど日産初の軽自動車用エンジンを搭載

デリカミニ
デリカミニ

 エンジンは新興国向けに日産アライアンスが製造している799cc直列3気筒のBR08系をベースに、ボアを69.0mmから62.7mmに縮小して659ccとしたBR06系。日産として初の軽自動車用エンジンで、世界で初めて実用化したという、1気筒あたり2本の燃料噴射ノズルを持つデュアルインジェクターが特徴です。最高出力は自然吸気仕様で52PS、過給器付きで64PSを誇ります。

 それぞれに最高出力2.7PS/最大トルク40N・mのモーターを使ったマイルドハイブリッド機構が組み合わされています。二輪駆動モデルと四輪駆動モデルが用意されているのは、 eKクロススペースと同じです。

デリカミニ
デリカミニ

 「なんだ、フロントマスクを変えただけなのか」というと、それは違っていて、悪路走行のための「グリップコントロール」「ヒルディセントコントロール」に新制御を追加。さらに四駆モデルは足回りのセッティング(バネレートなど)を変更。デリカの名に恥じないクルマに仕上げられています。このあたり、三菱の本気を感じます。

◆上位グレードにはステアリングヒーターも搭載

デリカミニ
デリカミニ
デリカミニ
デリカミニ
デリカミニ
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 シート表皮には、通気性に優れたはっ水素材を採用。外板色にかかわらず、内装色はブラックのみと、かなりシックな印象へと変更。eKクロススペースの場合、エントリーグレードではウレタンのステアリングホイール、そのほかのグレードでブラック、もしくはブラウンの本革巻でしたが、デリカミニは全車ブラックの本革巻のステアリングホイールを採用しています。さらに上位グレードになると、ステアリングヒーターが付きます。ステアリングヒーターは、eKクロススペースには設定されていなかった装備ですので、寒冷地の方にはうれしいのでは?

デリカミニ

 安全面では、プレミアムグレードでデジタルルームミラーやマルチアラウンドモニターが標準装備されたのが大きな違い。ちなみに標準グレードでもリアビューモニター付ルームミラーが設けられています。運転支援のMi-PILOTなどは継承。メーターパネルには少し意匠が加わった程度で、大きな変更はありません。

デリカミニ
デリカミニ
デリカミニ
デリカミニ
デリカミニ

 320mmのリアシートスライド量を設けた荷室は従来と同様。全体的に汚れに強い素材が用いられており、ガンガン荷物を入れたり、少し汚れた服のまま乗っても大丈夫そう。

◆お値段抑えめでかなり売れているデリカミニ

デリカミニ

 お値段ですが、180万4000円(FF車・G)~223万8500円(4WD車・Tプレミア)と、価格差は結構あったり。ですが、すでにかなり売れているそうで、三菱自動車の軽自動車売上の半分を、デリカミニが占めているのだとか。アウトドアにピッタリの1台、ぜひチェックしてみてはいかがでしょう。

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モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。

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