◆現役RQがドライバーとコドライバーでコンビを組む
11月26日に豊田スタジアムを中心に開催された「TOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in豊田」。このラリーに現役レースクイーンのコンビがエントリーしました。
ウェルパインモータースポーツの「DL 高崎くす子 ヤリスCVT」からエントリーした、ドライバーが荏崎ろあさん、コドライバーが赤城ありささんのコンビです。
荏崎ろあさんはASCII.jpの企画で昨年からラリーのメカニックとして活躍していましたが(RQの荏崎ろあがメカニック視点で振り返るラリージャパンの過酷さと達成感)、本業はレースクイーン! 今年はSUPER GT GT300クラスの5号車「マッハ車検 エアバスター MC86 マッハ号」を応援するマッハ車検ギャルとして、またドリフト競技の最高峰「D1グランプリ」のイメージガールとして活躍しています。
赤城ありささんは7月2日に開催された「TOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in 渋川伊香保」でラリードライバーとしてデビューしていましたが(週末レースクイーンの赤城ありさ、走り屋の聖地・渋川伊香保でラリーデビュー!)、今回はコドライバーとして参戦。
その赤城ありささんも現役レースクイーンで、D1GPの「俺だ!レーシング」を応援するエヴァンゲリオンレーシングの綾波レイ役レースクイーンとして、またスーパー耐久では富士24時間レースでクラス優勝、シリーズランキング2位のデミオディーゼル、「DIXCELアラゴスタNOPROデミオ」を応援するサーキットのメイドさん「TEAM NOPROレースクイーン」として活躍しています。
今回の豊田戦は荏崎ろあさんのドライバーデビューとあって緊張した面持ち? と書きたいところでしたが、荏崎ろあさんに緊張の様子は見受けられません。むしろ楽しんでいるような雰囲気。スバル「インプレッサSTI」と日産「S15シルビア」を愛車に持つ荏崎ろあさんにとって、CVTのヤリスは恐るるに足らず! と言ったところでしょうか。
という印象を受ける荏崎ろあさんなので6点式シートベルトはお手のもの。しかし、HANSデバイス(ヘルメットの下部に取り付ける安全アイテム)は初装着とのこと。これをシートベルトに挟み込んだりするのを赤城ありささんが手伝う様子は、2人が協力し合いながらラリーに臨んでいく、ということを象徴するかのようでした。
◆ラリチャレ豊田はRALLY JAPAN 2023のコースを使う!
今回、このコンビが参戦するTOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in豊田はほかのラウンドと大きく異なる部分があります。それはこの日の最終SS、つまり最終の競技計測区間に「世界ラリー選手権 FORUM8 RALLY JAPAN 2023」で使用した豊田スタジアムSSSをそのまま使うことです。
今回の大会は、あのTOYOTA GAZOO Racing Wrold Rally Team(TGR WRT)が表彰台を独占したことも記憶に新しい、RALLY JAPAN 2023の翌週に開催されるため、わざわざコースを残してあったのです。参加者は大興奮ですよね。
11時のスタートから競技車両がこの豊田スタジアムSSSを走行開始する15時頃まで、来場者が楽しめるようにとデモランまで用意されていました。有料観覧席はあるものの、それを除いて入場料は無料。RALLY JAPAN 2023でSS10本をベストタイムでクリアした勝田貴元選手のヤリスWRCとTGR WRTのヤリ・マティ・ラトバラ代表が操るサファリラリー仕様のST185セリカGr.Aの豪快なドリフトが無料で見ることができるという太っ腹。さすがトヨタの地元開催イベントというほかありません!
そんなデモランが始まる直前、DL 高崎くす子 ヤリスCVTに乗る荏崎ろあさんと赤城ありささんのコンビは、豊田スタジアムから矢作川をはさんで反対側にある白浜公園の河川敷に設定されたSSを走り抜けます。
その時の写真、運転席を拡大してみると笑いながらドライブしている二人の様子が分かります。
その後、2ヵ所のSSを走り抜けてから豊田スタジアムに戻ってくるDL 高崎くす子 ヤリスCVT。途中のリエゾン区間で道に迷って5分の遅着があったとのことですが、無事に豊田スタジアムに戻ってくることができました。
ここで初ドライバーの荏崎ろあさんに、ここまでの感想を聞きました。
「監督からクルマを壊さないように、慎重に完走を目指そうと言われていたので、それを忠実に守って基本的には安全運転で走っていきましたが、コドライバーの赤城ありささんの指示に従ってSSで飛ばせるところは少しペースを上げていく感じで走行しました」と語りますが、ボイスレコーダーの電源を切ると「マジで楽しすぎですよ、林道のSS。ヤバい! もっと走りたい!」とスゴイ本音が出てきます(ボイスレコーダーがオフのため筆者の妄想も入っている可能性があります)。
これまで3本のSSを走ってきての順位に合わせて、走行の順番を組み替えるリグループがあるため、マシンを車両保管場所に移動して、しばしの休憩。昼食もこのタイミングで取りますが、参加者には五平餅のサービスがあるとのことで、ふたりの手には五平餅が握られています。
昼食を食べた上で五平餅を食べたかどうかは定かではありませんが、いよいよ最終SS、豊田スタジアムSSSへ。ヘルメットをかぶり準備万端で豊田スタジアムの特設コースへと向かいます。
2台が一緒に走るバトル形式のスーパーSS
豊田スタジアムSSSのイン側のスタートラインへとつく、ゼッケン32のDL 高崎くす子 ヤリスCVT。アウト側にも何やらキャラクターが貼られたヤリスが並びます。ゼッケン31 こうめちゃんレーシングヤリス。このマシンのドライバーは現役女子高校生、つまりJK! 場内アナウンスでは現役JK vs 現役レースクイーンの戦いをやたら煽ります。
2台が並走してのバトル形式のスーパーSS。このバトル形式の罠に乗ってしまって、ペースを乱すのが一番危険だということはRALLY JAPAN 2023でも何度も見てきました。
しかし、DL 高崎くす子 ヤリスCVTは自分のペースを守り抜いての走行を見せます。ジャンプ台で飛び出しそうなペースに見えたところも、頂上目前で減速しジャンプを避けて丁寧に走り、コーナーもアウトinアウトを忠実に守ってクルマを労わる走りを見せていました。
ラリーはマシンを確実に戻して来ることが大事、とどこかのラリーの大御所の方が言っていたのを思い出しますが、荏崎ろあさんと赤城ありささんのDL 高崎くす子 ヤリスCVTはその言葉通りのドライブで豊田スタジアムSSSを走り抜けました。
現役レースクイーンでも屈指のクルマ好きな二人が、コンビとなって挑んだTOYOTA GAZOO Racing Rally challenge in豊田。またこんな素敵なチャレンジが観てみたい。筆者はそう願って止みません。
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