原因ははっきりしませんがとにかく交換します
疲労破壊の破面は、ビーチマークのあたりはチーズを裂いた時のように表面が比較的平らでツルッとした感じになり、最後に壊れる部分は裂けるのではなく一気に破壊されるのでザラザラになります。この部分を最終破断面とか脆性破壊面などというそうです。脆性の脆は脆弱の脆。脆くなって壊れるってことですね。
この脆性破壊は単独でも起こります。たとえばガラスやスナック菓子なんかは、力をかけると曲がったり延びたりせずにバリッと壊れるじゃないですか。あんな感じです。細くなることなく壊れる。めっちゃ大きい力が一瞬でかかるとか最初から強度不足とか、とにかく材料が力に負けてしまった時の壊れ方です。
ちょっと調べた程度のド素人だし検査したわけでもないので確かなことはわからないですけど、この脆性破壊が怪しそうな気がします。急に想定外の強い力が加わったのか、何度も振動を受けたせいなのか、それともそもそも強度が足りていなかったのかはわかりませんが、いずれにしても徐々に裂けていったのではなく一瞬で壊れたのではないかなと思います。
もしかしたら不純物が混入していたり「ス」が入っていたのかもしれません。スっていうのは、金属が固まる時に空気などが内部に閉じ込められ、蒸しパンみたいに細かい穴ができてしまう現象です。茶碗蒸しとかプリンなんかを加熱しすぎたりするとスカスカになる、みたいな。細かい穴があれば当然強度が下がるので、折れてもおかしくありません。
結局のところ推測でしかなくラジアスロッドが折れた原因は定かではないんですけど、他の部分には特におかしな点は見当たらなかったようなので、ロッドに何かしらの問題があったんでしょう。
まあ軍用車なんてどこかが壊れたらパーツをどんどん交換すればいいっていう体ですから、サクッと交換しちゃいます。しちゃいますといったって、自分でやるわけじゃないですけれども。
修理後、検査・調整と走行テストをしてくれました
折れたのはラジアスロッドの先端にあるタイロッドエンドという部分で、別パーツになっているのでそこだけを交換することが可能です。幸いなことにスカイオートに在庫があったので、すぐに直りました。
自分で交換をしたわけじゃないので大きいことは言えませんけど、作業がしやすい場所ですし、部品の交換自体はそれほど手間がかかるものではないようです。
ただ、走行に関する重要な部品なので交換して終わりというわけにはいかないんですよね。タイロッドエンドはバーにねじ込むようになっているので、どのくらいねじ込むかによって長さが変わってきます。適正な長さより長かったり短かったりしたらタイヤが真っ直ぐ前を向かずに斜めになってしまうため、調整が必要なのです。
タイヤが斜めを向いていると、ハンドルを真っ直ぐにした状態なのに横に移動してしまうことになります。自分の意識とは少しズレた方向に動くため、ズレ幅が大きいと大事故につながりかねません。このズレはサイドスリップといって1m走行した時にどのぐらい横に移動してしまうかを計測します。
今回、専用の検査機器で他の3本のタイヤを含めてサイドスリップのチェックと調整をし、さらに走行テストをして問題がないことも確認してくれました。ちなみにズレ幅が±5mmを超えると車検に通りません。
前輪にはタイロッドというロッドが付いています。こちらはタイヤを真っ直ぐに固定するのではなく、ステアリングリンケージの一部になっていてタイヤを左右に動かすために使われています。
前輪側は左右に動くため、後輪以上に重要な気がします。ここもしっかりと検査、調整をしてくれました。
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