影武者に似た存在から、ユーザーに寄り添う姿勢へ
マカフィーは11月16日、報道関係者向けに事業説明会を開催。
代表取締役社長の栗山憲子氏と日本・アジア地域チャネルマーケティング 執行役員 本部長 兼 セキュリティ エヴァンジェリストの青木大知氏が登壇し、同社の事業展開と、最新のセキュリティの潮流に関して説明したほか、タレント・コメンテーターの土田晃之氏を交えてのトークセッションも実施された。
はじめに代表取締役社長の栗山憲子氏が登壇。代表取締役社長に就任してからおよそ1年2ヵ月を迎えるにあたり、「インターネット利用が日常の一部となりつつあるなか、セキュリティ対策のあり方を再定義し、ユーザーの皆様に寄り添ったセキュリティ企業として邁進していきたい」と話した。
合わせて、日本でのブランド展開についても説明。「買うを、守る。学ぶを、守る。調べるを、守る。旅する、を守る。あなたを守る、マカフィー。」というメッセージを含んだ公式ビジュアル紹介し、JR山手線、JR総武線、JR中央線の広告や、オンラインを通じて、このメッセージの掲示を開始したことを紹介した。
栗山憲子氏は、「影武者のように、目立たず、確実に存在していたセキュリティの面が強かったように思います。統一されたメッセージを通じて、みなさんに寄り添う姿勢を積極的に打ち出せれば」と話す。
プロダクトやサービスの新製品と比較すれば、どちらかというとユーザーの目につきにくいところで活躍するのがセキュリティ対策製品。積極的に選ぶというよりも、「元々入っていたから」「販売員に勧められたから」という動機で、使用するセキュリティ対策製品を選択するユーザーも多いことだろう。
電車広告などは、あえてブランドを認知させていくような戦略を通じて、スマートフォンやソフトウェアをブランドで選ぶかのように、セキュリティ対策製品も意図的に選択するという考え方が広まっていくのかもしれない。
毎日5.7件もの偽メッセージを受け取る日本人
続いて登壇した青木大知氏は、まずオンラインにおけるリスクが増大し続けていることを解説。
同社の調査によれば、モバイルデバイス(スマートフォンやタブレット)に対する詐欺メッセージ(フィッシング攻撃)は、前年度比で85%も増加しているという。その一方で、「自分の個人データを管理できている」と考えているユーザーは20%に留まっているなど、攻撃に遭う確率は高まり続けているのに、リスク管理は不十分であるという傾向を示した。
また、詐欺メッセージに関する7ヵ国を対象としたグローバル調査では、日本人は毎日5.7件もの偽メッセージを受信しており、日本人の43%は、詐欺に遭遇した可能性があるという結果も明らかになった。
この結果には驚くが、昨今は身近でも詐欺被害に遭った/遭いそうになったエピソードを聞くことも多いし、数字としてリアルにも感じる。
こうした状況が生まれている原因として青木氏は、詐欺メッセージが本物のようにカモフラージュされている点や、通知に信憑性を持たせるような巧妙さがあることを指摘。届いたメッセージが本物であるかどうかを確認するために、日本人は毎週40分もの時間を使っているとも紹介した。
こうした潮流を踏まえ、AIを活用して、SMSを使ったテキスト詐欺に対しアラートを表示するソフトウェアの有用性も解説。
オンラインショッピングなどで、個人情報や決済情報を入力するケースがますます増えていることにも触れ、ソフトウェアを用いた積極的な対策に加えて、不必要なアカウント情報は削除するような「情報の断捨離」も有用であると話した。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう