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IMART2023実行委員 数土直志氏インタビュー

マンガ・アニメ業界のプロがガチトークするIMART2023の見どころ教えます

2023年11月21日 17時30分更新

大人の文化祭「IMART2023」の見どころを運営委員の数土直志氏に聞いてみた!

大人の文化祭、始まる!

 マンガ・アニメ業界トークセッションの祭典「第4回 国際マンガ・アニメ祭 Reiwa Toshima」、通称「IMART2023(アイマート2023)」が11月24日(金)から26日(日)までの3日間、全日オンライン開催される。

 マンガとアニメにおける産業・文化・学術について、各分野のキーパーソンが自らの知見を出し合い、忌憚のない意見交換をすることで、現場をより良い方向に向かわせることが主な目的となる。

 今年で4回目を迎えるこのイベントは基調講演のほかにセッション数が21、登壇者は67名に上る大きな祭典で、業界と直接関わりを持たないファンも、チケット購入で全トークセッションのオンライン視聴が可能だ。

 今年のラインナップも興味深い。《AIの現状と活用の可能性》《アニメプロデューサーの育成》《アニメ制作の危機》《クリエイターが海外で仕事をする方法》《マンガの海外展開》《アニメの学術研究とは》《原画保存と展示》《アニメ監督の家事育児》《女性ファンとビジネスの歴史》など、気になるテーマが満載だ。

 筆者は今年初めてIMART2023の実行委員の1人として、4月からテーマと登壇者選び、セッションの準備を進めてきた。テーマ決めには運営側からツッコミが入り、多忙な登壇者のスケジュールが取れないなどさまざまなハプニングもありつつ、業界人が本気で取り組む「大人の文化祭」だと感じた。

 このイベントはいかなる目的で企画され、どのような面白さが詰まっているのか? 実行委員会運営委員「アニメ」担当・ジャーナリストの数土直志氏から主にアニメ関連のお話をうかがった。

IMART実行委員会委員を務めるジャーナリストの数土直志氏にオンラインでお話をうかがった。「アニメーション・ビジネス・ジャーナル」を運営中

IMARTとは何か? そして見どころは?

―― まず、IMARTとはどんなイベントなのかをお聞かせ下さい。

数土 IMARTは、マンガ・アニメの業界・文化・産業を横断する「業界トークセッション」の祭典です。

 トークセッションでは、各業界や分野にいる登壇者の方々が、それぞれの現場で起こっている課題や取り組みについて知見を出し合って意見交換することで、視聴する参加者を含めて新たな視点や発見を得て、その知見を持ち帰って自分の現場に活かしていく。それを積み重ねることで業界全体を良くしていこう、という目的の場所です。

―― セッション登壇者は、マンガ、アニメ業界、個人クリエイター、研究者の方など様々な「現場の方」ですね。こちらは業界の方以外も観られるんですか?

数土 もちろんです! IMARTは一般のファンの方まで含めた祭典にしてきたいと思っています。21のトークセッションに加えて、基調講演があってこの1年を象徴する題材をテーマにしています。今年は「AI」についてマンガ編集者・鳥嶋和彦さんら識者の方にお話しいただく予定です。

基調講演には鳥嶋和彦氏のほか、loundraw氏、石井龍氏が登壇

セッションはすべてネット配信。配信であることのメリット

―― セッションはどこで実施されるのでしょう? 参加はできるのでしょうか?

数土 リアル会場は池袋にありますが、基本的にすべてネット配信になります。東京在住ではない、遠方の方にも参加していただけます。アーカイブも視聴も可能です。そこは配信のメリットだと思っています。

 チケット料金は5000円。これは3日間の全セッション生配信とアーカイブ視聴を含めての値段で設定しました。アーカイブ視聴できる期間も長いんですよ。今年2023年12月から来年2024年5月まで、6ヵ月近く、何度も視聴してもらえます。

 加えて「IMART+」という派生コンテンツがあって、新宿ロフトプラスワンでのトークイベントや、YouTubeでの配信イベントも一部視聴が可能です。

―― 5000円で専門家による20以上のセッション、アーカイブを含めて6ヵ月間も観られるというのはかなりお得かも。通常、ビジネス系のセミナーだと数万円とか高額なことが多いですよね。

数土 ビジネス系セミナーだと、企業の経費で参加する方が多いからその値段設定が可能なんですけど、IMART2023には個人クリエイターの方や、一般のファンの方にもどんどん参加していただきたいので5000円に抑えました。なんとか黒字、という状態でやってます(笑)

原稿執筆現在、Peatixにてチケット販売中

IMARTは一度きりのイベントだった!? 続けたいので非営利団体結成へ

―― そもそもIMARTを作られた理由をお聞かせください。

数土 僕らがイチから作ったわけではないんですよ。もともとは文化庁が地域と連携した「東アジア文化都市」という毎年各都市が持ち回りで開催するイベントがあって、IMARTの第1回目(2019年)は豊島区がその催しの1つとして立ち上げたものなんです。

 そのときのスタッフが今、共同委員長をしているマンガ担当の山内康裕さんとアニメーション担当の土居伸彰さん。そして土居さんから声をかけられたのが始まりで、僕がアニメーションを、マンガを菊池健さんが手伝うという4人体制でスタートしました。

―― 最初は文化庁関連のイベントだったんですね。

数土 はい。初回、わりと成功したんです。お客さんも入って評判も良かった。でも「東アジア文化都市」では翌年は別の都市に移るので、そのまま1年で終わってしまいます。

 でも、IMARTはせっかく作った仕組みなので何とか続けられないだろうかと検討した結果、行政とは関係なく、非営利の独自団体として2回目以降の開催を実現できました。これが設立の経緯です。

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