週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ロレックスを断捨離してチューダー「ブラックベイ プロ」を衝動買い【購買編】

2023年11月17日 11時30分更新

人生初のウェブ通販で衝動買いしたチューダーブラックベイ プロ

 さて前回は「ロレックスを断捨離してチューダー「ブラックベイ プロ」を衝動買い【売却編】」と題して、アンティークのロレックス エクスプローラーII(以降:型番1655)とサンダーバード(型番16264)の2本を、都内の買取店を回り売却するまでの顛末を詳しくお伝えした。

 そして最近再び人気の出てきたロレックスのディフュージョンモデル(廉価版拡販モデル)の購入にいたった。今回は人生初のウェブ通販で衝動買いしたブラックベイ プロのファーストインプレッションをお伝えしたい。

ブラックベイ プロとロレックス1655のデザイン比較

 ブラックベイ プロは、ご存じのように筆者が売却した1655に雰囲気が似た腕時計だ。チューダーは、前述したようにロレックスブランドのすそ野を広げるべく登場したディフュージョンブランドといって差し支えないだろう。しかし、すでに長い期間がたち昨今では、その様相は極めて薄くなってきている。おもしろいのは実際の製品を見てみると、要所要所にその足跡や改良点が垣間見えることだ。

ロレックスに比べると地味だが黒い外箱に赤いアクセントがクール&シンプル

 ブラックベイ プロはロレックスが1655の後継機種として発表したモデルと比べて、その目指すベクトルは別の方向を指しており、今回はチューダーのベクトルがより筆者に刺さった。早速、宅配便で届いたブラックベイ プロは、ロレックスほど大袈裟なグリーンの豪華なパッケージではなく、華美ではない極めてシンプルなパッケージだった。

 腕時計本体以外の付属品は保証書とユーザーマニュアル、クレカサイズのプラスチック製の保証カードの3つ。全てパッケージと同様の赤と黒の2色だけで、長年赤と黒がテーマカラーのThinkPadとの付き合いの長い筆者好みの配色バランスだった。

同梱品も同一カラーコンビの保証書、取説、プラスチック保証カードとシンプルだ

 ブラックベイ プロのベゼルサイズは、1655の40mmより1mmほど小ぶりな39mm。ロレックス1655の後継現モデルが42mmと、巨大化している方向とは対照的だ。元々コンパクトで軽量性が腕時計のひとつのターゲットだと考えている筆者は、15年近く前にデイトナから今回売却した1655に買い替えをしている。これもサイズと重さが理由だった。

 ベゼルサイズが40mmと39mmとかなり近いので、外形サイズだけではすぐにピンとこないが1655とブラックベイ プロのダイアルをパッと見て、一瞬で気付く点は全部で5つ。最初の2つは1秒以下で分かるサイクロップレンズ(日付拡大レンズ)の有無と、オレンジとイエローのGMT針(1655は24時間針)の色の違いだろう。

ロレックスのディフュージョンであるチューダー。ブラックベイ プロは50年以上前に発売されたロレックス1655の系譜を引き継ぐモデルだが、多くの改善点や新機能を搭載している超魅力的な腕時計だ

 サイクロップレンズは見る周囲の環境でも違うが、レンズ正面で垂直に見ればおよそ日付が2.5倍サイズに拡大され見やすいとも言えるが、チョット角度が違うと今度は全く見えないことが多く、日常ではこれまでサイクロップレンズの恩恵にあずかった記憶は皆無だった。

 ブラックベイ プロには、45度回転した正方形型が針の途中に付いたスノーフレーク針(通称:イカ針)がGMT針、時針、秒針の3つの針に採用されており、その内の一番長いGMT針だけがイエローに着色されている。そして1655と同様、全ての針とアワー(時)マーカーには夜光塗料が塗られており、暗所での視認性の向上を支援してくれる。

 時代の差で製造後すでに40年〜50年経過している1655とブラックベイ プロの比較では、後者の使い勝手は大きく向上している。前述したが1655のGMT針の機能は、実際には洞窟探検などで長く暗所にいて昼夜の区別ができない状況でも24時間表示でその判断が簡単にできることであり、海外出張などの時に役立つローカルタイムとホームタウンの両時間を識別できる機能とは異なっている。

 ブラックベイ プロは、海外に移動した時にはイエローのGMT針をホームタイムに固定したまま、現在いるローカルタイム時刻を短針を1時間刻みで前後移動させて、ローカルタイムとホームタイムを常時表示させることのできるGMT機能(キャリバー MT5652)を搭載している。午前0時を超えて短針が移動すると、カレンダーの数字もそれに合わせて前後する仕組みだ。

 1655を使用していた時は、どうも1時間刻みの長方形のアワーマーカーの外側に同色で表示された正方形の24時間マーカー表示との関係性がややこしく、普段の生活では不要だった24時間表示マーカーは時間表示を複雑にするイメージだった。もちろん冒険家の為の機能が1655の素晴らしい機能であり、デザインであることは承知の上でのお話だ。

 筆者の1655は使っている間に、一度4本の針(時針・分針・秒針・24時間針)をオーバーホール時に総交換している。サビて変色した針はアンティーク感は満載ではあるが、腕時計としての機能を最優先した結果だった。それゆえ、オレンジ色の24時間針は極めて鮮烈なカラーだった。ミーハーな筆者にとって当初1655を手放してもっとも残念だったのは、少し地味な黄色いスノーフレークGMT針とオレンジ色の24時間針のインパクト差だったが、今はかなり馴染んできた。

 ブラックベイ プロのイエローのGMT針が嫌なわけではないが、筆者は今もオレンジ色の1655の24時間針には極めて強い憧れがある。そのため、一時は現在のエクスプローラーIIも候補には上がったが、やはりベゼルの直径が3mmも大きな42mmのビッグサイズとその重量は、以前のデイトナを思い出す感じで候補からは外れた。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事