週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ダリの溶ける時計風、LAARVEE「Crashed Submariner」を衝動買い

2023年10月21日 12時00分更新

世界中で静かなブームを巻き起こしているLAARVEE PEA001腕時計を衝動買い

話題のユニークな腕時計を衝動買い!

 今年の初夏頃、ネット上でCrashed Submariner(クラッシュド・サブマリーナ)と呼ばれているロレックスのサブマリーナ(126610LV)に雰囲気の似た「LAARVEE PEA001」という腕時計を衝動買いした。ネイティブの発音を聞いたことがないので、この腕時計のブランド名がラビィなのかラービーなのかそれ以外なのかよく知らない。

けっこう大きな白いパッケージに入って深センあたりから届いた

 筆者の購入した腕時計は、ハートのようなミツバチのようなアイコンがトップに記された白いボックスに入って配送されてきた。同シリーズは今年の春から少し価格がアップしたが420〜495ドルの間で、カラーコンビネーションの違いで8モデルがある。筆者の選んだモデルはダイヤル(文字盤)がブラック、ベゼルがグリーンと最も標準的なコンビネーションだ。

 LAARVEE PEA001には、腕時計本体以外にブレスレットのサイズ調整用のマイナスドライバー、プラスチックの保証カードが付属する。LAARVEE PEA001を初めて見た人のなかには、ニューヨーク近代美術館に収蔵されているダリの初期の作品である「記憶の固執」に出てくる、溶けた時計や柔らかい時計を思い出す人もいるだろう。

同梱物はブレス調整用のマイナスドライバーとプラスチック製の保証書

 また腕時計全体のひずみを「ムンクの叫び」と、オーバーラップする人もいるかもしれない。筆者はどちらかと言えば後者のムンク派だ。どうも著名なアート作品との関連性や被る部分が多い割には、LAARVEEのウェブページを見てもそれらに関する記述は皆無だ。

 それはハート+ミツバチのアイコンも同様のことが言える。ブランドステートメントの押し出しが少ないゆえ、マーケットでは「Crushed」という言葉が引用されているのかもしれない。もちろん表舞台にいる定価よりはるかに高い、何十倍もの値段で取引される腕時計を揶揄する目的もあるのかもしれない。

呪文や方程式のような普通の腕時計にはないメッセージが満載の黒ダイヤル

 LAARVEE PEA001のおもしろいところは、黒いダイヤルの12時位置に配置されたブランドアイコンとそのすぐ下に記述された「TRUE LOVE MATTERS」という言葉だ。そして6時位置には「EQUATION」「1+1=1」「HEART BY HEART」そして6時のインデックスの外側には「MADE WITH LOVE」とある。全てのワードや方程式が様々な解釈がありそうだが、LAARVEEの意味するところがどこにも見当たらないので意味不明になっているところが残念だ……

正面からの見掛けと同じ変形裏ブタを6個のネジ止め。3ATM防水と記載されている

 形状的に丸形ではない超変形のLAARVEE PEA001は、裏ブタをねじ込み式の一般的な円形にすることは不可能だ。現状はネジ穴間隔の不均などな6個のマイナスネジで、しっかりと固定されている。実はオマージュ腕時計であるLAARVEE PEA001にも、すでに同じ中国製のよく似たモデルが登場してきている。筆者の知る限りコピーモデルの多くは、クォーツ製で裏ブタは丸い押し込み型が多いようだ。

 LAARVEE PEA001の背面をよく見ると、ブランドロゴの下にステンレス製であることと3 ATM WATER RESIST(3気圧防水)とある。文字列をそのままJIS規格に当てはめるのなら、3気圧防水は静止状態で水深30mまでの水圧に耐えることができる防水機能だ。第1種防水時計とも呼ばれる。雨や汗、洗顔などでかかる程度の水滴なら耐えられるだろう。もちろん水仕事や水上スポーツ、潜水などは不可能だ。なんと言っても、ジョークが目的の腕時計であることを忘れてはいけない。

最近のロレックス系のバックルと同じイメージ。個体差か筆者のは少しロックが甘かった

 ブレスのバックル構造は最近のロレックスなどのモデルと似ているが、精度や着脱の快適さは少し劣る気がする。後述するが、筆者はこのLAARVEE PEA001を日常的に使おうと決めた時から、標準ブレスからソニー製のスマートブレスレットであるwena 3に交換して毎日使っている。

 LAARVEE PEA001は、シチズン傘下の腕時計部品メーカーであり組み立て生産メーカー「MIYOTA」の自動巻きのメカニカルムーブメントを採用している。なので意外と国内での修理も安心なのだ。腕時計本体のサイズは見た目の通り、横幅より縦に大きなサイズであり腕周りが小さい人への装着性は少ししっくりこないかもしれない。

分厚く見えるが厚さは実測11.75mmでカシオのG-SHOCK GA-2100程度

 LAARVEE PEA001のブレスレットをwena 3スマートバンドに変更した筆者のLAARVEE PEA001は実測138gと決して軽くはないが、同種の腕時計と比べると20g〜40gくらい軽いイメージだ。厚さは実測11.75㎜前後なので、取り立てて分厚くもなく最近人気の八角形部ベゼルを採用したG-SHOCKの樹脂モデル「GA-2100」と同じくらいだろう。

LAARVEEのオフィシャルページ。8つのバリエーションがあり420ドル〜495ドル

 筆者はLAARVEE PEA001を今年の6月頃ごろに、公式直販サイトで本体420ドル+日本までの送料30ドルの合計450ドル(約6万3000円)で購入したが、昨今もまだ入手困難な状況が続いているようで、本物はネット上で9万円〜25万円程度で売られている。それより大幅に安価なモノは品質の異なる社外品の場合も多いので、購入には注意が必要だ。

中国製のLAARVEE PEA001にも、中国製のすぐに判別の付く社外品が多く登場してる。10分の1程度の安価なタイプのほとんどは、クォーツ腕時計でベゼルもブレスレットもLAARVEEと比較すると悲しくなるタイプ

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事