◆初心者もクルママニアも楽しい専門家の解説
まずは入ってすぐのところにあったスバルブースを見学。今回スバルが空飛ぶモビリティ「AIR MOBILITY CONCEPT」を出したのは過去に航空機メーカーだった過去があるから。スバルのエンブレムは前身の中島飛行機が戦後に解体され、その後、富士重工を含めた6社が合併したことをプレアデス星団にたとえたもの、といった解説に、ゆみちぃ部長は大きく目を見開いて驚くばかり。「スバルが飛行機作ってたって知りませんでした! あとエンブレムにそんな由来があったなんて……」といきなり感心しきり。
次に訪れたマツダブースでは、さっそくツアー特権を体験。なんとプレスデーでも入れなかったステージの裏に入れてもらえて、マツダの担当者にいろいろと解説を聞かせてもらった。ステージ裏では、今回発表されたコンセプトカー「ICONIC SP」が近くで見られて、眼福。さらにミニカーが並ぶ壁はマツダだけでなく、いろんなメーカーのものがあり、社員から集めたもの、実際に子どもが遊んでいたものもあり、クルマ好きの第一歩はミニカーからだから、という制作秘話を聞かせてもらい、ゆみちぃ部長は「マツダのモノ作りに胸が熱くなりました。ちょっとマツダの見方が変わりました」と感動していた。
三菱ブースは「国内ではあまり目立たないけど、実は三菱は好調。それはコレが売れているから」と鈴木さんが指したのはピックアップトラックの「トライトン」。日本ではその大きさから導入しているメーカーは少ないが、海外ではピックアップトラックの需要が大きく、かなり売れているとのこと。さらについに日本で2024年初頭に発売されるという。「え、こんな大きいの売れるんですか?」と火の玉ストレートを投げるゆみちぃ部長に「もちろん売れるでしょう!」と冷静に返球する鈴木さん。
スズキブースでは「ここで新車を発表して、正月明けの初売りでクルマを売るというサイクルになっている」と鈴木さん。そういえば、正月にスズキの初売りのCMをよく見るような。ゆみちぃ部長は「たしかにブースに展示されているクルマもすぐ売りそうなものが多いですね」と周囲を見渡しながらコメント。コンセプトカーとして展示されていた「スイフト コンセプト」も、コンセプトとはいえほぼ完成していて、あとは売るだけに見える。
次は軽自動車繋がりでダイハツブースを訪問。スズキと違ってコンセプトカーばかりだが、それには理由があるのだ。が、その理由はここで書けないようなネタなので割愛する。こういう話が聞けるのもこのツアーの魅力だろう。また、コペンのコンセプトカーが出ていたが、「コペンはダイハツの中でも特別なクルマ。ダイハツの開発者のプライドなんです」と鈴木さんは語る。軽自動車中心のダイハツのラインナップの中で、コペンは他社のクルマにも負けないという自信があるという。たしかに軽スポーツ2シーターはHondaの「S660」が終わってしまった以上、唯一残った貴重なモデルと言えるだろう。
最後は働くクルマ、日野ブースにお邪魔。ここではトラックの大きさにも驚かされたが、エンジンなどの大きさも普通乗用車と比べると圧倒的。「これだけの大きさがないとトラックは動かせないんですね」とゆみちぃ部長は唖然としていた。トラックの内部の構造を見るという、なかなかマニアックな内容で今回のショートツアーは終了した。
◆楽しすぎて人に教えたくない! 1500円は安すぎる
ツアー終了後、ゆみちぃ部長に感想を聞いた。
「入場料にさらにお金がかかると聞いて、最初は“え?”って感じだったんですが、これは1500円払う価値が大いにありますね。1500円でも安いです。最初にこれまでのモーターショーとは違うという説明があって、クルマだけのイベントじゃないということをわかったうえで見ると、また見方が変わりました。初日のプレスデイは取材と撮影で忙しくて、じっくり見られなかったので。
長年自動車業界を見てきた人たちだからこその解説は、普通にブースを回るだけでは知ることができませんもんね。特にぶっちゃけトークが面白くて、より深いところまでメーカーやクルマについて知ることができました。初めて来る人は絶対このツアーで見たほうがいいです。なんとなくブースを回るよりも、オーディオコメンタリー的に解説してもらったほうが頼めると思います。
あとやっぱりツアー特典が良すぎて、あんまり人に教えたくないですね(笑)。あの混雑の中、優雅にステージの上とかで写真撮れるとか快適すぎます。ディズニーランドのファストパスみたいな感じですね。マツダの裏の動線を通してもらえたときに、元取れた! って思います。
ジャーナリストさんの解説のおかげで、クルマだけでなく自動車業界の全体像もわかるし、なぜこのコンセプトカーが出てきたのか、このクルマはいつくらいに販売されるのか、といった話もためになりました。クルマを見てカッコイイなあと思うだけでもいいと思うんですが、そういったバックボーンのお話を聞くと、もっとクルマが好きになりますね。クルマを作る人の情熱には、心が動かされます。聞いたことをほかの人に披露したくなる、そんなツアーでした。来年、競争率あがったらどうしよう……」
会期中2回目のゆみちぃ部長だったが、初日と比べるとあきらかに見る目が変わったそうだ。ジャパンモビリティショーは毎年開催になるかもとの話も出ているが、もしそうだとしたら、来年はぜひAJAJガイドツアーに参加してほしい。ただ、人気コンテンツなので予約はお早めに。
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