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kintoneカスタマイズを競う名物企画 今年は若手の台頭と生成AI活用がポイント

kintone show+case unlimited開催!今年は老若男女どころか海外からも登壇

2023年11月13日 12時00分更新

面倒なデモデータの作成をkintoneプラグインで実現(Crena)

 昭和のおじさんの次はkintoneプラグインを開発するCrena(クレナ)の若き二人、CEOの平野賢太郎さんと、CTOの平吹憲人さんが登壇した。平野さんは「いきなりですが、kintoneのアプリを作って、誰かに説明する機会がある人っていますか?」と会場に質問。今回はこうしたユーザーに役立つデモデータの作成がテーマだ。

Crenaの若き二人が登壇。昭和からいきなり令和にタイムスリップした感ある

 SaaSを提案する際には、効果的に見せられるデモデータが必須。しかし、デモデータの作成は大変。実際にアンケートをとったところ、8割の人が作成を大変だと感じているという。

 大変な理由は大きく2つ。グラフを作成するためには多くのデータが必要になる点、そしてリアリティのあるデータを作成するのが難しいという点だ。どうやったら手間なくリアリティのあるデモデータを大量に作成できるか? 行き着いたのはChatGPTになる。「デモデータの作成において、驚くほど効果的に活用できます」と平野さんは語る。

 デモデータ作成のために、ChatGPTで必要なのは3つの情報。まずは顧客管理、タスク管理、問い合わせ管理など、どんなアプリのデータを作成するか、次に顧客名、電話番号、メールアドレス、住所などデモデータを作成するフィールド、最後はドロップダウンの選択肢は作成するデータの条件など。これで精度の高いデモデータが作成されるので、あとはCSV形式で保存して、kintoneにインポートすればOKだ。

 とはいえ、ChatGPTで選択肢や文字制限などの条件を設定するのはけっこう大変。また、わざわざCSV化してインポートするのも手間だ。そこで作ったのが、デモデータ作成プラグインだ。シナリオとしては、パン屋の商品管理アプリにデモデータを流し込むという例。設定画面では、全体のプロンプトに「パン屋で使う商品管理アプリ」、フィールドごとのプロンプトを入力し、ボタンを押せばデモデータが完成。今度はパンの画像まで生成されている。

デモデータの作成に負担を感じる人は多い

3つの情報をChatGPTに渡せば、高精度なデモデータが作れる

kintoneアプリ化により、kintoneですべて完結。しかも画像生成まで可能に

 テキスト生成はkintoneに入力したフォーム情報をChatGPTに流し込めばOK。画像に関しては、日本語をDeepLで英語に翻訳してからパンの画像を生成している。あとは生成したテキストと画像でレコードを一括作成し、フィールドをCSV化。kintoneだけでデモデータの作成が完結するようになったという。ちょっとまじめすぎた感じはあるが、明日から使いたい度ピカイチのプレゼンだったと思う。

カスタマイズツールをカスタマイズ(ながたなかしま)

 5番手は、なんと3年目の登壇となる現場サポートのながたながしま。永田亮介さんは昨年は女性票を意識した内容だったが、今年はしごくまじめな開発ツールのカスタマイズネタをぶち込んできた。

イケメンなだけじゃなく、3年連続登壇の実力もともなっている永田さん

永田さんの後ろでカスタマイズの内容を披露する中島さん

 普段、永田さんはkintoneのカスタマイズのときには「JSEdit For kintone」というプラグインを使っている。プラグイン上で直接プログラムが書けるため便利だが、いくつかの改善ポイントも増えてきたという。今回のカスタマイズはこのツールのカスタマイズだ。

 まずはファイル作成と保存の操作を披露。続いてエディタエリアが狭いという課題を解消する全画面表示の機能も披露。また、API一覧機能も追加され、ポイント&クリックでAPIを手軽に挿入することも可能になっている。「わざわざkintoneのドキュメントを見にいく必要もなく、作業効率がアップすると思います」と永田さんはアピールする。

 さらにGitHubと連携することで、kintoneプログラムのバージョンも管理できるように。ChatGPTとの連携も行なったので、「こういったプログラムを書いて欲しい」とお願いすると、ChatGPTがコードを記述してくれる。

APIの一覧を表示し、挿入できる。これは便利

 ここまでひたすらまじめに説明してきた永田さんだが、最後は「もしわからない場合は横にある私のアイコンをクリックすると、ChatNGTに質問ができます。チャット永田(NGT)です」とコメント。さらに「テーマカラー、変えたい人いると思います」ということで、パレットを紹介。ピンクに変更することは可能になるが、それ以上色を増やす予定はないという。例年と異なりまじめで驚いたが、開発者向けのカスタマイズはネタとして多くないので、興味深い内容だった。

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