週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

ロレックスを断捨離してチューダー「ブラックベイ プロ」を衝動買い【売却編】

2023年11月10日 11時30分更新

最終的に回った買取店はGINZA SIXの周囲近くにある2店舗

買取提案から交渉決裂へ、信頼とリスクは綱渡り

 東京都内にはもうありとあらゆる場所に買取店は存在するが、今回はネットでの申込時に家から行きやすい銀座周辺を希望したので便利なお店ばかりだった。何度かSMSやメールでやり取りしてGINZA SIXの周囲にある4社を選択。平日の1日で午前中に2店、午後に2店を回る計画とした。

 計画日は9月末とはいえまだまだ酷暑の厳しい日だった。訪問予定の4店のうち3店はGINZA SIX近くの銀座の一等地にあるビルの上の方にオフィスがあった。たった1店だけが1階に立派なショールームを持つ路面店だった。

 何れのお店も対応は極めてよく似ている。紳士的で、まずは売却希望の腕時計の写真を多数撮影する。そして売却希望額を確認。取り外したブレスレットの残りのコマの存在や保証書などの確認。筆者の場合はハッキリした売却希望額はないので「高ければ高いほど良い」といった感じで返答した。

 最初、多くの写真を撮るのは自社での事後評価をする時に、現物を見ていなかった人にも理解してもらうためだけだと思っていた。しかし実際は、同業の買取店や海外で同様のことをしている同業者や特定の腕時計をピンポイントでモデル指定して探している有望な見込み客に送るためだと分かった。

 今回の4社の内の最初の1社は、確実にブローカー的な位置づけでマッチングでビジネスをする買取業者だった。最終的には売却希望の腕時計を預かって、何人か何社かの見込み客や同業者に現物を見せてマッチングをする印象だ。なので買い取り価格帯も相手次第だ。まずは予想以上に売却時間がかかりそうだったので、このお店はお断りすることにした。

 残り3店だが午前中にマッチング買取の店にかなりの時間を使ってしまったので、午後に全部を詰めて訪問することにした。午後の1店目では想定額が高いと考えていたアンティーク腕時計が意外に安かった。どうも販路がないか見込み客の該当がないようだ。一方、安い方の腕時計は3店の中では最高額を付けて頂いた。

 午後の2店目はショールームを持つ一番大きな路面店。2個の腕時計の総額は3店の中では最高額だった。マッチング買取の店と行けなかった1店を除き、この日の午後に行った2店に絞ることとした。今回は初めての経験でもあり、対面でのプロセスは想定外に疲れるので無理なスケジュールは禁物だと悟った。

 そしてその後もいくつかのやり取りをして、最後に行ったショールームを持つお店1店にメインの腕時計を売却。安い方のモデルは最高値を付けてくれたお店に買い取ってもらおうと考えたが、2台の総額は路面店が最大なので結局2本の腕時計をまとめて売却することに決めた。

 日を改めて行った路面店のお店では同じ担当者と最終的な面談をした。ところが前回までは全く話題にも出なかった新しい話が突然出て来て面食らった。内容は2つ。一つ目は、伝えた買取価格はお店側が腕時計本体を預かって見込み客や同業者に交渉後の予定額だと言い出した。最初に登場して断った「マッチング買取」とほぼ同じだ。

 加えてもし今日買い取るならアンティーク系のエクスプローラーIIは現在の査定価格からマイナス10〜20万円とか言い出した。緊急の対応としてエクスプローラーIIはこの路面店にお願いするとして、サンダーバードは最高値を付けてくれた別のお店にお願いしたいと言ったら、またしても今まで一度も聞いたことのなかった「査定額は2台まとめての値段だ」と言い出す始末。

 結局、信頼できないのでこの時点で交渉は決裂となった。これが買取店の通常オペレーションかどうかは素人の筆者には分からないが、有力な購入客が見当たらないのに買取をコミットするのはリスクが高い。なので買う側の立場に立てばこの仕組みや買取・販売方法が悪いとは言えない。時間のある人のネゴシエーションゲームなのだ。

 今回訪問した3店が最終的にはほぼ同じように、最初の買取提示額は大きいが、最終的には即金購入は「見込み客に当ってから」、そして「しばらく買取予定商品を預かって持ちまわりたい」というのが本音。同日、雑誌メディアで常に広告展開しているロレックス専門店に持ち込んだ時も全く同様。仮査定はするが、その後は商品預かりで最終査定とのことで2週間くらいかかりそうだった。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事