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Googleマップ、AI活用「イマーシブビュー」など開始

2023年10月27日 13時45分更新

追加された新機能の一部

 グーグルは10月26日(現地時間)、「Googleマップ」にAIを活用した「ルートのイマーシブビュー」など複数の機能を追加したと発表した。

ルートのイマーシブビュー

 ルートのイマーシブビューは立体的な航空写真を利用してルート案内を表示できる機能。車・自転車・徒歩など複数の移動パターンに対応し、出発前に実際の移動ルートの状況をより現実に近い、あたかもその場所にいるかのような表示で確認することができる。

ルートのイマーシブビューの利用イメージ

ルートのイマーシブビューの利用イメージ

 タイムスライダー機能を活用すれば、時間帯や気象状況により変化する交通状況のシミュレーションも可能。結果を基に混み合う時間帯を避けて出発したり、雨天時の迂回ルートを決めることにも役立つ。

 本機能にはAIを使い作成した何十億ものストリートビューと航空写真を融合させたデータが用いられているという。

 利用にはiOSまたはAndroidのアプリが必要。対応エリアはラスベガス、ロサンゼルス、マイアミ、ニューヨーク、サンフランシスコ、サンノゼ、シアトル、フィレンツェ、ヴェネツィア、アムステルダム、バルセロナ、ロンドン、ダブリン、パリ、東京の15都市で、順次展開を始める予定だ。

「Lens in Maps」で目的地付近の周辺状況を確認

 AIと拡張現実を活用し、周囲の状況を確認できる機能が「Lens in Maps(旧Search with Live View)」だ。

 本機能は検索バーのレンズ アイコンをタップし、スマートフォンを持ち上げることで動作。画面に映った現実の街並みに各種施設などのマークが表示される仕組みとなっている。地下鉄の駅を出た際に進む方向をチェックしたり、見ず知らずの街で最寄りのコーヒーショップを探すといった用途にも役立つ。

Lens in Mapsの利用イメージ

Lens in Mapsの利用イメージ

 マークが表示される施設はレストランやコーヒーショップ、駅、ATMなど。オースティン、ラスベガス、ローマ、サンパウロ、台北など、50以上の都市で利用可能となる予定だ。

より詳細な地図によるナビケーション

 ドライバー向けのナビゲーション機能にも「マップ全体の色の更新」「より現実的な建物を表示する」といった改善を実施。さらに一部の区間では道路の情報がより詳しくなり、高速道路の出口で素早く複数車線をまたぐようなトリッキーな運転が要求される場合でも対処しやすくなる。本機能は米国、カナダ、フランス、ドイツを含む 12ヵ国を対象として、今後数ヵ月以内に展開される予定だ。

 ほかにも米国ではルート上にあるHOVレーン(規定人数以上が乗車した車両のみ走行可能なレーン)を表示する機能を追加。ヨーロッパではAIを活用した速度制限情報の表示が20ヵ国以上に拡大する。こちらの2つの機能は Android、iOSおよび Googleビルトイン搭載車向けとして、今後数ヵ月以内の提供を予定している。

EV充電器の情報もより詳しく

 AndroidやiOSアプリを使うEV(電気自動車)ドライバー向けの機能として、マップ上に表示されているEV充電器について、自身の車両との互換性や高速充電への対応の有無など、より詳しい情報が提供されるようになる。

EV充電器情報の利用イメージ

EV充電器情報の利用イメージ

 さらに当該充電器が最後に利用された時期も表示できるため、「充電ステーションに到着したら肝心の充電器が故障していた」という事故もある程度防ぐことが可能だ。

 対応エリアはEV充電ステーションの情報が入手可能な国や地域。早ければ10月中には提供が始まるとされている。

検索でやるべきことのインスピレーションを得る

 Googleマップの検索機能では、検索結果に写真を表示するスタイルに変更する。ユーザーが特定の写真をタップすると詳細な情報が表示され、必要に応じてナビなどの機能を利用できる仕組みだ。

新しい検索機能の利用イメージ

新しい検索機能の利用イメージ

 検索結果はGoogleマップコミュニティで共有された数十億枚の写真をAIで分析したデータに基づいており、探しているものに正確に一致する新しいスポットを見つけることが可能となる。

 ほかにも「やりたいこと」を検索すると、「アニメ」「桜」「美術展」などテーマ別の候補を表示することが可能。こちらは急に空き時間ができたときや、休日にやることがなく困っているときなどに活用すると便利な機能だ。

 各機能は10月からフランス、ドイツ、日本、英国、米国で展開を始め、今後さらに多くの地域に拡大する予定となっている。

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