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A620&RX 7600と+1ランク上の構成では、どちらが良いか検証してみた

2023年10月17日 13時00分更新

 Ryzen 7000シリーズに対応するチップセットは、ハイエンドの「X670E」を筆頭に5種類あるが、イニシャルコストが何より重要なら、エントリーモデルである「A620」チップセットを搭載したマザーボードが最適だ。

 PCI Express Gen5に対応しないだとか、USB 20Gbps(いわゆる“Gen2x2”)を搭載しないなどの装備上の制約はあるものの、いずれも“費用対効果の高いゲーミングPC”には必須装備ではない。

 以前筆者はGIGABYTE製A620マザーボード「A620M GAMING X」を用い、Socket AM5で最高のゲーミング向けCPUである「Ryzen 7 7800X3D」を組み込んでも何の問題もないことを検証した。ただこの検証では、A620マザーボードで組むならもっと安いRyzenでも検証すべきでは、という点が心残りだった。

 Ryzen 7 7800X3Dは8コアかつ安価な設計のA620マザーボードでも十分養えるCPUだが、実売価格は6万円以上となれば、A620マザーボードには“価格的にアンバランスな選択”と言わざるを得ない。

 そこで本稿では、A620マザーボードに6コアの最安CPUである「Ryzen 5 7600」を載せ、さらに「Radeon RX 7600」という、CPU+GPU+マザーボードで実売9万円台で調達できる構成のゲーミングパフォーマンスを検証してみたい。

 だが最安構成というワードに引っかかる人向けに、CPUとGPUのどちらかを“1ランク引き上げた時”のパフォーマンスも検証したい。具体的にはCPUを8コアの「Ryzen7 7700」に変える、もしくはGPUを「Radeon RX 6700 XT」に変えるのはどちらがお得なのか?(筆者註:本稿の掲出時はRX 7700 XTは発売済みだが、検証時点ではRX 7700 XTは未発表である)低予算構成で強化すべき点も含め考察してみたい。

前回のA620検証に引き続き、GIGABYTE製「A620M GAMING X」を使用した。実売価格は1万9000円前後

現状Socket AM5用で一番安い「Ryzen 5 7600」が今回の検証のスタート地点となる。現実には内蔵GPUのない「Ryzen 5 7500F」が理想的なチョイスだが、残念ながら単体販売はされてない(予定もない)

ビデオカードは「Radeon RX 7600」をチョイス。性能的に大差ないRX 6600 XTやRX 6650 XTを使うという手もあるが、あえて付加機能が若干豪華なRX 7600を選択した

検証環境は?

 今回の検証環境は以下の通りだ。A620マザーボードの弱点はPCI Express Gen5に対応していないという点だが、現行RadeonやGeForceはまだGen4世代だし、M.2 SSDもGen4で十分な性能が得られる(Gen5は発熱の対処を考えると費用対効果は今ひとつ)。さらに冒頭で述べた通り、CPUとGPUそれぞれに“1段上げ”相当のモデルを準備した。

 また、CPUクーラーに関してはRyzen 5 7600でもRyzen 7 7700でもAMD純正の「Wraith Prism RGB」を使用している。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 5 7600」(6コア/12スレッド、最大5.1GHz)、AMD「Ryzen 7 7700」(8コア/16スレッド、最大5.3GHz)
CPUクーラー AMD「Wraith Prism RGB」
マザーボード GIGABYTE「A620M GAMING X」
(AMD A620、BIOS F7c)
メモリー Micron「CP2K16G56C46U5」
(16GB×2、DDR5-5200動作)
ビデオカード AMD「Radeon RX 7600 リファレンスカード」、AMD「Radeon RX 6700 XTリファレンスカード」
ストレージ Micron「CT2000P5PSSD8JP」
(2TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システム用)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2)
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