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今年のPixelはスマホも時計も「Pixelらしさ」満点だ(西田宗千佳)

左から「Polished Silver アルミケース/ Porcelain アクティブバンド」「Matte Black アルミケース/ Obsidian アクティブバンド」「Champagne Gold アルミケース/ Hazel アクティブバンド」

Watchは第2世代でようやく「Pixelらしく」なった

 実のところ、スマートウォッチの新製品である「Pixel Watch 2」も同様のアプローチだ。Pixel Watchは2022年10月にスタートしたシリーズだが、Pixel Watch 2は早くも大幅にハードウェアを刷新している。詳細は不明ながら、プロセッサーはクアッドコアのものに変更され、センサー類も強化されている。

 心拍センサーはLEDを増やした「マルチパス心拍センサー」になって計測精度が上がり、継続的皮膚電気活動(cEDA)の計測により、ストレス計測も可能になった。皮膚温センサーでは、睡眠障害や風邪による発熱の傾向も感知できる。

 スマートウォッチはセンサーの塊だが、センサーの精度は医療用機器ほど高くない。そこで、複数のセンサーの情報に機械学習を組み合わせ、「今の状態がどんな傾向を示しているのか」を表すために使われることが多い。スマホのカメラ機能とは方向性が異なるが、結局のところここでも「AI」がポイントになってくるのである。

 こうした開発を考えると、センサーなどをパーツメーカーから買ってきて言われた通りに製品化するだけでは追いつかない。自らソフトウェアを含めた差別化要素を作っていかないと作れないものなのだ。

 スマートフォンとしてのPixelはそれが定着してきているが、Pixel Watchは第2世代でようやく「Pixelらしさ」が見えるようになってきたのではないか、と感じる。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。

 
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