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AIの「政治・地政学リスク」が鮮明になってきた|AIニュースまとめて解説

2023年09月21日 07時00分更新

9月後半のまとめ:生成AIと切り離せない問題になった「地政学リスク」と「政治的リスク」

 生成AIの話題では「地政学リスクとフェイク対策」が重視されている。9月上旬のニュースでも、そこにつながる話が多かったように思う。

 アメリカは生成AIを「同じ陣営に属さないところへと広げない」流れになっている。中国は国内でも積極的にAIを研究しており、その成果も多数出ているのだが、アメリカとしてはNVIDIAのGPUなどの禁輸措置などを介して、拡散にブレーキをかけたい意図がある。

 その意図の背景にあるのは、過去10年ほどの間、何度も繰り返されてきた「他国資本による政治的な意図を持ったメッセージの拡散」への懸念だ。

 生成AIがそうした行為の武器になるのを懸念している訳だが、実際にはアメリカ国内にも、敵対する思想を持つグループへの攻撃に生成AIを使う人々がいる。

 こうした懸念は、生成AIへの法的な規制論につながっている。まさに道具としての対称性が生み出す現象そのものと言えそうだ。

 

筆者紹介――西田 宗千佳

 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。

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