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音楽は光田康典氏が担当!

あの黄金時代が再び!『Sea of Stars』はSFC全盛期の良さを蘇らせた「レトロJRPG」だ

2023年09月22日 13時00分更新

●ミニゲームなども用意!

 目的地へ向かうルートから外れれば宝箱や素材が拾えるので、ついつい寄り道したくなる作りになっているのもニクいポイント。そうそう、冒険には寄り道が必要だよね。

どうしても取れない宝箱を発見し、先に進めない衝動に駆られることも。しかし時には勇気をもって先に進み、あとで取りに来ることも視野に入れよう

 また、ミニゲームとして釣りが用意されている。やっぱりJRPGに釣りは欠かせない要素と認識されているのだろうか。

魚が飛び跳ねた瞬間にボタンを押すと、一定時間魚がピヨピヨして大人しくなるアクション要素も

手に入れた魚や肉、歩いて見つけた食材を使って料理も作れる。料理は貴重な回復手段なので、ガンガン作ってモリモリ食べよう

作る過程のイラストが変わるのも凝っているポイントだ

 そのほか、「秘宝」のオンオフで難易度を調整できる機能があるのも親切だった。筆者は戦闘の追加アクションが正しいタイミングだと星が飛び出す機能をオンにしていた。

強ブロックを一定確率で自動成功にしてくれる秘宝や、HPを上げて戦闘後に回復してくれる秘宝などがあり、自分好みの難易度を調整できるのは嬉しいポイントだ

●雰囲気が好きなら買い!

 良質なドット絵で紡がれる懐かしさ全開のRPG。SFC全盛期のあの頃に感じたワクワクを、この時代にもう一度味わえたのは、とても得難い経験だったと思う。

 レトロRPGが好きということもあるが、本作をプレイしていて不便さを感じる部分はほとんどなく、ゲーム自体は快適にプレイできた。一点気になったとすれば、周囲のキャラが非常に個性的なおかげで、主人公たちがやや没個性に感じたことだろうか。単純な好みの問題かもしれないが。

ときどき挿入されるアニメ。こういうところはリッチで現代的だ

 BGMは『クロノトリガー』(販売:スクウェア・エニックス)などの曲を手掛けた光田康典氏が携わっているとのことで、どこか懐かしい雰囲気を感じられた。オーケストラのようなゴージャスな曲もいいけれど、「こういうのがいいんだよ」と言いたくなる曲調はやはり落ち着くもので、いつまでも音楽を流していたくなる。

コミュニケーション能力が高い仲間「ガール」のBGMが筆者のお気に入り。明るい曲調で元気になれる

顔グラフィックも海外産によく見られる違和感はなく、普通にカッコイイ&可愛いと感じた。日本語訳はたまに妙なところもあるが、意味は通じるので問題ない

 反面、3Dグラフィックに慣れ親しんだ世代から見れば、どうしても「古臭い」ゲームデザインであることは間違いない。敵とぶつかるたびに探索が中断され、目的地を示すガイドもない。プレイヤーの腕だけでバッサバッサとなぎ倒したり、敵を回避して一気に進めたりする「テンポの良さ」はこのゲームにはないものだ。

 だが、「これがいい」とする古参ゲーマー層も確かに存在する。ダンジョンは隅々まで探索したいし、隠し通路を見つけると嬉しいし、戦闘は落ち着いて自分のペースで進めたいのだ。船を手に入れて世界が広がった感動を全力で感じたいのだ。2D風のグラフィックによる俯瞰視点で、3D酔いせずに走り回りたいのだ!(割と重要)

 本作はそういった層にとっては例外なく刺さるRPGであるとオススメできる。PVや画像を見て「雰囲気はヨシ!」と感じるなら、ぜひとも本作を遊んでみてほしい。「俺たちの黄金期」を強くリスペクトし、この時代に蘇らせてくれた奇跡に、心からの感謝を込めて。

 

【ゲーム情報】

タイトル:Sea of Stars
ジャンル:ロールプレイング
日本パッケージ版販売:Kakehashi Games(架け橋ゲームズ)
開発/配信:Sabotage Studio
プラットフォーム:PlayStation 5/PlayStation 4/Xbox Series X|S/Xbox One/Nintendo Switch/PC(Steam)
発売日:
 ダウンロード版:配信中(2023年8月29日/Switch版:8月30日)
 パッケージ版:2023年12月7日予定(Switchのみ)
価格:
 PS5/PS4版:4070円 ※PlayStation Plusゲームカタログ対象タイトル
 XSX/Xbox One版:4000円 ※Xbox Game Pass対象タイトル
 PC(Steam)版:4000円
 Switch:4400円(ダウンロード版)/5980円(パッケージ版)
プレイ人数:1人
CERO:A(全年齢対象)

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