週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

爆音覚悟で買ったら意外と静かだったLian Liの高風量PCケース「LANCOOL 216」

2023年09月17日 11時00分更新

チップセット、メモリー、M.2をまんべんなく冷やせる

 次はベンチマークの「UL Procyon」を使用していこう。テストは「Adobe Premiere Pro」を用いて動画編集する「UL Procyon Video Editing Benchmark」を利用。1時間30分近い処理の後半30分から平均値と最高値を取得した。

爆音覚悟で買ったら意外と静かだったLian Liの高風量PCケース「LANCOOL 216」

単位:℃ (室温26℃)

 CPU温度に違いはなく、MOS温度がなぜか上昇といった傾向は「Cinebench R23」と同じだが、PCHや、DDR5メモリー、M.2 SSDでエアフローの効果を確認でき、平均、最高値ともにダウンしている。また、Adobe Premiere Proは処理にGPUも使われるので、GPUコア温度の「GPU Temperature」を確認したが、こちらには大きな差はみられなかった。

 1時間以上連続して負荷がかかる高負荷ベンチマークになるが、フロントファンは最低回転率の50%となる1100rpm台で推移していた。それでもPCH、DDR5メモリー、M.2 SSDといった箇所の温度をしっかりと下げているのがポイントだ。

重量級のゲームプレイでもしっかりと冷却できる

 最後は「3DMark」のストレステストとヘビー級ゲームタイトル「Cyberpunk 2077」実行時をみていこう。

 まずは20分近く実行される「Speed Way Stress Test」だ。これまでの各部分の温度に加え、ビデオカードまわりのGPUメモリー温度「GPU Memory Junction Temperature」と、GPUコア内で最も高い温度「GPU Hot Spot Temperature」、GPUファン回転数「GPU Fan1」「GPU Fan2」を追加で抽出している。

爆音覚悟で買ったら意外と静かだったLian Liの高風量PCケース「LANCOOL 216」
爆音覚悟で買ったら意外と静かだったLian Liの高風量PCケース「LANCOOL 216」

 これまで大きな差がみられなかったCPU温度だが、CPUへの負荷は高くても20~30%と低いため、平均、最高値で約6度ダウンしている。肝心のGPUまわりは、ファンを停止した状態とは誤差の範疇ではあるが、GPUクーラーのファン回転数を含め下がる傾向はみられる。

 続けて、「Cyberpunk 2077」を1時間程度プレイし、後半30分間の数値を取得した。

爆音覚悟で買ったら意外と静かだったLian Liの高風量PCケース「LANCOOL 216」
爆音覚悟で買ったら意外と静かだったLian Liの高風量PCケース「LANCOOL 216」

 「Speed Way Stress Test」と違い、CPU負荷は最大で60%台、総スレッド平均20%台になるためか、「UL Procyon Video Editing Benchmark」と同じく差はなくなっている。そのほか、System、PCH、DDR5メモリーはここまでと同じくエアフローの効果で温度はダウンするが、残念ながらビデオカードまわりの温度に、大きな差はみられなかった。

自作心をくすぐるLian Li「LANCOOL 216」は
ファンコントロールを楽しめる人には最高のおもちゃになる

 最大の特徴である高エアフローの効果は、絶大というわけではなかったが、回転数制御下ではエンコードやゲーミングなどの高負荷時でも、動作音が気にならない低速回転域で動作していたのはいい感じだ。

 もちろん、CPUがフルロードされる作業では、ラジエーターファンの動作音で意味なくなるのだが、そこはPL1/PL2の電力カスタマイズ次第だろう。実際のところ、今回のテストでは「LANCOOL 216」の真価はまだまだ見えてこない。

 Core i9-13900のPL1/PL2とともに、ラジエーターファンの回転数をカスタマイズして静音指向のパーツ構成にしてみたりと、さまざまな方向性に対応できそうな点は高評価だ。

爆音覚悟で買ったら意外と静かだったLian Liの高風量PCケース「LANCOOL 216」

「LANCOOL 216」はサクッと組むのにも適しているが、パーツ構成に合わせてフロントファンの回転数やファンの増設などを試していくのが楽しいケースだ

 ゲーミング特化で、GPU温度でのフロントファンコントロールにして、フロントファンの回転数を70~80%で固定、さらにボトムにもファンを追加し、なるべくケース内温度を室温に近づけてみたりするのもおもしろい。

 空冷CPUクーラーを組み合わせたうえ、冷却できる消費電力に調節して静音重視を目指すのもいいだろう。

 筆者お気に入りの「Define 7」と同じ組みやすさを有し、構成を選ばない拡張性を合わせ持つ「LANCOOL 216」のコスパは抜群と言える。

【関連サイト】

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう