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AMDはWQHD向けGPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」で優勢を取れるか?【後編】

2023年09月06日 22時00分更新

 本稿は2023年9月8日11時より発売となるRDNA 3世代の新GPU「Radeon RX 7700 XT/ RX 7800 XT」レビューの後編となる。前編では3DMarkを筆頭に5本のゲームを使用して解像度やアップスケーラー(FSR 2/ DLSS)使用時のフレームレートを比較してきたが、全体としてRX 7800 XTはRX 6800 XTと同等~やや上程度、RX 7700 XTはRX 6700 XTよりも確実に上だが、状況によりRX 6800を下回ることもある、という結果が得られた。

今回お借りしたASRock「Radeon RX 7700 XT Challenger 12GB OC」

Radeon RX 7800 XTのリファレンスカード

 本稿では話題作「Starfield」を含む5本のゲームを用いて、RX 7700 XTおよびRX 7800 XTのパフォーマンスの傾向を探ってゆく。検証環境は前回と全く同じである。

【検証環境】
CPU AMD「Ryzen 7 7800X3D」
(8コア/16スレッド、最大5GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN II 360」
(AIO水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASUS「ROG STRIX X670E-F GAMING WIFI」
(AMD X670E、BIOS 1602)
メモリー Micron「CP2K16G56C46U5」
(16GB×2、DDR5-5200動作)
ビデオカード AMD「Radeon RX 7800 XTリファレンスカード」、
ASRock「Radeon RX 7700 XT Challenger 12GB OC」(Radeon RX 7700 XT)、
AMD「Radeon RX 7600リファレンスカード」、
AMD「Radeon RX 6800 XTリファレンスカード」、
AMD「Radeon RX 6800リファレンスカード」、
AMD「Radeon RX 6700 XTリファレンスカード」、
AMD「Radeon RX 5700 XTリファレンスカード」、
ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC」(GeForce RTX 4070 Ti)、
NVIDIA「GeForce RTX 4070 Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 3070 Ti Founders Edition」
ストレージ Micron「CT2000T700SSD3」
(2TB M.2 SSD、PCIe 5.0、システム用)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80PLUS Platinum)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2)

 以降のゲーム検証では、ゲームのフレームレートは全て「CapFrameX」を利用して測定するほか、ベンチマーク中のGPUのTBP(Total Board Power:実消費電力)やそれを元にしたワットパフォーマンス、さらにシステム全体の消費電力を「Powenetics v2」を経由して取得している。また、FSR 2/ DLSS対応ゲームの場合、WQHDと4Kでのみ“バランス”設定で使用し、DLSS FG対応の環境では合わせて有効化して検証している。

Radeonの強さは変わらない「Call of Duty: Modern Warfare II」

「Call of Duty: Modern Warfare II」では画質“極限”、アンチエイリアスは“ウルトラ品質”に設定。FSR 2/ DLSSの“バランス”設定も検証に含めている。ゲーム内ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。

Call of Duty: Modern Warfare II:1920x1080ドット時のフレームレート

Call of Duty: Modern Warfare II:2560x1440ドット時のフレームレート

Call of Duty: Modern Warfare II:3840x2160ドット時のフレームレート

 もともと、このゲームはRDNA 3との相性が非常に良く、アップスケーラーなしでもRX 7800 XTならRTX 4070 Tiを、RX 7700 XTならRTX 4070を上回ることができる。前編で紹介してきたゲームでは、RX 7700 XTはRX 6800 XTに遠く及ばないという印象があったが、このゲームに関してはRX 7700 XTはRX 6800 XTを上回れないまでもすぐ後ろに付けるというパフォーマンスを見せた。

 ただメモリーバス幅の狭さもしくはInfinity Cacheの少なさが原因なのか、特にRX 7700 XTは最低フレームレートが落ち込みやすいという欠点もある。ただベンチマークシーンで激しくフレームレートが落ち込むのは最初のフライバイシーンのごく短時間であるため、戦闘中では気がつくレベルでのコマ落ちはない。

Call of Duty: Modern Warfare II:FSR 2/ DLSS“バランス”、2560x1440ドット時のフレームレート

Call of Duty: Modern Warfare II:FSR 2/ DLSS“バランス”、3840x2160ドット時のフレームレート

 FSR 2/ DLSSを有効化してもRX 7000シリーズの優位性に変化はない。フレームレートの落ち込みを考えると、RX 7700 XTはWQHDまで、RX 7800 XTは4Kも狙えそうなパフォーマンスを出せている。

Call of Duty: Modern Warfare II:ベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

Call of Duty: Modern Warfare II:FSR 2/ DLSSを利用したベンチマーク中におけるTBPの平均値(単位W)、および10Wあたりのワットパフォーマンス(単位fps)

 RX 7900 XTやRX 6800 XTといった新旧世代のハイエンド級GPUのTBPが高い一方で、RX 7800 XTやRX 7700 XTのTBPはさほど多くない。RX 7800 XTとRTX 4070 TiがWQHDや4KではTBPがほぼ並んでいるのに、フルHDではRTX 4070 TiのTBPが低くなるのはさすがAda Lovelace世代のGeForceといったところか。

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