週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

動画では「音」が重要! iPhoneでいい音を録って視聴者に快適な音を提供する方法

2023年10月19日 09時00分更新

本番撮影前にテスト録音をして再生音を確認すること

 本番の撮影を始める前には必ずテスト録音をして、実際の音を再生して確認することが必要だ。その際に確認すべきことは、以下のとおり。

●適切な音量に調整してノイズを防ぐ

 音量は適切に調整しておくことで、音声の歪みやノイズを最小限に抑えることができる。最も重要なのが、最大音量の調整。音量が上限を超えると音が割れてしまうからだ。

 割れてしまった音は、音量を下げたりしても正常には戻らない。そのため、音量が最も大きくなる瞬間でも、クリッピング(上限を超える現象)が起こらないように調整しなければならない。音量は、基本的にはマイク側に付いているつまみなどで調整する。

これはバッテリー内蔵のワイヤレスピンマイクで、レシーバーにゲイン調整のつまみが付いている。つまみの位置は製品によって異なるので、使っているマイクを確認してみよう。

 レベルメーターが確認できるマイクなら、そのメーターを確認しながら調整ができる。最大音量が、-6db〜-12dbぐらいになるように調整するのが一般的だ。このレベルに合わせておけば、突然の大きな音にも対応できる余裕を持たせることができる。

これは、アプリでレベルメーターを確認できるマイクの例。左のように0dbに到達するようなレベルだと音が割れる。右のように最大でも-6db〜-12dbぐらいになるように調整するといい。

●自動ゲイン調整機能をオフにする

 マイクによっては、自動ゲイン調整機能(オートゲインモード)が搭載されている。これは、音量が変わるたびに自動で平均的な音量へ調整してくれる機能だ。

 一見、便利に思える機能なのだが、音量が不自然に上下することがあり、フワフワとした非常に不安定な録音になる場合がある。特に、音楽関係など、演者が音を意図的に強弱させるような撮影などでは厳禁だ。オフにしておこう。

●録音テストをしてチェックする

 音量の調整ができたら、撮影するシーンや対象の音声を使って、事前に録画と録音が正常にできることを確認し、状態もチェックしよう。

 このとき、iPhoneの内蔵スピーカーから流れる音でチェックしても、細かいノイズなどは確認できない。必ずイヤフォンやヘッドフォンを使って再生音をチェックすることが重要だ。

臨場感をさらに求めるならハンディレコーダーなどを併用する

 ここまでiPhoneと外部マイクを接続して録音する方法を紹介してきたが、これは同時録音なので、録音できる音には限界がある。もし、さらに臨場感のある音を録りたいなら、単独で収録できる外部マイクやハンディレコーダーといったデバイスを併用するのがおすすめだ。

 これは動画撮影の現場ではよく利用されている使い方なのだが、例えば、人の声はピンマイクを使って映像と一緒に収録し、周囲の環境音は外部マイクやハンディレコーダーで収録する。これにより、クリアな話者の音声とリアルな環境音を使った動画を作成できるわけだ。

この写真は、外部マイクを使って単独で音を録音している例。編集するときは外部マイクで録音した音声を使い、iPhoneの内蔵マイクで録音したものは、確認用や、万が一のときの保険として利用できる。

 外部マイクの使い方を覚えて動画制作に取り入れれば、きっとワンランク上の動画が作れるだろう。とはいえ、思いがけずに録音を失敗するというケースも少なくない。

 よりよい録音ができるようになるには、やはり何度か繰り返し撮影をしてみてコツをつかんでいくのが最良だ。いろいろなテクニックを試してみてほしい。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事