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タイトー創立70周年記念の展示会にビックリ!

生ギターを弾く、動いてしゃべるなど、タイトーのレトロアーケード筐体が激ヤバ

2023年08月25日 10時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

今でも流行りそうなエレメカも

 エレメカからビデオゲームに移り変わる筐体の展示も。特に驚いたのは1972年に登場した『スピードランナー』だ。今年43歳の筆者も生まれる前で初体験。ビデオゲームではないレースゲームで、CPUなどの半導体は使われていないという。

タイトー

『スピードランナー』

タイトー

筐体の後ろから中を見せて貰った。ゴム製のレーンの上にミニカーが並んでいる

タイトー

スピーカーの下にアクセルペダルのみがあるシンプルな作り

タイトー

上には電光掲示板を光らせる豆電球と、アナログのポイント表示がある

 立った状態でハンドルを握り、右足でアクセルを踏む。ブレーキはなくアクセルの緩急と、ハンドル操作で車を操作する。3レーンあるベルトにミニカーの対向車が流れて来るのだが、速度がそれぞれ異なり、それに当たらないようにする。

 通常のレースゲームとは異なり、アクセルを踏み続けるのではなく、対向車と対向車の間に隙間ができたら、対向車に当たらないように別のレーンにハンドルで移動するというもの。アクセルを踏まなければ対向車も動かないので、自分の間隔でゆっくり車を動かして、ぶつからないようにしていくのが、一般的なレースゲームにはない、思わず夢中になる面白さがある。

 なにより驚いたのは、対向車にぶつかると自分の車がくるくると回転し、スピンする音がして、ハンドルには振動が起こる。今では当たり前のようにゲームパッドは、画面の衝撃に合わせて振動するが、それを50年も前に実現している発想力が凄い。

タイトー

『ウエスタンガン』

 作中に描かれる拳銃は、1975年1月1日に「ビデオゲームに登場する史上初の拳銃/First videogame gun」としてギネス世界記録に認定されている、2人対戦用の西部劇をモチーフとした『ウエスタンガン』。本機もCPUは使わずロジック回路で動作を実現している。

 当時、このゲームを米国のミッドウェイ社にライセンスしたところ、CPUを使った電子回路でこのゲームを実現。タイトーはこれに学び、初めてCPUを使ったインベーダー電子回路につながったそうだ。

タイトー

『インターセプタ―』

 1976年に登場した戦闘機のドッグファイトを再現したビデオゲーム。エレメカだった『スカイファイター』をビデオゲームとした意欲作とのこと。

 そのほか、タイトーといえば誰もが知っている『スペースインベーダー』や旅客機の離着陸を味わえる3Dポリゴンのフライトシム『トップランディング』、最初の『電車でGO!』といったヒット作も展示されていた。

タイトー

『スペースインベーダー』

タイトー

『トップランディング』

タイトー

『電車でGO!』

タイトー
タイトー

さらに、昔の貴重な資料や基板の展示も

 また、現在絶賛稼働中のメダルに好きな文字や日付刻印できる『メダルタイパー』の試遊もできた。本作は設置地域に合わせてキャビネットとメダルデザインも提供しているという。構造は割とシンプルで、お金を入れて準備が出来たら、刻印したい文字を選択して、レバーを引くだけ。

タイトー

『メダルタイパー』

 刻印できる文字は、最大で32文字。手軽に自分だけの刻印のメダルが作れる製品とのこと。この製品はわずか20Wという、PCよりも少ない電力で動作するのも特徴とのこと。

タイトー

コインの表

タイトー

コインの裏

 近年の昭和レトロブームで、レトロな製品に心をときめかせる若い世代もいるが、そういった人にはどんぴしゃな筐体が多数展示されていて、とても興味深かった。同社にはさらに古い製品もあるようだが、動作するものも少なくなってきていて、なかなか一般公開とまではいかないとのこと。

 今の技術で再現して、流行りそうな筐体もあるが、実際に作るとなると、いろいろとハードルもありそうだ。しかしながら、こうした長い歴史の中で紡がれた素晴らしい発想と技術は、後世にできるだけ長く残して欲しいものだ。

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