しっかりと収益を出せる収益モデル
PS5の事業においてもうひとつ見逃すことができないのが、しっかり収益を稼ぎ出すビジネスモデルを構築している点だ。
これまでのPlayStationシリーズの歴史は、初期投資が先行し、プラットフォームの移行期には業績が急激に悪化していた。だが、PS5は、その点でも過去のプラットフォームとは大きく異なった。たとえば、PS5が発売となった2021年度のゲーム&ネットワークサービス分野の売上高および営業利益は過去最高を達成。移行期でありながらも、しっかりと利益を計上してみせたのだ。実際、PS5本体は2021年度下期には黒字化したと見られている。
2023年度は、プロモーション活動の積極化と、ダイレクト販売の減少などによる販売コストの増加によって、事業全体での損益は悪化する方向に振れるが、PS5本体での収益性の改善はさらに進むことになりそうだ。
日本ではすでにPS4を上回る稼働台数、あと7000万台売れる
ソニーグループの試算によると、2023年度第3四半期には、全世界のPS5のインストールベースが、PS4のそれを上回ると想定している。すでに日本では、これを達成しているという。
そして、2023年度は、あらゆる指標で、PS5がPS4を上回ることになると見込んでいる。
ソニー・インタラクティブエンタテインメントのライアン社長兼CEOは、PS5が累計4000万台を達成したものの、これまでのデータをもとに、「PS5はあと約7000万台の販売を見込むことができる」と試算する。
従来のPS4のユーザーを取り込めるほか、これまでPS4を持っていなかった人たちにも、積極的にPS5を普及させていく計画を打ち出す。
その計算からすれば、PS5の普及戦略は、まだ3分の1を超えたところだ。PS5のビジネスは、むしろこれからが本番である。
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