今回のひとこと
「現在、PlayStation 5 は十分な在庫があり、累積されていた需要にようやく応えることができるようになった。ファンのサポートのおかげで累計実売台数は4000万台に達した。だが、PS5は、あと約7000万台の販売を見込める」
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは7月27日、「PlayStation 5」(以下PS5)の実売台数が4000万台に到達したと発表した。
2020年11月発売のPS5は、新型コロナウイルス感染症が蔓延するなかでのスタートとなり、想定外のことが次々と起こった。
ジム・ライアン社長兼CEOは「2019年に、PS5を初めて発表した時とはまったく異なった状況下での発売となった。前例のない困難のなかで、PS5を予定通りに、ファンに届けるために、あらゆる努力を行ってきた」と振り返る。
サプライチェーンの混乱による部材調達の遅れとともに、コロナ禍での巣ごもり需要の拡大は、想定以上の品薄を生んだ。日本では、抽選販売が長い期間に渡って続き、ネット上では、高額で転売されるケースも相次いだ。
2020年度の販売台数は11月から、期末の2021年3月までの5カ月間で780万台。2021年度には1150万台を販売したが、月間平均販売台数は前年度よりも減少。期初には、PS4の導入2年目の販売台数である1480万台を上回ることを目標にしていたが、これも下回った。
この間、複数のサプライヤーからの部材調達や、最適な配送ルートに関する物流交渉などを実施。素早く提供できる手段の確保に取り組んできたという。
その結果、2022年度は年間で1910万台を販売。流通在庫が正常化しはじめた2023年1月からは、いつでも購入できる状況が生まれ、2022年度第4四半期(2023年1~3月)には、歴代PlayStationコンソールとしては過去最高の630万台の販売記録も達成してみせた。2023年度は、歴代コンソール史上最多となる年間2500万台の販売を目指しているところだ。
ライアン社長兼CEOは、「パンデミックによる厳しい状況が長引き、需要に応えられる在庫を確保できるようサプライチェーンが正常化するまでに何カ月も要することとなった。現在、PS5は十分な在庫があり、累積されていた需要にようやく応えることができるようになった。そして、PlayStationファンのサポートのおかげで、PS5の累計実売台数は、4000万台に達した。ゲームコミュニティに心より感謝する」と語る。
先ごろ発表した2023年度第1四半期(2023年4~6月)のPS5の販売台数は330万台。ソニーグループ 代表執行役社長 COO兼CFOの十時裕樹氏は、「第1四半期の実績は、年間2500万台の目標に対する進捗状況としては、若干届いていないが、年末までにキャッチアップできると見ている。日本やアジアの需要は強く、北米でもプロモーションの反応がいい。英国は若干弱いが欧州全体ではいい。今後、販売施策を強化していくことで、年間2500万台の目標達成を確実なものにしたい」とコメントした。
ソニーグループでは、PS5ハードウェアの普及を加速させることを、2023年度の最優先課題のひとつに位置づけており、7月からは世界各国で、積極的なプロモーション活動を実施している。また、年末にはファーストパーティータイトルである「Marvel's Spider-Man 2」が発売されるほか、サードパーティーからも有力なタイトルの発売が予定されるいる。年末には、市場の盛り上がりととも、販売台数にも弾みがつきそうだ。
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